【スペック】全長×全幅×全高=4455×1860×1250mm/ホイールベース=2685mm/車重=1500kg/駆動方式=FR/6リッターV8 OHV(404ps/6000rpm、55.6kgm/4400rpm)/価格=715.0万円(テスト車=同じ)

シボレー・コルベットクーペ(4AT)【試乗速報】

デキが良すぎて不安になる 2005.03.10 試乗記 シボレー・コルベットクーペ(4AT)……715.0万円アメリカンな味わいはそのまま、“超”がつく高性能と、快適性や使い勝手を両立したという、新しい「シボレー・コルベット」。生まれ変わったアメリカンスポーツの代表格に、『webCG』記者が乗った。

アメリカンはそのままに

ものすごい性能(の片鱗)を、誰もが乗ってすぐに体感できるクルマ。通称“C6”と呼ばれる、新型「シボレー・コルベット」をヒトコトでいうと、こんな感じだ。ニューコルベットは、アメリカン・パフォーマンスカーの象徴でありつつ、国際的な競争力をもち、ベーシックモデルでさえ先代のハイパフォーマンス版「Z06」を超える性能を有するというが、その言葉にも嘘はなさそうである。

“アメリカン・パフォーマンスカーの象徴”であることは一目瞭然。リトラクタブルヘッドランプこそないものの、ロングノーズ&ショートデッキフォルム、リアへいくほど厚みをますスタイリング、丸形リアコンビネーションランプなどの象徴的なアイコンをちりばめたその姿は、コルベット以外の何者でもない。

デザイン的にはコルベットでも、パッケージングは大きく変わった。ニューモデルながらボディサイズは先代より小さく、全長が100mm、全幅は10mm狭い。一方、ホイールベースは30mm延ばされた。前後オーバーハングを短縮してキャビンスペースを広く採る、現代的なパッケージングによって、コルベットらしいカタチはそのままに、広い室内や自由度の高いシートポジションを獲得した。インテリアの質感を高めたことも自慢。精緻ではないけれど、アメ車っぽいラフな印象はほとんどない。日本仕様は、電動調節式レザーシート(ヒーター付き)やBOSE製オーディオ、DVDナビゲーションシステムなどを標準で備え、装備品も現代のプレミアムスポーツにふさわしい仕様になっている。

めちゃくちゃ速い

カタチだけでなく、ボディやパワートレインの成り立ちも、コルベットの文法を踏襲する。シャシーは「キャデラックXLR」と同様、ハイドロフォームの鋼管フレームに、複合素材を組み合わせたもので、各部の剛性アップと軽量化が施された。フロントにエンジン、リアにトランスミッションをマウントし、前後重量配分は51:49を実現したという。

パワーソースは、6リッターに排気量を拡大したV型8気筒OHV。軽量コンパクト&低重心で運動性能に寄与するのみならず、ボンネットを低くできるから視界も広い。高回転域は弱いが、もとよりアメリカンスポーツの醍醐味は極太トルク。ATは4段だが、最大55.6kgmに達するトルクをいつでも、素晴らしいレスポンスで引き出せるのだから、コルベットの場合、ギアを落とす作業がバカバカしい。

実際、めちゃくちゃ速い。6段MT仕様の場合、静止から100km/hまでたったの4.2秒という、欧州スーパースポーツと肩を並べる実力は本物。C6コルベットはさらに、その性能を直接的に体感させない、文化的なマナー(?)を身につけていた。高められたボディ剛性や、アクティブサスペンション「マグネティック・セレブ・ライド・コントロール」が車両をフラット&安定に保つおかげか、タイヤが鳴くほどのフル加速でも不安を覚えることはなく、ヘッドアップディスプレイに表示される速度が、ただ猛烈な勢いで伸びていく。低音成分の濃い、腹の底から唸るようなエンジン音はするけれど、ボリュームは小さめ。“適度な演出”にとどまっている。
径の大きいステアリングホイールや、重めのハンドリングに“アメ車”を運転していることを実感したが、それも適度なもの。細腕の女性でも、「コルベットに乗りたい!」モチベーションがあれば、運転の障壁になることはないと思う。

欧州車なら、1000万円超級の性能、普段づかいもこなすマナー、誰が見てもスポーツカーなスタイルと由緒あるブランドをもつC6コルベット。695万円からの価格設定は、かなりのバーゲンプライスだ。一方、ちょっとだけ不満もある。特殊なクルマをのぞけば、戦闘機やレースカーのように、性能だけを前面に押し出したスポーツカーも今は昔。性能に加えて社会性(?)を身につける段階も過ぎ、今はその気にさせる演出が、たぶん大事。もちろん、コルベットもスペシャル感バリバリではあるけれど、1つ2つ突出した演出で、「オレにしか運転できないゼ!」みたいな演出があっても、よかった気がする。
ワガママなんですけど、ね。

(文=webCGオオサワ/写真=峰昌宏/2005年3月)

全体的に質感をあげたインテリア。アナログメーターに加え、フロントスクリーンを利用したヘッドアップディスプレイ(HUD)にも、多彩な車両情報が表示される。HUDは「ストリート」と「ノーマル」2つのモードを備え、前者はオーディオチャンネルなど、後者の場合はコーナリングフォースやエンジンコンディションが、車速やギアポジションとともに表示される。

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まごうことなきコルベットのスタイル。真横からみると、全長に占めるホイールベースの割合が多いことがわかる。

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エンジンは低いだけでなく、フロントミドぎみにマウントされる。

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コンバーチブルも同時に発売された。4段AT仕様のみの設定で、価格は835.0万円。フレーム式ボディ構造のおかげで、オープンでもボディ剛性への影響はすくない。

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タイヤサイズは、前後とも1インチアップ。フロントが245/40ZR18、リアは285/35ZR19インチを履く。パンクしても一定速度で走れる「エクステンディッド・モビリティ・タイヤ」だ。日本仕様はブレーキが強化され、全車がハイパフォーマンス版「Z51」(未導入)と同じ、大径ドリルドローターを標準装備する。

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