ドイツでアイドリングストップ機能は定着するか?

2007.08.04 自動車ニュース

ドイツでアイドリングストップ機能は定着するか?

2007年、ドイツメーカーが相次いで新車にアイドリングストップ機能を加える予定だという。そこにいたる背景と現状を、現地からリポートする。

■低コストで高い効果

クルマのアイドリングストップ機能が、ドイツで再び注目されている。
最近のトヨタなど、日本ではさほど珍しくもない技術だろうが、こちらでは単発的に発売されてはまた消えるという歴史を繰り返してきた。

「CO2削減」は世界的な課題であり、ドイツでも対応策の議論が続いている。もちろん自動車メーカーにも、クルマの燃費を改良する社会的責任が課せられており、2007年9月のフランクフルト・モーターショーでは、ドイツの各自動車メーカーは燃費対策を織り込んだエコ・モデルを発表すると思われる。

そんななか、ハイブリッド化など考えうるさまざまな燃費対策と較べると、アイドリングストップ機能はコストパフォーマンスに優れた技術だといえる。主な変更点はスターターオルタネーターの導入とエンジン制御の機能追加くらいなもの。低コストに加え、短い開発期間で実現できることもメリットだろう。
そもそも、アイドリングストップは発想が単純だ。クルマが停車したらエンジンを止め、また出発の際に始動するというだけなのだから。

■アイドリングストップ、本格導入の動き

ドイツのメーカーでこのシステムを何度か導入したことがあるのは、フォルクスワーゲンだ。
最近のトライは、1999年ヨーロッパで発売された小型車「ルポ3L TDI」。100kmあたりの消費燃料が2.99リッター(=約33km/リッター)という意味の、いわゆる“3リッターカー”であり、ターボディーゼルエンジンに自動化マニュアル・トランスミッションとアイドリングストップ機能を組み合わせていた。しかし、市場では成功しなかった。

そして2007年。初めて、アイドリングストップ本格導入の兆しが見えてきた。先駆けとなったのは、あまりエコ・イメージのない(?)「BMW」。2007年3月にマイナーチェンジした「1シリーズ」のうち、「116i」をのぞく4気筒のMTモデルにアイドリングストップシステムを与えたのだ。残る116iも今年9月までに導入される予定だから、次のモーターショーには間に合うだろう。

スマート(ダイムラークライスラー傘下)からも同様の発表があった。ドイツですでに発売された新型スマートには、今年10月からアイドリングストップのオプションが400ユーロ程度で選択可能だ。最近のユーロ高のせいで、日本円に直すと7万円弱に相当するが、ドイツの消費者にはそれほど高く感じられる値段ではない。

スターターオルターネーターは最も簡単なベルト駆動。ブレーキをかけて車速が8km/hを下まわったらエンジンが止まり、ブレーキを解除すればエンジンがかかる。制御方法もシンプルだ。「燃費改良の予想値は5%、流れの悪い町中の走行では13%が見込める」と、同社は胸を張る。

アイドリングストップ付きのスマートの車名は「Smart For two mhd」。「mhd」はマイクロ ハイブリッド ドライブの略で、アイドリングストップを指している。
ドイツの週刊誌『シュピーゲル』は自動車業界の動きを皮肉まじりに取りあげ、「mhd」はドイツ語で「消費期限(Mindesthaltbarkeitsdatum)」の略だと指摘した。つまり、今回のアイドリングストップ採用で(連続赤字の)スマートの消費期限を延ばせるのか、ということだ。
CO2削減への意識と責任が高まった今は、たしかにチャンスといえよう。

このBMWとスマートの動きを皮切りに、アイドリングストップ方式の、主要モデルへの導入が初めて始まる。この技術の先行きがどうなるのか、今後の消費者の反応が注目される。

(文と写真=廣川あゆみ)

BMW1シリーズのMTモデルは、すべてアイドリングストップ付きに。写真はマイナーチェンジ前の「118i」。
BMW1シリーズのMTモデルは、すべてアイドリングストップ付きに。写真はマイナーチェンジ前の「118i」。
写真は「フォルクスワーゲン・ルポ1.4l TDI」。
写真は「フォルクスワーゲン・ルポ1.4l TDI」。

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