剛と柔の絶妙なバランス

V60 T4 R-DESIGNは専用のスポーツサスペンションに235/40R18と大きめなサイズのタイヤを装着しており、全般的にスタンダードモデルよりも硬質な乗り味だ。だが、街中から高速道路まで、日常的なシーンのなかで不快に感じることはほとんどない。都市高速の継ぎ目などで大きく鋭い入力を受けたときに、タイヤの大きさを認識することはあるが、その衝撃は、乗員に伝わってくるまでの間に角が丸められ、スムーズに変換されてしまう。以前からボルボは、分厚いじゅうたんを敷き詰めた道路を走っているかのような、穏やかな乗り味を持っていた。北欧の雪道でも急な姿勢変化を抑える効果があり、その他の路面でも乗り心地に好ましい影響を与えていたが、それがスポーティーなV60 T4 R-DESIGNのシャシーと融合して、新たな境地を切り開いているように思う。スポーティーでありながら乗り心地も悪くなく、しっとりとした上質感も兼ね備えているというのはもちろん長所に数えられるが、ワインディングを走っているときには、路面状況の変化に強いということが何よりもありがたい。コーナリング中に不意に現れる凹凸やうねり、さらにはウエットとドライが入り交じったダンプ路面などでも挙動に不安定なところがなく、絶大な安心感を持って駆けぬけていけるのだ。そういった特性の場合、手応えが曖昧になるかと思いきや、速度を上げて限界域に近づくにつれて不思議なほどダイレクト感が高まってくる。剛と柔の絶妙なバランスが、ボルボの最新スポーツテイストの要だといえよう。