マッチ号泣! 第4戦セパンは、オリベイラ・荒組のZが初優勝【SUPER GT 07】

2007.06.26 自動車ニュース
GT500クラス表彰式。左から、2位のRAYBRIG NSX(ドミニク・シュワガー/細川慎弥)、悲願の初優勝を果たしたWOODONE ADVAN Clarion Z(J.P・デ・オリベイラ/荒聖治)、3位カルソニック インパルZ(ブノワ・トレルイエ/星野 一樹)。
第4戦セパン、オリベイラ・荒組のZが安定した走りで初優勝!【SUPER GT 07】

【SUPER GT 07】マッチ号泣! 第4戦セパンは、オリベイラ・荒組のZが初優勝

SUPER GT第4戦は、2007年6月24日にマレーシアのセパンインターナショナルサーキットで決勝レースが行われ、予選14位スタートのNo.24 No.24 WOODONE ADVAN Clarion Z(J・P・デ・オリベイラ/荒聖治組)が終始安定した速さを披露。大健闘の末にSUPER GTでの初勝利を挙げた。

序盤から荒れ模様のスタートになったレースは、バトルはもとよりアクシデントも多く、まさに波乱の展開。その中で、確実なレース運びを見せたのがNo.24のZだった。なお、2位はNo.100 RAYBRIG NSX(ドミニク・シュワガー/細川慎弥組)。3位にはNo.12 カルソニック インパルZ(ブノワ・トレルイエ/星野一樹組)が続いている。

一方のGT300クラスは、No.101 apr MR-S(大嶋和也/石浦宏明組)が予選でダントツの速さを披露。決勝でも粘りの走りを見せつけて、今季2度目の優勝を手にした。2位にはNo.4 EBBRO 350R(田中哲也/山崎信介組)、3位はNo.46宝山DUNLOP Z(佐々木孝太/横溝直輝組)。それぞれ今季初めて表彰台に上がった。

■NSX、4戦連続ポールポジション!

金曜日の練習走行時は、終始曇天模様。夜にはスコールのような雨が降った。翌土曜日の予選は暑さが戻り、まさにマレーシアらしい亜熱帯の夏。午前11時にスタートした予選1回目では、アタックのタイミングをじっくり見計らうチームが多く見られた。

各クラス20分の専有走行枠ながら、GT500クラスは残り5分を使ってのアタック。結果、ホンダNSX勢が上位に集まり、次いでレクサスSC430、そしてニッサン・フェアレディZ……という順番になった。
なかでも、ズバ抜けた速さを見せたのが、No.18 TAKATA 童夢 NSXの小暮卓史。再舗装されたセパンの路面が以前よりもバンピーになった点や、コース表面の色が黒くなり路面温度が上がったことに気をもむ選手が多いなか、小暮本人は「さほど気にならない」と涼しい顔だった。

午後の予選2回目を経て、スーパーラップがスタート。GT500クラスは、気温33℃、路面温度44℃と西日がまぶしい午後5時30分からのアタックとなった。ここでも予選1回目でワン・ツーのタイムを出していたNSX2台が奮闘。No.18NSXの小暮が1’54.306のタイムでポールポジションを獲得。NSXによる今季連続ポール獲得記録をまたひとつ伸ばすこととなった。2番手はNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組)。3番手にNo.1 宝山TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組)が続いた。

問題は、路面状況だ。タイヤへの影響はやはり大きいようで、ポールシッターの小暮ですら、フィーリングよりも目視によるタイヤの磨耗を懸念。SC勢トップNo.1の脇阪に至っては、「決勝での2ピットストップも視野に入れて作戦を立てる必要がある」という見解を示すほどだった。

なお、GT300クラスは、予選1回目トップのNo.101apr MR-Sの大嶋が納得のアタックでポールを獲得。No.43 ARTA Garaiyaの高木真一は2位、No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408Cの柴原眞介が1000分の1秒差で3位に甘んじた。

GT500クラスがスタート! しかし、そこにポールシッターNo.18NSXの姿はなかった。とってかわった写真中央のNo.8 ARTA NSXも、順位を下げてしまう。
第4戦セパン、オリベイラ・荒組のZが安定した走りで初優勝!【SUPER GT 07】

■今回もNSXはぞくぞく脱落

レースウィーク一番の暑さとなった日曜日。予選1−2位のNo.18、No.8のNSXは、朝のフリー走行でも順調にタイムを刻み、着々と1−2フィニッシュへの道を歩むかに思われたのだが……。

恒例となった午後4時のスタートを迎えたセパン。ペースカーに先導された後、37台による灼熱の戦いが始まった。

トップのNo.18 NSXは小暮がスタート。が、様子のおかしい! 見る見るうちに後続車に飲まれていくではないか。1コーナーまで何とかたどり着くも、惰性で走ってきただけのマシンはもうその場を動くことはなかった。

「スタートで3速までシフトアップして加速していたのに、4速へ入れた瞬間もうダメでした」と肩を落とした小暮。スタートをモニターで見ていた道上も、「勝つことってそんなに難しいんですかね」と悔しさをにじませた。

呆気なく終わったNo.18のNSXに変わってトップに立ったのはNo.8のNSX。オープニングラップから後方のNo.1のSC430に対し大きなリードを奪ったが、それも束の間。10周を前にいきなりペースダウン、No.1とNo.12カルソニック インパルZに先行されてしまった。

予選までは安定した速さに定評があったNSXも、レースウィーク一番の暑さには勝てなかったのか、ペースがあがらない。その中でNo.1とNo.12がバトルを見せるも、No.1が次第に遅れる。そして16周目には公言どおりの2ピットストップ作戦を実施。タイヤ交換と給油を済ませ、コースへと戻った。

すると翌周にはNo.12も同様にピットイン。No.1同様の作戦だったが、こちらはドライバー交代も行い、戦線復帰となった。

GT500クラス、チーム創設以来の初優勝を果たしたNo.24 WOODONE ADVAN Clarion Z(J.P・デ・オリベイラ/荒聖治組)。
第4戦セパン、オリベイラ・荒組のZが安定した走りで初優勝!【SUPER GT 07】
チェッカー後、車検を無事通過。優勝確定の知らせに、近藤真彦監督は喜びを爆発させた。
第4戦セパン、オリベイラ・荒組のZが安定した走りで初優勝!【SUPER GT 07】

■マッチ、涙の初優勝

路面の再舗装、週末で一番の暑さなど、戦いを取り巻く環境を考慮し、ピットインの回数がチームによって分かれた今回のレース。No.18に変わって勝つチャンスがあったNo.8は、迷わず1度のピットストップで挑むも、予想以上にタイヤのタレと磨耗が激しく、勝利の権利を自ら譲ることとなった。

しかし、その一方で、ほぼ予定どおりの作戦を進めることができたチームがいる。No.24 WOODONE ADVAN Clarion Zだ。

予選まではタイヤグリップ、マシンバランスの調整に悩み、セットアップにも時間を要した。タイヤの持つ性能を最大限に引き出し、戦うためにはピットインは1回。そのシナリオに沿って、戦いに挑んだ。

上位陣の脱落、予想を超える暑さによって状況が変化し、タイヤのライフにも影響が出たことも事実だが、刻々と変化する戦場で、自分達の戦いを続けた結果、19周目にはトップへと浮上。33周目に行ったピットインでは、ミスすることなくルーティンを完了させ、コースへと復帰した。

以後、ルマン24時間レースで総合優勝のキャリアを持つ荒がタイヤをいたわりながら、また後続とのギャップを意識しながら、ペースをコントロール。終盤、2位以下が順位を入れ替える激しい攻防戦を展開する中、任務を完遂しトップでチェッカーをくぐりぬけた。

自らもドライバー経験を持つNo.24 Zの近藤真彦監督は、「これまで結果が残せず、悔しい思いばかりしてきましたが、ようやく勝てました」と感極まり、涙した。

GT500クラス2位のNo.100 RAYBRIG NSX(ドミニク・シュワガー/細川慎弥組)。
第4戦セパン、オリベイラ・荒組のZが安定した走りで初優勝!【SUPER GT 07】
予選4位からスタートし3位に入った、No.12 カルソニック インパル Z(ブノワ・トレルイエ/星野 一樹組)。星野一義監督の還暦に祝いを添えた。
第4戦セパン、オリベイラ・荒組のZが安定した走りで初優勝!【SUPER GT 07】

■2位以下は、熾烈なポジション争い

2位を獲得したのは、No.100のNSX。フライングスタートでドライブスルーペナルティを受け、一度は出遅れたが、他のNSXと違い、終始安定したラップタイムを刻んだ。じりじりと順位を上げて好位置でフィニッシュ。シリーズランキングでもNo.8のNSXと同ポイントでトップに並んだ。

3位は、No.12のZ。2度目のピットストップを終え“水を得た魚”は間髪おかずにライバル達を蹴落としてポジションアップ。逆に、長らく3番手につけていたNo.3 YellowHat YMS モバHO! TOMICA Zの柳田真孝は、車内に搭載したドリンクボトルからの水分補給が叶わず、徐々にペースダウン。No.12に先行を許し、さらには最終ラップで挙動を乱して後退。7位でレースを終えた。

GT300クラスは、ポールのNo.101のMR-Sがスタートで逃げ出すも、予選2番手のNo.43 Garaiyaの猛追に合い、トップを譲る。が、その直後、No.43はオーバースピードで入ったコーナーで、コントロールを失いコースアウト。リタイヤに終わった。No.101はその後、ペースをつかみ、トップでチェッカー。
2位のNo.4 VEMAC350Rは序盤から安定した速さが功を奏し、ポジションゲット。3位に入ったNo.46のZは複数台によるバトルを制し、表彰台の一角に立つこととなった。

■次こそ勝負の分かれ目

今回、SC勢は、速さを結果につなげることができずに表彰台を取り逃した。しかしすべてのコンディションが整えば、優勝の可能性も高い。次回7月29日、宮城県スポーツランド菅生での決戦が、今シーズンの天王山となるだろう。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)

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