Interview 新型フォレスターはこうして生まれた 5年ぶりにフルモデルチェンジを果たした、本格SUV「スバル・フォレスター」。その進化のポイントを、スバルの開発陣に訊いた。

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スバルの業績が世界的に好調だ。2012年9月の中間決算を見ると、売上高も販売台数も上期としては過去最高を記録している。
この状況にあって、11月13日に登場した新型「フォレスター」に注目が集まる。世界的にSUVの需要が増えているなか、グローバルで展開するこのモデルが成功を収めれば、スバルの勢いはさらに加速するはずだ。

webCGでは要注目の新型スバル・フォレスターにさまざまな角度からスポットライトを当て、その全容を紹介したい。

「スバルが持っている最新の技術を投入して、SUVの本質的な価値を追求したいと考えました」
4代目となる新型スバル・フォレスターのまとめ役を務めた臺(だい)卓治プロジェクトゼネラルマネージャー(以下PGM)は、開発の狙いをこのように語った。では、SUVの本質とはどのようなものだろうか?

「ウィークデイは通勤や買い物、週末に遠出をするのがSUVの典型的な使われ方だと思います。こういう使い方をした時に、長距離を楽しく移動することができ、悪条件下でも安心して運転できる本物のSUVを作りたかった」
本物のSUVを作るにあたっては、「とにかくクルマ作りの基本に立ち返りました」と語る。ただし、実際には口で言うほど簡単な作業ではなかったようだ。

「パワフルな走りと優れた燃費や、しっかりしたハンドリングとしなやなか乗り心地など、相反する性能を両立させるのが最も苦労した点です。細かい部分は担当のエンジニアがお話ししますが、飛び道具を使って解決できる問題ではないんですね。われわれは“寄せ寄せ”と呼んでいますが、小さな改善点を寄せ集めることで解決したのです」

例えば、新型フォレスターに用意される2種の2リッター水平対向エンジン(自然吸気と直噴ターボ)のうち、自然吸気モデルは15.2km/リッターという同クラスでトップレベルのJC08モード燃費を実現している。
この優れた燃費性能は、新たに採用したリニアトロニックというCVTによるところが大きいものの、これだけでは目標には達しなかったという。

「タイヤの転がり抵抗、空力、軽量化……。考え得るすべてをやり切ったと思います」
燃費の目標は、空力性能向上のためにリアのコンビネーションランプの形状まで工夫するなど、細かな取り組みの積み重ねで達成した。そのかいあって、直噴ターボ「DIT」搭載モデルは280psのハイパワーと13.2km/リッターのJC08モード燃費を両立している。

臺PGMによれば、新型フォレスターの開発が始まった4年前からこれまでに、何度か燃費の目標値を変更したのだという。より高い、新たな目標値を告げるたびに、「ミーティングが“シーン”としてしまいました」と苦笑する。

「でも、おかげでフォレスターは四駆でありながら、同クラスの他車のFFモデルと同等の燃費を実現することができました。四駆は燃費が悪いというイメージがありましたが、これでユーザーのみなさんにスバルのAWD技術の素晴らしさを存分に味わっていただけるはずです」

燃費とパフォーマンスの両立が新型フォレスターの大きなトピックではあるけれど、ほかにも注目すべき点がたくさんある。以下、順を追って紹介していきたい。

臺 卓治
スバル商品企画本部 プロジェクトゼネラルマネージャー