小手先ではない「走りの追求」

ここのところボルボの走りがスポーティーになってきたと感じてはいたが、「V60 T4 R-DESIGN」をワインディングロードで走らせてみて、それが確信に変わった。コーナーへ入っていくと、まずはステアリング周りの剛性感の高さに「オッ!」と感心させられる。路面が荒れていてボディーが揺さぶられるような場面でも、ガッチリとした頼もしい手応えがあり、ブレたり曖昧さを感じさせるようなことは一切ない。ステアリングの頼もしさといえば、単に操舵(そうだ)力を重めにして演出されるケースもあるが、V60 T4 R-DESIGNはそんな小手先のごまかしではなく、コラムの剛性を高めて“本質を追究”している。操舵フィールとしてはスッキリとしていて、むしろ軽やか。そこには驚くほど豊かな情報が詰まっている。路面の細かな凹凸や、タイヤに荷重がグーッとかかっていく状況などが手に取るように伝わってくるのだ。かじの利き方も絶妙だ。直進時はどっしりと落ち着いており、微少舵角域では敏感すぎない穏やかな反応を示すが、いざ切り込んでいくと比較的クイックなステアリングギア比ということもあって、鋭い切れ味を見せる。これは、ただ単にステアリング周りをがっちりと固めてレスポンスを高めるだけではなく、ドライバーの感性にマッチするよう、力を逃がすべきところは逃がす。そういった剛性バランスの取り方にたけていることの証明でもある。主要部分が優れているのはもちろん、チューニングに手間のかかるゴムブッシュなどの使い方にも、秘伝のレシピがありそうだ。それは抜群のステアリングフィールだけではなく、シャシー全般において感じ取れることである。