Driving Impression ジャガーXJで初秋の北アルプスを行く - 文=島下泰久 写真=小林俊樹

すべての形は意味を持つ。ジャガーの流麗なスタイルを真に理解したければ、ひたすら走ってみるのがいい。「XJ SUPERSPORT」で、ほんのり色づき初めた北アルプス・パノラマロードを行く。

答えはロングツーリングの中にある

いつだったか、ヨーロッパの「ジャガー E-TYPE」のオーナーの集まりで話を聞いたことがある。イギリス人のあるオーナーは、よくドーバー海峡を越えてフランスにツーリングに訪れるのだと言っていた。また、やはりイギリス人だったと思うが、アメリカ大陸にまで自分のE-TYPEを持ち込んで、数週間のドライブ旅行を楽しんだことがあると自慢げに教えてくれた。

スポーツカーの楽しみ方にはいろいろある。サーキットでタイムを削り取る。それもひとつだ。あるいはツーリングは、その対極とも言えるだろうか。求めるのはタイムなどの数字ではない。走ること、ただそれ自体が目的なのだから。

ジャガーはスポーツカーメーカーである。ラインナップの主力は「XJ」や「XF」など4枚のドアをもつモデルだが、これまでも、そして現在も、彼らは快適なだけのサルーンなどつくったことはない。ドアの枚数やボディーの形状に関係なく、彼らはスポーツカーメーカーの矜持(きょうじ)をもってクルマづくりを行っている。

となれば……その本性をのぞくには、街中を流すばかりでなく、やはりスポーツカーらしく走らせるに限る。サーキット? もちろん、いざそうした舞台に持ち込めば、驚くほどのパフォーマンスを示すことは過去に経験済みである。ここでは、E-TYPEのオーナーたちがそうしていたようにツーリングに出掛けてみたい。長い距離を共にしてみたい。そう思ったのだ。

その相棒として選んだのは「XJ SUPERSPORT」のスタンダードホイールベース仕様。最新技術によって生み出されたオールアルミ製のボディーに、最高出力510psを発生する5.0 V8スーパーチャージド・ユニットを搭載したシリーズ随一の硬派なモデルである。

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