ロウブ+シトロエン3勝目、スバル2位、第5戦ポルトガル【WRC 07】

2007.04.02 自動車ニュース

【WRC 07】第5戦ポルトガル、ロウブ+シトロエン今季3勝目!スバルのソルベルグ2位フィニッシュ

世界ラリー選手権(WRC)第5戦ラリー・ポルトガルが、2007年3月29日〜4月1日、ポルトガル最南端の海岸リゾート地、ファロを舞台に開催された。

同イベントは1973年のシリーズ設立以来、モンテカルロやサファリと並ぶ人気イベントとして定着していたのだが、コースに溢れ出すギャラリーをコントロールできなかったことで、01年の大会を最後にWRCカレンダーから除外されていた。

しかし、開催地をそれまで拠点となっていた北部のポルトからファロへ移すほか、コンパクトなラリー構成の採用、サッカー用のスタジアムにサービスパークとスーパーSSを設置するなど、近代のトレンドを取り入れることで復活を果たした。

ステージはアルガルベ地方の山岳地帯に設定されたハードグラベルで、いずれも高速コーナーを主体にしたレイアウト。多くのドライバーがこのラリーを経験したことがないために、誰が勝つのか注目を集めるなか、シトロエンのエース、セバスチャン・ロウブが「C4WRC」を武器に安定した走りを披露、今季3勝目を獲得した。

■シトロエン、フォード、スバルの三つ巴

第4戦メキシコでデビューしたスバルのニューマシン「インプレッサWRC2007」のポテシャルが高くなったことにより、第5戦ポルトガルではレグ1から“4強”によるバトルが展開されていた。

シトロエンのエース、ロウブとフォードのエースとして「フォーカスWRC06」を駆るマーカス・グロンホルム、そしてフォードのセカンドドライバー、ミッコ・ヒルボネンとスバルのエース、ペター・ソルベルグが熱いタイム争いを披露。
午前中のループを終えた段階でトップのグロンホルム、2番手ロウブ、3番手ヒルボネン、4番手のソルベルグが8秒以内にひしめく接近戦となった。

午後のループではペースの上がらないヒルボネンとSS6でスピンを喫したソルベルグが遅れ出すものの、SS7でトップに浮上したロウブ、2番手でフィニッシュしたグロンホルムの差はわずか3.1秒。
そこから25秒遅れで一騎打ちを展開する3番手のヒルボネン、4番手のソルベルグの差もわずか7.5秒と言う状態で緊張感のあるバトルが続いていた。

■明暗を分けたタイヤ選択

が、早朝にシャワーに見舞われた翌31日のレグ2では、トップのロウブが2番手のグロンホルムを大きく引き離す。ふたりの明暗を分けたのはタイヤ選択の違いだった。

多くのドライバーと同様にグロンホルムは耐摩耗性を考慮してハードタイヤをチョイスしていたのだが、ロウブは午前中のシャワーでウェットコンディションと判断し、グリップ重視のソフトタイヤを選択する。

結果は、ロウブの判断が正しかったようで、ロウブが午前中のステージを制圧。これが焦りに繋がったのか、午後のループではSS12でグロンホルムがコースオフを喫し、大きくロウブに引き離されることとなった。

結局、午後のステージもロウブが連取し、レグ2をトップでフィニッシュ。グロンホルムも2番手をキープするものの、トップのロウブに40秒も引き離されることとなってしまった。

■フォード、レギュレーション違反発覚、降格

一方、ヒルボネンvsソルベルグの3番手争いもレグ2で均衡が崩れ始める。
「シャーシのバランスが悪かった」と語るように、ペターは午前中のループで苦戦。午後のループではペースアップを図るものの、終始コンスタントな走りを披露したヒルボネンに引き離されることとなった。

結局、レグ3ではロウブが余裕のクルージングを披露し、今季3勝目を獲得。ポジションキープに徹したグロンホルムが2番手、ヒルボネンが3番手で続くほか、午後のループでエンジントラブルに見舞われたソルベルグもポジションを守り抜き、4番手でフィニッシュしている。

以下、シトロエンのセカンドドライバー、ダニエル・ソルドが5番手、ストバートVKフォードで「フォーカスWRC06」を駆るヤリ-マティ・ラトバラが6番手、OMVクロノスで「シトロエン・クサラWRC」を駆るダニエル・カールソンが7番手、エイモントレーシングでシトロエン・クサラWRCを駆るジジ・ガリが8番手に付けているのだが、フィニッシュから約6時間後の現地時間20時00分、このリザルトが書き換えられることとなった。

なんとグロンホルム、ヒルボネンらフォードのワークス勢に加え、6番手のラトバラ、10番手のヘニング・ソルベルグ、12番手のマシュー・ウイルソンらフォーカスWRC06ユーザーにレギュレーションの違反が発覚。サイドウインドウの肉厚が変更されていたことから、それぞれ5分のタイムペナルティが加算されることとなった。

この結果、ウィナーのロウブに続いて、3番手でフィニッシュしたソルベルグが2位に繰り上がり、同じく4番手でフィニッシュしたソルドが3位に入賞する。
グロンホルム、ヒルボネンらが4位、5位に降着することとなり、以下、カールソンが6位、ガリが7位、ラトバラが8位でポイントを獲得している。

まさに予想外のシナリオで、6年ぶりに復帰開催を果たしたラリー・ポルトガルは、多くのファンにとって記憶に残るイベントになることだろう。

■3輪走行禁止のレギュレーションで失格者登場

安全面の理由から今季より導入されたロードセクションにおける3輪走行の禁止。この新レギュレーションの最初の適用者が、「三菱ランサーWRC」駆るトニ・ガルデマイスターだった。

SS2で7番手タイムをマークしたガルデマイスターだったが、続くSS3で11番手タイムに後退。実はこの時、ステージ中にある橋の欄干にヒットし、左リアタイヤを破損していたのである。

そのまま走行を続けたガルデマイスターはタイヤを失い、ホイールだけの状態でサービスパークへと帰還。午後のループではコンスタントな走りを披露し、総合10番手でレグ1をフィニッシュするものの、午前中のリエゾン走行が3輪走行として判断されたことから、そのまま失格となった。

■JWRC、スズキのアンダーソンが2連勝

同時開催のJWRC第2戦では、SS3でルノーのニューマシン「クリオR3」を駆る06年の王者、パトリック・サンデルがコースアウト。波乱の幕開けとなるなか、トップのウルモ・アーバ、2番手のパー-ガンナー・アンダーソンらスズキユーザーが序盤から激しいバトルを展開する。

アーバvsアンダーソンの同門対決はレグ2でも続き、その決着はレグ3へ持ち込まれたのだが予想外の結末を迎えることとなった。

午前中のループでアンダーソンが連取するものの、アーバも2番手タイムを叩き出し、クラストップをキープ。このままアーバが逃げ切るかのように見えたものの、午後の1本目、SS16でパンクに見舞われ、2番手のアンダーソンに4.7秒差まで迫れることとなった。

そして続くSS17で勝負に出たアンダーソンが逆転に成功し、2番手のアーバに約2.7秒の差をつけてトップへ浮上する。

さらにラストステージとなるスーパーSSでもアンダーソンがトップタイムをマークし、結局、アンダーソンが奇跡的な逆転で今季2勝目を獲得した。

敗れたアーバも2位入賞を果たし、スズキユーザーが1-2フィニッシュを達成。3位入賞はルノー・クリオを駆るヨセフ・ペレスで、今季初の表彰台を獲得している。

(文と写真=廣本泉)

シトロエンのセバスチャン・ロウブが、開幕戦モンテカルロ、前戦メキシコに次ぐ今年3勝目をあげた。
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フォードのマーカス・グロンホルムは、2位でフィニッシュするもレギュレーション違反発覚で4位に降格した。チャンピオンシップリーダーの座はロウブに譲ったことになる。
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前戦メキシコでデビューした新型「インプレッサWRC2007」を得て、ペター・ソルベルグが健闘。棚ぼたながら2位でゴールした。
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ラリーで3輪走行はよくみかけるが、今年からロードセクションにおける3輪走行が禁止となった。トニ・ガルデマイスターが最初の失格者に……。
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JWRC、スズキのパー-ガンナー・アンダーソンが奇跡的な逆転勝利。
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