Driving Impression

「XJ」との対話を楽しむ

自然吸気でも力強さ際立つ5リッターV8ユニットは、スーパーチャージャーをプラスすることで、まさに“凄(すさ)まじい”と形容したくなるほどトルクを得ている。街を抜けるまでは、その刺激にばかり目が向いていたが、高速道路をしばらく行くうちに、また別の良さが見えてきた。あふれんばかりのトルクがもたらす、この上ない余裕だ。

印象的なのは、アップダウンの続く中を走っていても、地力があるため速度の維持が容易(たやす)いことである。上り坂に差し掛かっても、キックダウンさせてアクセルを深く踏み込んで……といった動作は不要で、アクセルペダルに乗せた右足の親指に心持ち力をかけるだけでトルクが立ち上がり、速度を落とさないで済む。長い距離を走ろうという時には、これだけで疲れが随分違ってくる。

もちろん、それはひとつの側面にすぎない。追い越しなどで必要とあらばいつだって、スーパーチャージド特有の迫力あるメカニカルサウンドを響かせながらの迫力の加速を引き出すことができる。普段はジェントルでありながら、その瞬間、野性をむき出しにするのである。

常にクルマの側から「もっと踏め」とけしかけてくるわけではない。しかし、だからといって無味乾燥なわけではなく、分厚いトルクを意のままにする贅沢(ぜいたく)さは他ではそうそう味わえないものだし、いざ求めた時には圧倒的な加速に陶酔することだって思いのままだ。

乗り手の意思に応じてさまざまな表情を見せるパワーユニットは、操るよろこびを倍加させる。気付けば走り続けている間、まったく飽きることなく、5.0 V8スーパーチャージド・ユニットとの尽きることのない対話を楽しんでしまった。これぞスポーツカーの醍醐味(だいごみ)である。

Top page