パリ市でカーシェアリング「オキゴ」がスタート

2007.07.31 自動車ニュース

パリ市でカーシェアリング「オキゴ」がスタート

2007年7月3日、複数の人が1台のクルマを共用するカーシェアリング「okigo(オキゴ)」がパリでスタートした。オキゴは、大手レンタカー会社と駐車場がジョイントした「短時間のレンタカーシステム」で、パリ市が推奨している。

■コミコミ料金、高い? 安い?

利用するには、先ず、オキゴにメンバー登録し、「Okigo Passe(オキゴ・パス)」カードを入手する。実際にクルマを借りる場合は、専用電話か公式サイトで利用の5分前までに予約。予約時に希望した最寄りの指定駐車場に行って、オキゴ・パスをフロントガラスの内側に設置されたセンサーに当てるとクルマのドアが開く。利用後は、指定駐車場に戻してドアを閉め、オキゴ・パスを最初と同じようにプロントガラスの上からセンサーに当てると、ロックされて終了する。

気になる料金は、まず登録料として毎月9.9ユーロ(=約1650円)。さらに、クルマを利用する際、1時間4ユーロ(約650円)+1kmごと0.35ユーロ(約60円)が加算される。料金の中には、燃料代、保険料、メンテナンス料も含まれており、事前に申し込めば、チャイルドシートなども無料で利用できる仕組みになっている。なかなか魅力的に聞こえる。

■いつでもどこでも使える

貸し出されるクルマは、使用6か月未満の新車で、現在は「プジョー1007」が用意される。また、メンテナンスは欧州大手のレンタカー会社「Avis」が一手に引き受け、クルマの乗降場所となるのは、欧州14か国、1400か所にパーキングを構える、駐車場サービスの大手「VINCI Parc」。ちなみに、24時間、年中無休で利用可能ということだ。

スタートまもない現在、オキゴを取り扱っているのは、バスティーユやパリ市庁舎、証券取引所、レ・ピュブリック広場の4か所のみ。年内には25か所、2008年にはパリ中のVINCI駐車場で使用可能になるという。

毎月の銀行引落し支払いがあるため、旅行者などは利用不可能で、公式サイトもフランス語オンリー。主な対象はパリの住人ということらしい。

■じつは「マイカー潰し」!?

さて、このシステム、フランスでは前例がないだけに、今のところその利便性は不明だ。1時間ごとの料金が約650円と言えば、タクシーやレンタカーよりずっとお得。ところが、1kmごとに60円弱が加算されるとなると、使い方次第では、タクシーといい勝負かもしれない、クルマをピックアップする煩わしさもある。もし、24時間借りるとなると、時間貸し料金が4ユーロ×24h=96ユーロ(約1万6000円)、それに走行料金が加算されれば、一般のレンタカーの方がベターだろう。

では、いったいなぜこの新システムをパリ市が支持しているのか?

ねらいは、「クルマを街から追い出すこと」にある。
市は、オキゴカー1台が、自家用車の5〜10台分に相当すると考える。仮に3〜6万人がマイカーを持たず、同システムを利用すると、1万3000〜2万6000台の駐車場に余裕ができる計算らしい。慢性的な渋滞緩和に加え、大気汚染の軽減もでき、一石二鳥だ。
オープニングには、パリのベルトラン・ドラノエ市長自らがアピールするという力の入れようで、市の公式サイトでもオキゴの紹介コーナーが設置されている。

パリ市による「クルマ排除」の政策は、数年前から積極的に行われている。道路にはパス&タクシー専用車線が増えて、一般車の渋滞はさらに悪化。3月にはトラム(路面電車)が開通し、延長工事のために自動車道路がトラム用に次々と潰されている。また、道路脇では、障害者専用駐車エリアと自転車専用パーキングが増加。それに反比例して、一般向けの駐車スペースがどんどん削られている。いまや、無料の駐車エリアは、ほとんど姿を消してしまった。

「パリでクルマに乗ることが不便になってきた」と実感している人は多い。このままだと、「マイカーを持つことは不可能!」……なんていう日も、そのうち来たりして!?

(文と写真=野口友莉/YUYU/)


「オキゴ」オフィシャルサイト:http://www.okigo.fr/


パリ市でカーシェアリング「オキゴ」がスタートの画像
【写真上下】「オキゴ」で使われる「プジョー1007」。
「オキゴ」オフィシャルサイトでは、実際の利用方法が動画で紹介されている。
【写真上下】「オキゴ」で使われる「プジョー1007」。
「オキゴ」オフィシャルサイトでは、実際の利用方法が動画で紹介されている。
オキゴ発着所を示すパーキングの看板。「VINCI」「Avis」とともに、「Okgio」のロゴが並ぶ。
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