米フォード、「ジャガー」「ランドローバー」売却か!?

2007.06.19 自動車ニュース

米フォード、「ジャガー」「ランドローバー」売却か!?

ダイムラー・クライスラーの「クライスラー部門売却劇」が2007年5月14日に発表されて、ほぼ1か月。今度は、フォードにお家騒動が発生した模様だ。現地アメリカの反応などをお伝えする。

■今度はフォードが「売ります」

「フォード」の今後の動向に、北米自動車界は興味津々だ。

2007年6月12日、英国の経済紙『ファイナンシャルタイムズ』は、「『フォード』が所有する『ジャガー』『ランドローバー』を売却するため、大手証券会社のゴールドマンサックスなどとアドバイザリー契約を結んだ」と報じた。
その後、米欧の新聞やウェブサイトには、2社の売却先として元フォード社長のジャック・ナッサー氏が勤める米系銀行を含めた、金融機関各社の名前が浮上している。俗にいう「世界的な金余り現象」で、大手投資ファンドたちは効率的な投資先を探しており、有名ブランドとして付加価値の高いジャガーとランドローバーにはかなりの高値がつくのでは、と言われている。

だが悲しいかな、2社への買収希望を出している製造業者は少ないようだ。たとえ自動車メーカーでなくても、2社の売却先が製造業者であれば、長期的な経営視野での商品開発を考えてくれるはず。しかし、相手が投資ファンドになれば当然、組織改革、人員削減、工場閉鎖などドラスティックな経営再建が行われ、さらなる転売となることは明らかだ。

■ランドローバーは美味しいオマケ

フォードは1989年にジャガーを、2000年にランドローバーを買収。アストンマーティン、ボルボをも含め、PAG(プレミア・オートモーティブ・グループ)という新組織を構築した。
そして、現フォード筆頭副社長兼北米部門社長副社長(元マツダ社長)のマーク・フィールズ氏がPAG各社のブランドイメージアップを推進した。

ジャガーに関しては、Sタイプ、Xタイプの北米シェアは思うように伸びなかった。
その後、オールアルミボディのセダン「XJ」、スポーツカー「XK」をローンチし、新商品への期待が高まってきただけに、今回の売却話に衝撃をうけている北米自動車関係者は多い。
ランドローバーについては、レンジローバースポーツ、LR3(日本のランドローバー・ディスカバリー3)とも北米での販売実績は順調であり、関係者たちは「ランドローバーはジャガーの抱き合わせ売却だろう」という見方が強い。

■ゴーン改革のごとく

北米自動車関係者たちは、今回フォードがジャガー、ランドローバーの売却の意思表示をした理由について「ムラーリー社長がいよいよ本格的に動き出した」と見ている。

米大手航空機会社の副社長からフォード社長に転身したアラン・ムラーリー氏。フォード会長がムラーリー氏を招聘した理由は、ひとつだけだった。
すなわち、ファイナンシャルのスペシャリストとしての手腕に期待しているのだ。販売実績低迷、株価低迷に悩むフォードだが、プロパーの社員や役員では社内グループ内でのしがらみもあり、思い切った改革は無理だろう。「外に血を入れてこの際一気に!」という企業再建の常套手段を講じたわけだ。

フォードは今後、日産ゴーン会長が行ったようなV字回復劇を見せるのかどうか? アメリカでも注目が集まっている。

(文=桃田健史(IPN))

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「ジャガーXJ」
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