最新タイヤを全開テスト! 「コンチスポーツコンタクト3」体験記(後半)

2007.05.29 自動車ニュース

最新タイヤを全開テスト! 「コンチスポーツコンタクト3」体験記(後半)

最新タイヤを全開テスト! 「コンチスポーツコンタクト3」体験記(後半)

タイヤメーカー「コンチネンタル」の最新モデル「コンチスポーツコンタクト3」。同社のハイパフォーマンスタイヤの実力を、アメリカはテキサスの巨大テストコースで試した。


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■あくまでしなやか

(前半からのつづき)最初のテストはパイロンスラロームだ。

クルマは、サスペンションの「DCマチック」を最もソフトに設定した「メルセデスCLS500」。ロール量が大きい状態でも、トレッド面が路面を柔軟に掴んでいるのが実感でき、走りが楽しい。より高速からのフルブレーキングにもトライしたが、車体全体にガッシリとタイヤと路面の食いつき感が伝わる。

「BMW325i」で同じテストをした場合は、CLS500よりも車重が軽いぶん、タイヤと路面の関係にしなやかさが強く感じられた。

ハイスピードのパイロンスラロームではリアが積極的にスライド傾向を見せるが、その挙動の基本はあくまでもしなやか。絶対的なグリップ力は高いものの、走り全体がスポイルされてしまうようなことはない。タイヤが過剰に介入してくる気配がないのが心地いい。

ドライ路面でのハンドリングコース(1.72km)を激しく攻め立てても、これらコンチスポーツコンタクト3の性格が変わることはなかった。


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「コンチスポーツコンタクト3」トレッド面のアップ。斜めにサイプが刻まれる。
「コンチスポーツコンタクト3」トレッド面のアップ。斜めにサイプが刻まれる。

■たしかにわかった“新技術効果”

こうした走行現象には、様々な新技術が複合的に作用している。

まずは、新型リブパターンの効果だ。コンチスポーツコンタクトの2と3は、基本的にコンパウンドが同じだが、左右非対称のリブパターンをさらに変更してリブトレッド全体の変形量が抑えられている。そのため、コンチスポーツコンタクト2から継承されているバイオニックシリカコンパウンド(クモの巣のようにフレキシブルに動く特性)の効果が増幅されたのだ。

さらに、トレッド面には斜め方向のサイプ(切り込み)があり、そのサイプの形状にも細工がある。このサイプは「柔道の受け身」に似た効果を持ち、トレッド面にかかる力を分散して、路面とトレッド面との衝撃吸収に役立つ。結果、コンチスポーツコンタクト3は、2に対して、転がり抵抗は減少しても、タイヤの進行方向の剛性が10%もアップしたとのことだ。
こうした新技術効果は、ドライ路面の走行中、ブレーキング時や軽い操舵角度の領域で、ハッキリと体験できた。
ハードなコーナーリングでは、横方向の剛性アップ(コンチスポーツコンタクト2よりも20%アップ)が感じとれた。


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その秘密は大きく2つある。まずは、アウトサイドのブロックの大型化によって、絶対的な接地面の比率を高めたこと。
さらに、トレッド面のストレートブルーブ(縦溝)をのぞいて見ると、もうひとつの秘密が視覚的に解釈できる。溝のアウト側が、弧を描いているのだ。対するイン側は一般的な直立の状態を保つ。

この左右非対称な溝形状は、ダムが川を堰き止めている状態と同じ効果を生む。アウト側からの負荷に対し、ズッシリとトレッド面が踏ん張ってくれる。激しいコーナーリング時でもリブ形状が崩れることはなく、ハンドリングのシャープさが活きてくる。


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【写真】著者の桃田健史
【写真】著者の桃田健史

■ウェットで怖くない

さて、舞台はウェット・ハンドリングロードコース(1.56km)へ。コースレイアウトは、独コンチドロームのウェットコースとほぼ同じだ。

車重のあるメルセデスCLS500だが、かなりハードなドライビングをトライしてもESP(横滑り防止装置)が介入することもない。コンチスポーツコンタクト3のトレッド面は、2のような横方向の溝がないにも関わらず、これだけの排水性を確保している。

ストレートグルーブ(縦溝)の太さと配置の最適化の効果だ。

「BMW325i」ではテスト車両としてあえてDSC(横滑り防止装置)を全面的にカットされていたが、ハードブレーキングから一気にステアリングを切り込んでいっても、ウェット路面での恐怖感は全く抱かなかった。

ウバルデ・プルービンググランドで思う存分走り込んだ後、コンチスポーツコンタクト3に対して抱いた感想はこうだ。
「万人がハイパフォーマンス性を満喫できる、コントロール性の高いタイヤ」!

ハイパフォーマンスタイヤの世界標準が、さらにレベルアップした。

(文=桃田健史(IPN)/写真=コンチネンタル)

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