ルノー、インドの「Bajaj」(バジャジ)と業務提携へ

2007.08.05 自動車ニュース

ルノー、インドの「Bajaj」(バジャジ)と業務提携へ

「ルノー」は、インドにおける「3000ドル程度の超激安カー」の生産を目指す。同国の二輪・軽商用車メーカー「バジャジ・オート」との業務提携に関する予備協議を行っていると、2007年7月29日に発表した。

■激安カー開発に理想的

ルノー・日産自動車CEO(最高経営責任者)のカルロス・ゴーン氏は、今年4月に、「インドでは、3000ドル、いや2000ドルのクルマを作ることも可能だ」と発言。実現に向けて、着々と準備を進めている。
「もし、この協議が好意的な形になれば、ルノーとバジャジは非常にコンペティティブなクルマを開発していくために、長期に渡るパートナーとなれるだろう」と続けた。

『The Economic Times』紙によると、「協議をするために、ルノーのトップチームが既にインド入りした」。交渉の終結時期については、現時点ではまったく不明ということだ。

バジャジ・オートは、ホンダに次いで、インドで2番目の規模を誇る二輪・軽商用(三輪)車メーカーだ。2007年には、270万台の販売、23億ドルの売り上げを見込んでいる。大衆を対象にした超激安カーの顧客や市場開拓・調査には理想的な現地メーカーといえよう。

ルノーは、年々インドとの関わりを深めており、現地の「マヒンドラ&マヒンドラ」と提携して、今年の4月からナシック市で低価格の「ロガン」を、年間5万台のペースで生産している。
新しくテクノセンターをインドに構えるプロジェクトがあることも、ルノーのCCE(エンタープライズ中央委員会)よって、7月9日に明らかにされた。超激安カーの開発を睨んで、2010年までに、大学を卒業したばかりのインド人エンジニアら1000名の従業員を雇う計画だ。

■伝統工芸のインテリアも

さらに、ムンバイに開設されている「ルノー・デザイン・インディア」のミッションが広がることも、7月17日に発表。
同社にとっては、5つ目のサテライトデザインスタジオで、他には、バルセロナ、パリ、ブカレスト、韓国にある。インドの同サテライトは2005年にスタート。2006年のジュネーブ・モーターショーでは、コンセプトカー「ロガン・ステップ」を、同年のパリ・サロンでは、コンセプトカー「MMI(マン・マシーン・インターフェース)」を既に発表している。また、インドの伝統工芸でもある高級テキスタイルを車内の内装に使用するなどのR&Dも行っている。

今後、同スタジオでは、インドやその周辺地帯を対象にしたクルマのデザインを担当。プロジェクトのスタートから最終デザインの模型作成、さらに、アクセサリー類の開発なども行う予定だという。

現在、スタッフ数は僅か6名、うち5名がインド人という少数陣営のため、有能なデザイナーの確保も併せて募っていく。その一環として、自動車雑誌『AUTOCAR』との提携で、デザインコンテスト「IndDesign」が開かれる。最優秀者には同スタジオで3ヶ月の研修が受けられるという。“即実践的な人材”を求めているようだ。

■インドはこれから熱くなる

ルノー&日産自動車は、マヒンドラ・グループと協力して、インド南部の都市チェンナイで、2009年の完成を予定する新しい工場を建設中だ。この工場が完成すると年間40万台も生産が可能になる。

このように、ソフト&ハードの両面で、インド市場の基盤をルノーは急ピッチで築いている。

同社がインドを重要視する理由として、人口11億人を抱えるインドでの、経済急成長が挙げられる。同国の自動車市場は、1998年から2006年までに年間17%で成長し、2006年には115万台に増加した。ルノーでは「2010年までには200万台に達すると見ている」という。

(文=野口友莉/YUYU/写真=ルノー)

写真は、昨年ルノーに好調なセールスをもたらした低価格車「ダチア・ロガン」。
写真は、昨年ルノーに好調なセールスをもたらした低価格車「ダチア・ロガン」。
「ルノー」の会長兼CEO、カルロス・ゴーン氏。
「ルノー」の会長兼CEO、カルロス・ゴーン氏。
写真は、デザインセンターの様子。
写真は、デザインセンターの様子。

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