第8戦アクロポリス、フォード連覇で今季3勝目! スバルも表彰台に【WRC 07】

2007.06.04 自動車ニュース
ポディウム中央は、2戦連続でフォードのグロンホルム。2位にシトロエンのローブ(左)、3位にスバルのソルベルグが入った。
【WRC 07】第8戦アクロポリス、フォードが2戦連続3勝目! スバルも表彰台に

【WRC 07】第8戦アクロポリス、フォード連覇で今季3勝目! スバルも表彰台に

世界ラリー選手権(WRC)第8戦「アクロポリスラリー」が2007年5月31日〜6月3日、ギリシャを舞台に開催された。
ホストタウンはアテネから南東30kmの距離に位置するマルコポーロで、その周辺の山脈にステージを設定。いずれも固い岩盤を下地にするハードグラベルで、レグ1から脱落者が続出するサバイバルラリーが展開された。

そのなかでトップ争いを演じたのが、フォードのエース、マーカス・グロンホルムとシトロエンのエース、セバスチャン・ローブ、そしてスバルのエース、ペター・ソルベルグの3者。レグ2では激しいシーソーゲームを展開するも、結局、レグ1でトップに躍り出たグロンホルムが今季3勝目を獲得した。ローブが2位、ソルベルグが3位と表彰台を分け合った。

出だし好調だったスバル勢。レグ2でトラブルに見舞われつつも、ポディウムでのフィニッシュを決めた。
出だし好調だったスバル勢。レグ2でトラブルに見舞われつつも、ポディウムでのフィニッシュを決めた。
快走する「フォード・フォーカス」。写真は、ミッコ・ヒルボネンのマシン。
快走する「フォード・フォーカス」。写真は、ミッコ・ヒルボネンのマシン。

■初日から6台がひしめく大混戦

久しぶりに、緊張感のあるバトルが展開された。

出走順の影響があったとはいえ、1日のレグ1では午前中のループでスバルのセカンドドライバー、クリス・アトキンソンがSS3、SS4を制し、トップに浮上。SS5を制したペターが2番手で続き、スバル勢が1-2体制を形成する。

対して、先頭スタートで“路面の掃除役”を強いられたグロンホルムは、チームメイトのミッコ・ヒルボネンに続く4番手と苦戦。さらに、2番手スタートのローブもSS2でスピンを演じるなど苦しい立ち上がりで、チームメイトのダニエル・ソルドに続いて、6番手で午前中のループを終えることとなった。

リピートステージで行なわれる午後のループでは、SS6でベストタイムをマークするなどグロンホルムが逆転に成功。一気にジャンプアップを果たし、レグ1をトップでフィニッシュする。が、ペースの上がらないソルベルグ、アトキンソンらスバル勢も粘り強く走り抜き2番手、3番手でレグ1を終了。

一方、SS8でベストタイムをマークしたローブも4番手までジャンプアップを果たし、以下、タイヤの消耗で苦戦したヒルボネンが5番手、SS7ベストタイムをマークしたソルドが6番手でフィニッシュした。この上位6台が10秒ほどの間にひしめきあう混戦となり、勝負の行方はレグ2に持ち越されることとなった。

前回サルディニアでリタイアに終わったローブは、惜しくも雪辱ならず。2位でレースを終えた。
【WRC 07】第8戦アクロポリス、フォードが2戦連続3勝目! スバルも表彰台に

■グロンホルム逃げ切り ローブは首位奪還ならず

翌2日のレグ2では元祖“3強”のトップ争いが展開された。この日のファーストステージとなるSS10でグロンホルムがトップタイムをマークすれば、続くSS11はローブがトップタイムを叩き出し、総合2番手に浮上する。

SS12ではペターがベストタイムを叩き出し、ふたたび2番手を奪還。SS12のミッショントラブルで脱落したソルドを尻目に、三つ巴のトップ争いが展開された。しかし、午後のセカンドループ、SS14でペターのインプレッサはリアダンパーにトラブルが発生。なんとか2番手タイムをマークするものの、SS15で5番手タイム、SS16で9番手タイムに留まり、トップのグロンホルム、2番手のローブに続いて3番手でレグ2をフィニッシュした。

つづく4番手はヒルボネンで、ストバート・フォードのヘニング・ソルベルグが5番手に浮上。一方、ペターと同様にSS14でリアダンパーのトラブルに見舞われたアトキンソンも6番手でフィニッシュする。

上位6台は翌3日のレグ3でもそれぞれポジションをキープし、グロンホルムが今季3勝目を獲得。「クルマもタイヤも問題がなかった。サマーブレイク前に勝つことができて本当に良かった」

「初日にリアデフのトラブルでペースが上がらなかったのが大きい」と語るローブが2位。スバルのペターは、殊勲の3位入賞を果たした。
「ポディウムでフィニッシュできて本当に良かった。今大会を最後にリタイアするSTIの桂田(勝)社長のためにも表彰台が欲しかったから。集中して走ったよ」

元祖“3強”の面々が表彰台を独占した。

スバルの新井敏弘は、今季初となる優勝を手にした。
スバルの新井敏弘は、今季初となる優勝を手にした。
鎌田卓麻のインプレッサ。6位でフィニッシュした。
鎌田卓麻のインプレッサ。6位でフィニッシュした。

■新井敏弘が今季初優勝! 鎌田卓麻も6位に

同時開催のPCWRC(プロダクションカー世界ラリー選手権)第4戦には、05年の王者、新井敏弘(スバル)と参戦2年目の鎌田卓麻(スバル)2名の日本人ドライバーがエントリーした。

しかし、「マシンは届いているんですけど、ロジスティック業者が書類を無くして通関できませんでした」と鎌田自身が語ったように、彼は他のチームがレッキで使用するE型インプレッサをレンタルし、エンジン、足まわりを移植して参戦する羽目になった。

1日のレグ1はポーランド選手権の王者、レゼック・クザイ(スバル)がSS2でコースアウト、続くSS3では第2戦のメキシコを制したマーク・ヒギンズ(三菱)とレンタル車両の鎌田がスローパンクチャーに見舞われるなど波乱の展開に。
さらにSS4では、ペター・ソルベルグの愛弟子、パトリック・フローディン(スバル)がロールーオーバー、リタイアした。

注目のドライバーが次々とハプニングに見舞われるなか、新井とアンドレアス・アイグナル(三菱)、そしてフィンランドの若手No.1と称されるユホ・ハンニネン(三菱)がトップ争いを展開する。
が、レグ1の最終ステージとなるSS8ではアイグナルがパンクで大きく後退し、新井がトップ、ハンニネンが2番手でレグ1をフィニッシュした。

翌2日のレグ2でもシムスレーシングのクリスチャン・ショーベリー(スバル)がSS13でドライブシャフトを破損し、クザイもコースアウトでリタイア。さらに翌日のレグ3では2番手に付けていたハンニネンがパンクとタイロッドの破損、4番手に付けていたアルミンド・アラウジョ(三菱)がエンジントラブルでリタイアすることとなった。

かようにトラブル続出のサバイバルラリーとなるなか、新井はノートラブルで走り抜き今季初優勝を獲得した。
「レグ2のスーパーSSのジャンプの着地で腰を痛めたぐらい。ほかは全く問題なかったよ」

レグ1で後退したアイグナルは、粘り強い走りで2位に入賞。参戦2年目のミルコ・バルダッチ(スバル)が3位で表彰台を獲得した。
日本の鎌田は、6位に入賞。「今回は自分のクルマではなかったし、レグ1で12番手まで出遅れました。それを考えると上出来だと思いますよ」と語った。

(文と写真=廣本泉)

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