Interview

片岡愛之助
1972年に大阪に生まれる。81年に片岡一門に入門、93年に片岡秀太郎の養子となり、大阪・中座『勧進帳』において六代目片岡愛之助を襲名。以後、上方歌舞伎を中心に活躍し、2002年に国立劇場優秀賞、05年に大阪舞台芸術奨励賞などを受賞する。修業時代は女形を演ずる機会が多かったが、現在はほとんどが立役(男役)である。本年、第31回京都府文化賞功労賞受賞。また二月花形歌舞伎の『GOEMON 石川五右衛門』では石川五右衛門役を見事に演じ、各方面から高い評価を受けた。

挑戦と革新が伝統になる

ジャガーXF 2.0 PREMIUM LUXURYで路上に出た愛之助さんは、しばらく無言で運転に集中する。真剣なまなざしだ。そして出た第一声は、「これはスポーツカーですね。僕はもともとスポーツカーが好きで、ドイツ製もイタリア製もイギリス製も乗ってきましたが、そういったクルマと共通のテイストがあります」というものだった。

共通のテイストとは、具体的にはどういったものでしょう?
「走りだした瞬間に『よし行くぞ!』と感じさせてくれるんですね。ハンドルには適度な手応えがあって、足まわりもしっかりしています。ハンドルを切ると、グッとダイレクトに曲がってくれます」

前後の交通が空いたところを見計らって軽くアクセルペダルを踏み込むと、愛之助さんは「えーっ!?」という声をあげた。
「これ、本当に2リッターですか? この加速はすごいですよ。排気音も乾いたいい音です。4ドアサルーンの形をしているけれど、スポーツカー的ですね。4ドアのスポーツクーペですよ」

そして愛之助さんは、このクルマの価格を尋ねた。2リッターのPREMIUM LUXURYは694万円ですが、「LUXURY」なら500万円台ですと告げると、愛之助さんはうなずいた。
「ジャガーって敷居が高いイメージがあるじゃないですか。でも、XFは『自分にはまだまだジャガーなんて似合いませんよ』なんて思っている、若いクルマ好きにもお薦めですね」

そして愛之助さんは、「僕の歌舞伎も同じなんですよ」と話を続けた。 「歌舞伎って高級芸術だと思われているけれど、もともとは庶民の娯楽なんです。先月は、花形歌舞伎の公演にフラメンコを採り入れました。昔なじみのお客さんには歌舞伎のパロディーを楽しんでもらえるし、初めてのお客さんには『こんなのも歌舞伎なんだ』と親しみを持ってもらえる。ジャガーXFも僕の歌舞伎も、間口を広げて新しいお客さんを受け入れる役割を果たすと思うんです」

愛之助さんがジャガーの新しいチャレンジを気に入ったのは、ご自身の歌舞伎に対する姿勢と共通するものを感じたからなのだ。
歌舞伎もジャガーも、ずっと変わらないことで歴史を作ってきたわけではない。新しいチャレンジを続けて変わり続けているからこそ、伝統を築くことができたのだ。