【スペック】全長×全幅×全高=4870×1894×1826mm/ホイールベース=2869mm/車重=2099kg/駆動方式=4WD/4.2リッター直6DOHC24バルブ(270ps/6000rpm、38.1kgm/3600rpm)

シボレー・トレイルブレイザー(4AT)【海外試乗記】

『エンジンオリエンテッド』 2001.02.13 試乗記 シボレー・トレイルブレイザー(4AT)深刻さを増す環境問題とはうらはらに、自動車の最大市場たる北米では、巨大なSUVがまっさかり。トヨタ、ホンダ、メルセデスベンツ、BMW、そしてポルシェまでが参入するヨンク(風)マーケットで、シェアの低下に歯止めをかけたいGMが、ブランニューのSUVを送り出した!! ジャーナリスト河村康彦が、シボレー・トレイルブレイザーにメキシコで乗った。
見慣れたアメリカンSUVの室内。ステアリングホイール中央の、エアバッグを収納するパッドが小さいのが、いかにも新世代モデル。

見慣れたアメリカンSUVの室内。ステアリングホイール中央の、エアバッグを収納するパッドが小さいのが、いかにも新世代モデル。
1気筒あたり700ccを誇るビッグ6。オールアルミユニットだ。

1気筒あたり700ccを誇るビッグ6。オールアルミユニットだ。

まったく新しいSUV

21世紀最初のビッグショーとして米国で開催された「2001年デトロイトショー」。この晴れの舞台でベールを脱いだのが、GMが気合いを入れて開発したSUV(Sports Utility Vehicle)「シボレー・トレイルブレイザー」だ。
ここで敢えて「気合いを入れて」といったのは、トレイルブレイザーのシャシーが、既存のモデルとは一切コンポーネンツを共有しない完全なる新作だから。プラットフォームのみならず、搭載されるエンジンも新設計。そのうえ、専用工場まで新設して生産を行なうという極めて大胆なトライを、GMは、ブランニューSUVのために敢行したのだ。

トレイルブレイザーのボディサイズは、全長×全幅×全高=4870×1894×1826mm。現行のブレイザーよりひとまわり大きく、しかしそれでも、GMラインナップ中では「ミドルサイズトラック」の一員に数えられる。
エンジンは、4.2リッターの4バルブDOHCユニット。日本人の常識からすれば8気筒化するのが当たり前の排気量だが、GMは敢えて6気筒ユニットとしてリリースした。V8搭載の、さらに大型のSUVとの差別化のためである。しかもトレイルブレイザーの心臓には、何と!! BMWを除くあらゆるメーカーが見切りをつけようというストレート6のシリンダーレイアウトが選ばれたのだ。



シボレー・トレイルブレイザー(4AT)【海外試乗記】の画像
ボディ構造は、セパレート型。頑丈なラダーフレームを備える。サスペンションは、フロントが「ダブルAアーム」と呼ばれるダブルウィッシュボーン、リアは5リンク式のリジッド。

ボディ構造は、セパレート型。頑丈なラダーフレームを備える。サスペンションは、フロントが「ダブルAアーム」と呼ばれるダブルウィッシュボーン、リアは5リンク式のリジッド。

セダン風テイスト

エンジン担当のエンジニアは、「V6よりスムーズで、ドライバビリティや燃費に優れる。そのうえV8以上のパフォーマンスを持つ」と絶対の自信をもって、新型ストレート6をアピールした。確かにこのエンジン、6000rpmまで滑らかに回る。パワーフィールも良好だ。
組み合わされるオートマチックトランスミッションが、旧態依然の4段というのがちょっと惜しいが、動力性能は、どこをとってもなかなかのものである。

ニューSUVのフットワークも、やはり最新型らしい印象だった。
路面の凹凸を乗り越えると、ラダーフレーム車体特有の、わずかにブルブルとした振動を感じる。が、それを除けば、全般的にはまさに「セダン風テイスト」。
SUVで一流ホテルのエントランスに乗り付けるのも当たり前、という国の生まれらしい味付けなのだ。

驚かされたのは、小まわりのよさ。
決して小さいとはいえないサイズのボディながら、最小回転半径5.5m。実は、これはインラインユニットのお陰。シリンダーがまっすぐ並んだエンジンゆえ、幅方向に狭く、そのため前輪の切れ角を極めて大きくとることができた。

それにしても、内燃機関の終焉がささやかれるこの期に及んで、「エンジンオリエンテッド」のSUVがアメリカから誕生するとは驚きだ。
このトレイルブレイザー、日本にも近い将来の導入が予定されている。

(文=河村康彦/写真=日本ゼネラルモーターズ /2001年2月)

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

トレイルブレイザーの他の画像を見るためには、写真一覧をご覧ください。

関連記事
  • シボレー・トラバースLS(FF/6AT)【試乗記】 2009.6.15 試乗記 シボレー・トラバースLS(FF/6AT)
    ……498.0万円

    全長5.2m超、ホイールベース3m超! 圧倒されそうな巨体に乗り込んでみると、意外やその乗り味は……。
  • シボレー・ブレイザーLS(4AT)【試乗記】 2001.9.8 試乗記 シボレー・ブレイザーLS(4AT)
    ……298.0万円

    1983年に登場したシボレー・ブレイザー。息の長いこの手のクルマのなかにあっても、いよいよモデル末期。熟成なったシェビーのSUVに、自動車ジャーナリスト、笹目二朗が乗った。


  • BMW 540i Mスポーツ(FR/8AT)【試乗記】 2017.4.4 試乗記 長年の歴史を誇るBMWの基幹モデル「5シリーズ」がフルモデルチェンジ。新開発のプラットフォームが用いられた7代目の実力はどれほどのものか、上級グレード「540i」の試乗を通し、ライバル車との比較を交えながら確かめた。
  • 「谷口信輝の新車試乗」――BMW 540i Mスポーツ(後編) 2017.3.30 mobileCG レーシングドライバー谷口信輝が、本音でクルマを語り尽くす! 前回に引き続き、今回も「BMW 540i」に試乗する。新しい直列6気筒エンジンを搭載する「5シリーズ」の真打ちは、どんなドライバーにお薦めか。谷口視点で分析する!
  • 三菱アウトランダーPHEV Sエディション(4WD)【試乗記】 2017.3.22 試乗記 マイナーチェンジを受けた「三菱アウトランダーPHEV」に試乗。プラグインハイブリッドシステムの改良や先進安全装備の搭載など、全方位的に進化を遂げた最新モデルの出来栄えを、最上級グレード「Sエディション」で確かめた。
ホームへ戻る