Driving Impression

意のままになるドライブフィール

シリンダー数を減らし、排気量を縮小する代わりにターボチャージャーを装着したことによって、そのオールアルミ製パワーユニットは最高出力240ps、最大トルク34.7kgmというスペックを実現している。ダウンサイジングにも関わらず、従来の3リッターV型6気筒と比べて、最高出力こそ3ps劣るものの最大トルクは4.1kgmも増強されているのである。

走りだせば、その差は明らか。何より低中速域のトルクが極めて充実しているのが心地良い。線が細いかと思ったらまるでそんなことはなく、アクセルペダルに乗せた右足に力を込めるや、すぐにタイヤが転がりだすのを実感できる。

さらに細かくスペックシートを読み込めば、最大トルクが増強されているだけでなく、その発生回転数が4100rpmから1750rpmへと大幅に引き下げられているのが分かる。要するに、より低い回転域から、より太いトルクを発生しているのだ。

このエンジン特性を生かして、日常域では8段ATはエンジン回転を引っ張ることなく、どんどんと上のギアへとシフトアップしていく。街中などでは、回転計の針が2500rpm以上に届くことなど、まずないほどだ。エンジン音が高まることなく、しかし速度はスーッと高まっていくこの感覚は新鮮そのもので、何より上質感に満ちている。ジャガーと4気筒エンジンの組み合わせに、乗る前にはなじめないと感じていた人でも、おそらくこの時点ですでに、そんな先入観など吹き飛んでしまっているに違いない。

もちろん、必要に応じてアクセルペダルを深く踏み込んでやれば、さらなる加速を引き出すことができる。ここでも8段ATの貢献度は大きく、常にエンジンが一番実力を発揮しやすい回転域へとサッと導いてくれる。この軽快で、意のままになるドライブフィール、乗るほどにスポーツサルーンであるジャガーに、実にしっくりきていると感じられてくるのだ。