こぐも走るも、いまが旬

毎年5月のお楽しみだった自転車の長距離イベント「東京〜糸魚川ファストラン」に、今年は用事があって参加できなかった。自分の脚だけで本州を横断して日本海へ出る300kmのハードサイクリングだ。ほぼ休みなく17年も続けてきた年中行事をスルーしたら、ポッカリどこかに穴が開いたみたいに寂しくなった。「自転車に乗りたいゾ!」春と梅雨に挟まれた一年で一番気持ちがいいこのシーズン、「ワタシをサイクリングに連れてって!」と叫んだら、じゃあ、新緑の磐梯山あたりに行ってくればと『webCG』の関さんが「ボルボXC60」のキーを渡してくれた。というわけで、5月末のある日、東北道を北上した。天気は快晴。ぼくは“超”の字が付くくらいの晴れ男である。

おさらいすると、「XC60」はボルボ初のコンパクトプレミアムSUVである。今やボルボの代名詞ともいえる衝突回避デバイス“シティセーフティ”を最初に搭載したクルマだ。FFの2リッター4気筒ターボモデル「T5 LE」もあるが、今回の試乗車は、さらにプレミアムな3リッター直列6気筒ターボを積む「T6 AWD SE」である。“コンパクト”とはいえ、全幅は1.9m近くある。そのルーフに専用キャリアを付けて自転車を積むこともできるが、これだけ室内がたっぷりしていると、車内積みも容易だ。最近の天気はキレやすくて、突然、雷雨や突風に見舞われたりする。スポーツ自転車のカーボンフレームなどは雷サマの大好物である。自転車はなるべく車内に積むべしと思う。郡山で磐越道に乗り換え、猪苗代磐梯高原ICで降りる。東京神田の『webCG』編集部からは280km走った。「これ以上の距離を毎年1回、ワタシは自転車で走っていたのか」と思うと、われながらその物好き加減にあきれたが、XC60での280kmは朝飯前である。

昼飯前なので、桧原湖近くの食堂でハンバーグカレーを食べる。味もさることながら、注文したものをカレンダーの裏側みたいなメモ用紙に書いておいて、しかし忘れる店番のおじいちゃんがイイ味出している店だった。