ポルシェ911 タルガ 4S(4WD/5AT)【試乗記】
これまた自由 2007.07.23 試乗記 ポルシェ911タルガ4S(4WD/5AT)……1654万円
巨大なグラスルーフにより、あらゆる天候でオープンエアーが楽しめる「911タルガ」。911シリーズの中で異彩を放つタルガ4Sに試乗した。
日本ではクーペが9割
『CAR GRAPHIC』(2007年8月号)の巻末をパラパラめくっていたら、驚くべき事実に遭遇した。新車価格表に「ポルシェ911」を名乗るモデルが22もあったのだ。この数、「フォルクスワーゲン・ゴルフ」や「BMW3シリーズ」よりも上。日本一ワイドバリエーションな輸入車なのである。
そのうちカブリオレは8モデル、タルガは2モデル。オープンボディが半分近い。この割合は欧米における販売比率に近いそうだが、日本にその公式は当てはまらない。少し前に聞いた話では、実に9割がクーペで占められるという。
ポルシェは昔から、快適性や実用性とともに、剛性感がウリのスポーツカーであり続けてきた。だからクーペを好むユーザーの気持ちはわからないでもないけれど、日本人の単一指向性の強さを証明しているようでもある。
でも僕のように、911に特別な感情を抱かない人間には、今回乗ったタルガ4Sのようなモデルが魅力的に見えたりする。フラット6やリアエンジンに負けない記号性を、タルガは持っていると思っているから。前述のワイドバリエーションは、こういう浮動票を獲得せんがためなのかもしれない。