第6回:8月7日「ダート400km(その1)」

2007.05.05 エッセイ

第6回:8月7日「ダート400km(その1)」

『10年10万キロストーリー4』刊行記念!

1996年型「トヨタ・カルディナCZ」で、ロシアのウラジオストクから、ポルトガルはロカ岬を目指す! 自動車ジャーナリスト金子浩久による、インターネット経由の旅の日記帳。

ニュルブルクリンクか!?

アムール河(黒竜江)を挟んで中国と数100mで接している「ブラゴヴェンチェンスク」を出発し、本日の目的地は「スコヴォロジノ」。国道「M58」や、その他の道を縫うようにして進む予定だ。

朝7時にホテルを出発。大雨。
昨日、ガソリン残量4分の1ぐらいのままでホテル探しに奔走させられたので、今日は街はずれの国営「HKスタンド」での給油から始まる。45リッター入れる。1リッター、120ルーブル(約480円)。

山間部に入っても、アスファルト舗装は変わらず、むしろ、フラットな舗装は、今日までのなかでは一番走りやすい。おまけに、適度なコーナーとアップダウンが白樺林のなかで連続し、「ここはニュルブルクリンクかいな」というくらい走っていて気持ちがいい。この道がずっと続いてくれたら天国なのだが……。

検問所にて

2時間ほど走り、山を下りたところで交通監視局の検問所。ヒマそうな警官の警棒に導き寄せられる。
数日前に日本人ライダーがここを通り、“登録”していったことを教わる。パスポート、国際免許、クルマの書類と一通りのチェック。ボンネットを開けて、車体番号もチェックしていたが、ダート走行で土まみれになっているので見えないはずだ。田丸さんが指で土を擦り落とすが、警官に、真剣に見る様子はない。

彼らは親切で、スコヴォロジノまでの道路状況を教えてくれる。道はあるが、悪いという。
「うーん、このクルマか。走れるか、な」

スコヴォロジノの先のチタまでは、この種の検問所が設けられていないので、強盗や車上荒らしなどに注意すること。特に、走行中に他のクルマから停められようとしても、無視して走り続けること。なるべく停まらないこと、等々のアドバイスをくれる。僕らもパスポートに記載されている氏名その他を、時代がかった古いノートに書かれ、“登録”される。何かあっても、ここは通ったという証拠になるのだという。

記念撮影し、お礼にステッカーを3枚渡す。街や主要幹線道路、橋、国境近くの交差点など交通の要衝になるところに設けられている検問所で停められるのは面倒臭いが、時にはこうして有益な情報を得ることができ、なおかつ日ロ友好につながったりもするのでした。

(文=金子浩久/写真=田丸瑞穂/2003年8月初出)


第6回:8月7日「ダート400km(その1)」

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金子 浩久

金子 浩久

『10年10万キロストーリー4』
(金子浩久著)
1台のクルマに、10年もしくは10万キロ以上乗ってきたオーナーを、金子浩久が取材。クルマとヒトの生活を、丁寧に紙の上に載せていきます。『NAVI』人気連載の単行本化! →二玄社書店で買うアマゾンで買う