売れない高級車「VWフェートン」に、未来はあるか

2007.07.25 自動車ニュース
「フォルクスワーゲン・フェートン」
売れない高級車「VWフェートン」に、未来はあるか

売れない高級車「VWフェートン」に、未来はあるか

ドイツの業界誌『アウトモビールヴォッヘ』は、2002年に発売されたフォルクスワーゲンの高級セダン「フェートン」の後継車が、2010年に発表されると報じた。

現行の「フェートン」は2002年にドイツ市場に登場。日本には導入されていない。本来、庶民的なクルマづくりが得意なはずの、フォルクスワーゲンによる初めての高級車だ。
全長5.055mは、「レクサスLS」をわずかに超えている。ガソリンエンジンは3.2リッターのV6から6リッターのW12まで。ターボディーゼルはもともと3.0リッターのV6と5リッターのV10があったが、V10は排気ガス規制により2007年から販売中止された。駆動方式は4WD「4MOTION」。車台はフォルクスワーゲン傘下の「ベントレー・コンチネンタル」と共通のものを使い、同じく傘下となる「アウディA8」の技術を盛り込んだ。

■「フェートン」のガラス張り工場

「フェートン」はドイツ、ザクセン州のドレスデン市中心に近い専用工場「グレーザネ・マヌファクトゥアー」(ガラス張りマニュファクチャー)で生産される。バブル期を彷彿とさせるこのガラス張り工場は、外から生産工程の様子が見れるとあって観光名所になっている。
工場見学もできるのだが、「それは、生産量がとても少ないからだ」「見物客が押し寄せても、仕事の邪魔にならないからできること」と囁かれたりする。
フェートンの売上げは、芳しくないのだ。

■セールス振るわず

フェートンは、フォルクスワーゲンが進める高級化路線の代表的失策だと思われている。2006年の販売台数はドイツ国内で2371台だった。
対するライバルたちは? 「メルセデス・ベンツSクラス」は約1万1000台、「BMW7シリーズ」と「アウディA8」はそれぞれ6000台弱を記録した。(ちなみに、前述の「レクサスLS」 は105台。アッパークラスのクルマを購入するドイツ消費者は日本車を選ぶことは少ない?)

結果として、街なかでみかけることはなかなかない。一方で、何故かレンタカーに「フェートン」の姿が目立つ。大手レンタカー会社に安く卸すことで、かろうじて2371台が売れたのでは?……と、勘ぐりたくもなるのだ。

■アウディとの差別化がカギ

こんな状況のなか、「フェートンは初代で終わり」という見方があったが、今回の報道によれば、2代目「フェートン」は世に出る。

販売戦略は、「姉妹車『アウディA8』との明確な差別化」。フォルクスワーゲンは「フェートン」を次期「A8」よりはるかにコンパクトに仕上げ、発売時期は2010年、つまり2009年型の次期「A8」より遅くするとしている。もっとも、一番大きな問題点は、その高級車のボディに「フォルクスワーゲン=国民車(あるいは大衆車)」のバッジが付くことなのかも知れないが……。

(文と写真=廣川あゆみ)

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