人気の「メルセデス・ベンツ博物館」が、オープン一周年

2007.05.23 自動車ニュース

人気の「メルセデス・ベンツ博物館」が、オープン一周年

人気の「メルセデス・ベンツ博物館」が、オープン一周年

本拠地シュトゥットガルトにオープンし注目を集めた「ダイムラークライスラー」の「メルセデス・ベンツ・ミュージアム」が、2007年5月20日に一周年を迎えた。
目下、クライスラー部門の売却劇で慌しい同社だが、記念すべき節目に、このミュージアムをご紹介しよう。

「ダイムラー・ベンツ・ミュージアム」(1961〜2006年)
人気の「メルセデス・ベンツ博物館」が、オープン一周年

■ワールドカップと同時オープン

2006年のワールドカップはまだ記憶に新しい。開催国はドイツ、そしてシュトゥットガルトも会場のひとつだった。
ワールドカップ開会直前の5月、そのスタジアムから程近い場所でメルセデス・ベンツ・ミュージアムは開館日を迎えた。施工は2003年で、博物館の隣には130台のクルマが展示可能な本社ショールーム「メルセデス・ベンツ・センター」が設けられた。

ちなみに、前身である「ダイムラー・ベンツ・ミュージアム」の開館は、1961年。同じ市のウンタートュルクハイム・エンジン工場敷地内にあり、一般の人々は敷地外の停留所から専用バスに乗車してアクセスした。
こちらは、新生メルセデス・ベンツ・ミュージアムがオープンする2ヶ月前の2006年3月に閉館された。

上空から見た、「メルセデス・ベンツ・ミュージアム」。
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■さすがの内容に、長蛇の列

「メルセデス・ベンツのDNAを見せる」というコンセプトに基づく建物の外観は、DNAの二重螺旋(ダブルへリックス)をイメージしたもの。上空から見るとロータリーエンジンの燃焼室のようなオニギリ型である。建物全体に直角の部分がなく、1800枚の曲線的な窓ガラスは、一枚ずつ形が異なるという。

延床面積1万6500平方メートルで、日本のトヨタ博物館とほぼ同じ規模。世界で最も古い自動車メーカーの博物館だけあって、流石の内容だ。
展示品は基本的にメルセデス・ベンツの自社製品に限られる。とはいえ、1894年の量産開始以来、数多くのクルマを世に出したわけで、名車を選りすぐっても見せきれない印象だ。

オープンから1年を経たいまでも、週末には長蛇の列をつくる。

来場者は、まずカプセル型のエレベーターで最上階まで上がり、二重螺旋にそって、フロアを下っていく。
観覧には2通りの道順があって、ひとつは「歴史を追うルート」、もうひとつは「テーマ別のルート」。実際には歴史順の通路がメインで、同じ階でテーマ別展示室のフロアに足を運ぶ人が多い。
残念ながら、建築家のアイデアは観客に重視されていないようだ。

「モトールクッツェ」(写真左)と、「モトールヴァーゲン」。メルセデス・ベンツの歴史は、ここから始まった。
人気の「メルセデス・ベンツ博物館」が、オープン一周年

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■世界初のお宝がズラリ

読者の中には、実際にごらんになったかたもいらっしゃると思うが、少し展示品を紹介しよう。

歴史の部門は当然ながら(?)最初の実験用エンジンから始まる。1886年に製造されたゴットリープ・ダイムラー氏の「モトールクッツェ」と、同年にカール・ベンツ氏が特許を得た「モトールヴァーゲン」(原動機つき三輪車)だ。

そして、ボートからバスにいたるまで、エンジンを載せた乗物の数々――
1902年の初メルセデスに、1923年の初コンプレッサーエンジン車。飛行船「ツェッペリン号」やその他飛行機のエンジン。50年代の名車「300SL」などなど。もちろん、1900年以降のレーシングカーもならぶ。

テーマ別の展示フロアには、バスやトラック、応急車輌のギャラリーも。セレブリティーのギャラリーでは、1935年の昭和天皇の御料車だった「メルセデス・ベンツ770」や、英国のダイアナ妃が乗った1991年製「500SL」なども見られる。

1960年代以降、メルセデス・ベンツのクルマは、多くの技術面で最前線といわれた。そのミュージアムは“世界初”度が高く、自動車マニアの期待を裏切らない。
まさに自動車博物館のお手本といえる。

(文=廣川あゆみ/写真=ダイムラー・クライスラー)

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