「ゴルフ vs オーリス」 独でハッチバック対決が白熱!

2007.03.27 自動車ニュース
「キア」の7年保証を示すステッカー。
ゴルフとオーリス、本場ドイツでガチンコ勝負へ

「ゴルフ vs オーリス」 独でハッチバック対決が白熱!

中国車の進出が伝えられるドイツ。コンパクトハッチ市場では、アジアン・カーの先輩、日本車と韓国車も奮闘中だという。
「VWゴルフ」の牙城を崩すことはできるのか?

■ゴルフに、追いつけ追いこせ

ドイツでは、コンパクトクラスの乗用車を「ゴルフクラス」と呼ぶ。
「フォルクスワーゲン・ゴルフ」が、あの「ビートル」の後継車として1974年に発売されて以来、毎年のようにドイツの新車登録台数ランキングをリードしているからだ。
昨2006年にはドイツ国内登録台数が約24万台にまで上がった(ドイツ自動車局統計)。

ゴルフ以外のコンパクトクラスには、「永遠の2番手」とも呼ばれる「オペル・アストラ」(11万台、同局統計)や、ゴルフとプラットフォーム(車台)をシェアしているアウディの「A3」(8万台)やドイツフォードのフォーカス(7万台)がメジャーな存在。その4車種のあとを、数多くの輸入車が追っている。

今年は、これら輸入車陣の2社が、歴代の番付を変えようとしている。
トヨタ自動車と起亜自動車(キア)だ。

トヨタはコンパクトクラス市場にご存知「カローラ」を供給しており、2006年には4万3000台という販売実績を残した。
次第に伸びてきた数字だがゴルフとのギャップはまだ大きい。カローラは品質が優れたクルマとして知られる一方、イメージは「退屈である」(週刊誌フォークス)。
そのためか、カローラを購入するのは高年齢者が多いと言われている。

さらに桁がひとつ下がるのがキアである。
販売台数が一番多いコンパクトクラスでは、いまひとつ人気のでないモデル「Cerato」でなんとか応戦してきた。しかしながら、発音も「セラート」か「チェラート」なのかが不明なほど認知度が低い。2006年の登録台数はわずか2846台で、ゴルフの1%程度に過ぎない。

■ドイツを埋め尽くす“アウリス”

そして今年、トヨタは大胆な戦略を打ち出してきた。
日本でも報道されたように、70年代から知られてきた車名「カローラ」をドイツを含むヨーロッパ数ヵ国で廃止。後継車として、南フランスでデザインし、より幅広い客層にアピールできそうな車名の「AURIS(オーリス:ドイツ語発音はアウリス)」を、2007年3月3日、ドイツ市場にデビューさせたのだ。

現在ドイツでは、史上最大規模と言われる広告キャンペーンが続いている。
『ハンデルスブラット経済新聞』の推定によると、「AURIS」の広告ポスターはドイツ全国の人口10万人クラスの都市圏内に、トータル20万ヶ所に貼られ、首都ベルリンにおいては広告板をほぼ埋め尽くしている。

ちなみに広告写真のクルマはすべて、北ドイツの田舎(ニーダーザクセン州)アウリッヒ郡、つまり「AUR」ナンバーで登録された。登録場所を示すアルファベット「AUR」のあと、任意で選べる部分には「IS」を用いて、AUR−IS(アウリス)とする徹底ぶりだ。

■キアは7年保証で勝負

一方のキアは、2007年1月20日に「cee’d(シード)」という、ヨーロッパ市場専用車を発売した。ヨーロッパでデザインされ、生産拠点はスロバキア。キアがヨーロッパ市場に力を入れようとしている証となるクルマだ。
デビュー後1ヶ月の登録台数から見ると、旧モデルの「Cerato」の売り上げを大きく上まわるだろうと予測される。

トヨタの「AURIS」同様、キアの「cee’d」投入に向けた広告活動も目立つが、話題となっているのはむしろ史上最長7年間という保証期間である。品質問題は既に過去のこと、というメッセージだ。キア車の難点と言われてきた中古車での大きい下落幅を食いとめる対策になるとも思われる。

■ドイツのメディアもショック!?

これらトヨタとキアのニューモデル2車種がゴルフと競争できるのかは、大きな見どころだが……。

辛口評価が多いドイツの自動車雑誌では、いつになく好評だ。

2007年2月、3月号の『アウトビルト』誌の表紙を直訳すると、「ショック! キアはゴルフ並にいい!」「痛ッ! トヨタはフォルクスワーゲンに勝る!」
「AURIS」はカローラから大きな一歩を踏み出したクルマと評価され、「cee’d」はゴルフとほぼ同じ性能ではるかに安価だと報道された。

この2台のコンパクトカー、「ゴルフクラス」番付に上がるポテンシャルは十分にあるようだ。

(文と写真=廣川あゆみ)

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