スバルのこだわりを聞く

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新たな名前を冠して生まれた、スバルの新世代スポーツツアラー「レヴォーグ」。その開発責任者・熊谷泰典PGM(プロジェクトゼネラルマネジャー)は、実は現行「レガシィ」のマイナーチェンジも全て手がけた人物でもある。レガシィとレヴォーグの両車を最もよく知る熊谷PGMに、レヴォーグの狙いやレガシィとの違いを尋ねた。

期待に応えるサイズとデザイン

昨年11月の東京モーターショーでの発表後、レヴォーグにはかなり注目が集まっているようですね。先行予約も好調と聞きました。

熊谷:「おかげさまで年明けの1月4日から先行予約を開始して以来、連日多くの方にお店へお越しいただいています。税率が変わる微妙なタイミングであり、しかもようやく最近、ショールームに1台ずつ展示車が届き始めたような状態にもかかわらず、実車を見ない段階から大勢のお客さまがオーダーを入れてくださっていることは、本当にありがたいと思っています」

現行型レガシィに比べると、レヴォーグはずっと引き締まってスポーティーに見えます。そういう日本向けのサイズのワゴンを皆さんが待ち望んでいたと受け止めていますか?

熊谷:「現行の5世代目レガシィはマイナーチェンジから開発責任者として担当したのですが、実は開発当初からチームのひとりとして関わってきました。ですので、日本市場ではサイズが大きすぎるという声が少なくないのは十分承知しています。しかし一方で“やっぱりレガシィでしょ”と愛してくださっている方も少なくありません。そんな日本のレガシィファンの声を聞くにつれ“日本にはこれしかない!”と皆さまに愛してもらえるモデルを造りたいと強く思いました。私たちスバルは、1989年に日本にステーションワゴンというカテゴリーを築いてきて以来、レガシィファンの皆さまに育てていただきながら、25年間ワゴンを造り続けてきました。今回のレヴォーグは、スバルのワゴン造りのノウハウを全てつぎ込み、さらに、日本のレガシィワゴンのお客さまの声、日本の道路事情、走り、使い勝手、乗り心地、環境性能などを徹底的に検証した結果、日本でワゴンについて厳しい目をお持ちのお客さまにも、きっとご満足いただけるベストバランスのサイズとパッケージにできたと自負しています。また、デザインは“スポーツツアラー”と呼ぶにふさわしい、スポーツクーペのような流麗で引き締まったスタイリングと機能性の高さを表現しています。スバルは、デザインで機能を犠牲にしたことはありませんので、これまで同様の取り組みをしました。ただ、今回はデザインと高い機能性の両立が非常に難しく、開発メンバーたちはいつも頭を悩ませて試行錯誤を繰り返してくれていました。例えばラゲッジルームは、これまでレガシィを使ってくださっていたお客さまが、レヴォーグだと荷物が積めなくなった、もしくは積みづらくなったということにならないよう522リッター(VDA方式)の荷室容量を実現しています。開口部は、ルーフの構造を極限まで薄型化させることにこだわり、現行レガシィより大きくすることができました。クルマへの理解が深く、走ることや旅に出ることの楽しさを知るレガシィファンの方には特に、胸を張ってオススメしたいクルマを造ることができました」

熊谷泰典(くまがい やすのり)
スバル商品企画本部 プロジェクトゼネラルマネージャー
1983年、富士重工業に入社。車体や外装の設計を担当し、「レガシィ」にも初代以降から設計の立場で関わり、2005年から商品企画本部へ。5代目レガシィの開発を補佐し、マイナーチェンジ以降は、開発責任者としてクルマを取りまとめながら、2012年1月、「レヴォーグ」の開発責任者に就任。