ハイシーズン到来! これがドイツのオープンカー事情

2007.05.21 自動車ニュース
(写真=ダイムラー・クライスラー)
「SLK」が一番人気! これがドイツのオープンカー事情

ハイシーズン到来! これがドイツのオープンカー事情

いよいよオープンカーのハイシーズンを迎えたドイツ。日本よりもオープンエアモータリングが盛んだという、彼の地のクルマ事情を紹介する。

■オープン大好き、ドイツ人

初夏を迎えたドイツ。オープンカー(ドイツ語で通称カブリオ)の季節到来だ。シーズンは春から秋までずっと続く。
エアコンが欠かせない日本の気候では夏に幌を開けるチャンスが少ないが、ここドイツでは、多少暑くても寒くても雨天以外は開けっ放し、という印象。こちらの夏はジメジメしていないということもあるが、どうやらドイツ人は、暑さにも寒さにもよく耐えられるようだ。

オープンカーといえば、一般的なドイツ人なら「メルセデス・ベンツSL」と「BMW3シリーズ・カブリオレ」を代表に挙げるだろう。

ドイツの2006年のランキングを見てみよう。実際に売れている車種は、ちょっと違う。

新旧の「メルセデス・ベンツSLK」。写真は、手前が初代、奥が現行モデルだ。
(写真=ダイムラー・クライスラー)
「SLK」が一番人気! これがドイツのオープンカー事情

【オープンカー新車登録トップ10ランキング】

1位 メルセデス・ベンツSLK
2位 プジョー206CC
3位 フォルクスワーゲン・イオス
4位 オペル・ティグラ・ツイントップ
5位 アウディA4カブリオレ
6位 ミニ・コンバーチブル
7位 ルノー・メガーヌ・グラスルーフカブリオレ
8位 オペル・アストラ・ツイントップ
9位 BMW Z4
10位 マツダ・ロードスター

見ての通り、ドイツ・ブランドはオープンカーに強い。ただ、「メルセデス・ベンツSLK」の首位は“ギリギリ”。1996年にデビューした初代SLKは、当時、納期が2年先というほどの売れ行きだった。が、近代的な電動格納式ハードトップの元祖たるSLKは、その後多くのライバルが現れたため、最近の販売数は減少気味だ。

昨年発売のフォルクスワーゲン「イオス」はいきなりランキングの3位に。本来、地味なイメージのオペルも2つのモデルでトップ10入り。輸入車勢ではルノーとマツダが健闘している。

「アウディA4カブリオレ」
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「オペルGT」
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「フォード・ストリートKa」
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■「オペルGT」に「フォーカスカブリオ」も

日本に導入されていないオープンカーをいくつか挙げよう。

高級オープンカーの定番、メルセデス・ベンツ(SL、SLK、CLK)を攻撃しているのはアウディ。「アウディA4」のカブリオレは、上のトップ10の中で、最もエレガントなデザインと言えるだろう。もちろん、それが一番退屈だ、という見方もできるが、売れ行きから見れば、ドイツでそのデサインは好評なようだ。
昨年加えられたスポーツバーションの「S4」(344ps)と、さらにハイパフォーマンスな「RS4」(420ps)が、このモデルの魅力を増している。

日本では販売されなくなったが、「オペル」の大衆的なクルマも、オープンカー市場の定番のひとつだ。

コンパクトクラスの「アストラ」のオープン版と、サブコンパクトクラスの「ティグラ」の合計販売台数は、一番人気、「SLK」の販売数を上まわっている。ティグラは、「コルサ」(日本名:ヴィータ)をベースにしたスポーツクーペ。クローズドボディのクーペは不人気で廃版になったが、そのオープン版は順調に売れているのだ。

「アストラ」も「ティグラ」も「ツイントップ」と称される全自動のハードトップのクルマだ。さらにオペルは今年、1968年発売の名車の名前を復活させ、大胆なデザインのオペル「GT」を投入した。まったく妥協のない、非実用的なスポーツカーだ。
これを好む人がオペルのクルマを欲しがっているかどうかは別として、ナイス・トライといえよう。

フランスのプジョーは「206CC」の後継車、「207CC」をドイツで販売し始めた。「SLK」と同じくらい売れた「206CC」のデザイナー、じつは「SLK」のデザイナーと同人物。トルコ人のムラット・ギュナク氏だ。
オリジナリティを尊重する「207CC」の雰囲気は、「206CC」のそれと変わらない。

そのほか、2007年にはドイツ・フォードの新しい「フォーカス・クーペ・カブリオレ」が登場。じつはこのクルマ、2006年春の販売ピークに間に合わず、今年になって「アストラ」の競争相手として現れた。

そのフォードの戦略は、2005年までは「安さ」だった。ドイツで好評を得た小型車「Ka」(日本市場では、ATが選べず失敗)のオープン版、「ストリートKa」。このクルマは生産されていた2年間、オープンカー市場で最安値だったが、不評に終わった。
売れ残りが、今でもにディーラーで展示されている。

(文=廣川あゆみ/写真=廣川あゆみ/ダイムラー・クライスラー)

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