京の路地でも安心な一体感

盆地の京都を眺めるドライブウェイが、京都周辺には二つある。比叡山ドライブウェイと、嵐山-高雄パークウエイだ。特に後者は、京都のクルマ好きにとって“聖地”のような場所。天気のいい週末ともなれば、古今東西のクルマ好きが大勢あつまってくる。V60 T4 R-DESIGNの実力のほどを、せっかくだから試してみた。嵐山の入り口から入ると、急なコーナーの上りが続く。ストレスのないパワーフィールとフラットに姿勢を保つ足まわりが頼もしい。助手席の由紀さんも、最初はこわがっていた(そんなにスピード出してませんよ!)けれど、クルマの動きに節度と安心感があるからだろう、ワインディングロードが後半にさしかかる頃にはきゃっきゃと楽しんでもらえた様子。高雄出口でパークウエイとわかれ、洛北を走る。仁和寺、妙心寺、龍安寺、金閣寺……。洛北あたりは古い街なみが続いていて、ナビゲーションが細い路地を案内することもしばしば。そんなときでも、V60は重宝した。ころ合いのサイズに加えて、動きにムダがないから車両感覚をつかみやすい。だから、一方通行の見知らぬ路地だって、気後れすることなく、ぐいぐい入っていける。

京都の裏道は意外と交通量が多く、けっこう路駐も盛ん(?)だから、走りにくいと思う人も多いだろう。そういう場所では、サイズというよりむしろ、できるだけ一体になれるクルマを選んだ方がいい。V60 T4 R-DESIGNは、その点じゅうぶん、合格点をつけられる。上鴨あたりを散策し、鴨川沿いのカフェ“賀茂窯”でしばし休憩。京都の人は、買い物や食事を手軽にそのへんで済まさない。もちろん、繁華街や百貨店に行けば何でもそろうわけだけれども、それを潔しとしないようなところがある。クルマやバイクに乗って、漬け物なら大原、和菓子なら下賀茂のへん、カフェは北山で鯖寿司なら出町、カレーうどんなら南禅寺あたりのどこそこやけれど、今日は洋食の気分やから北白川のあそこで、という風に、とにかくいろんな店を巡る。はしごだっていとわない。それだけ、郊外にも散らばって、名店がたくさんあるということだから、そんな京都風のドライブをプランしてみるのも楽しい。

京ならではのお土産を手に入れようと、大原まで走った。最近お気に入りの玉ねぎドレッシングと白だしを買うためだ。川沿いの山道、鯖街道をゆったりとクルージングする。低い回転域でしっかりと力が出ているから、とてもラク。由紀さんといえばもう、となりでぐっすり休んでいる。さあ、夜は夏の京名物、納涼床で鱧(はも)ざんまい……。結局、食べてばかりの古都巡り、とあいなった。ボクの指南じゃ、まあ、しょうがない。(文=西川淳/写真=荒川正幸)