Driving Impression02 ショートツーリング編 都心から箱根へ日常ドライブ 「アウトランダーPHEV」のEV航続距離は60.2km(JC08モード)。日常的にはほとんどEVとして使用できる計算だが、実際はどうなのか。ちょっと足を伸ばして、山あり高速あり町中渋滞ありのサンデードライブに出掛けてみる。

1/4 文=渡辺敏史/写真=小林俊樹

PHEVのある生活とは?

現状のバッテリーにまつわる技術とコストにおいては、ピュアEV(電気自動車)が近距離のコミューター+αとしての役割となるのは致し方ないところ。限りなくEV的な特性を持ちながら、荷物満載の長距離ツーリングにも対応できるファーストカーという柔軟性を求めると、プラグインハイブリッドというコンセプトが、がぜん現実味を増してくる。

本来はピュアEVと同じように定地での充放電による走行を想定しているものの、いざ電池残量が厳しいという時にはエンジンが発電機となり、バッテリーを充電しながらモーター側にも電力を送り込んでクルマを走らせる。プラグインハイブリッドが普通のハイブリッドと大きく違うのは、動くための主従関係があくまでモーター>エンジンであることだ。ハイブリッド車の拡張版としてモーターとバッテリーを大型化し、外部からの充電機能を設けるというのが一般的な成り立ちだろうが、極端なモデルになるとエンジン側の出力を駆動用には使用せず、すべて発電に回してモーターに送り込むというコンセプトも採り入れられている。

この「アウトランダーPHEV」の成り立ちは、限りなく後者のそれに近い。エンジンの回転が駆動力として加わるのは登坂路や高速加速などの大負荷時に限られ、通常の使用範囲のあらかたはモーターが動力を担う。モーターを回すための電力はエンジンの稼働でも作り出せるが、基本は充電によって得ることになり、0から満充電に至るまでの所要時間は200Vの普通充電で約4時間、急速充電では80%のチャージを約30分で行えるという。この短い充電時間で、満充電なら60.2km(JC08モード)のEV走行が可能……とあらば、ほとんどの普段使いはまかなえる上、エンジンでの発電供給で出先での電池切れの心配はなし。もちろんガソリンは必要になるものの、短い走行距離に長い充電時間という弱点をエンジンで補完するEV——という捉え方をしてもよさそうだ。

……と、ここまではあくまで机上の概論。じゃあプラグインハイブリッド車のある生活というのは一体どんな感じなのか。普通のクルマとなにが違うのか……を味わってみようと都内から横浜を抜けて箱根まで、山あり高速あり町中渋滞ありのコースを設定し、サンデードライブ気分でアウトランダーPHEVを走らせてみることにした。