GT開幕戦で土壇場の大逆転劇!「レクサスSC430」優勝【SUPER GT 07】

2007.03.19 自動車ニュース
GT500クラスのスタートシーン
土壇場の大逆転! 開幕戦の勝者は、立川・高木の「ZENT CERUMO SC430」

【SUPER GT 07】開幕戦で土壇場の大逆転劇!「レクサスSC430」優勝

後続との差、およそ34秒。
ファイナルラップのメインストレートを通過するトップのNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組)は、すでにクルージング状態に入っているかに見えた。

ところが、そのスピードが突如低下。誰もがわかるほどのスローダウンは、勝利からの脱落を意味するものだった。そしてデグナーカーブに差し掛かる頃、No.38 ZENT CERUMO SC430(立川裕路/高木虎之介組)が労せず逆転。初戦で勝利した。

3月18日、三重県・鈴鹿サーキットでSUPER GT第1戦の決勝レースが行われ、No.38 ZENT CERUMO(立川裕路/高木虎之介組)がどんでん返しの末に大金星を獲得。No.23 XANAVI NISMO Z(本山哲/リチャード・ライアン組)が2位、No.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル/ファビオ・カルボーン)が3位で続いた。

また、GT300クラスでは、終始安定した速さで他を圧倒したNo.13 エンドレスアドバン洗剤革命 Z(影山正美/藤井誠暢組)が勝利をさらった。

■ARTA NSX、“別世界”のタイムでポールポジション

3月上旬、鈴鹿で行われた公式テストから、一貫した速さを見せていたNo.8のNSX。アタックを担当する伊藤は、セッションごとに昨年自ら打ち立てたコースレコードを更新し、他を圧倒する。

予選1回目、2番手No.18 TAKATA 童夢 NSX(道上 龍/小暮卓史組)に対し0.622秒差をつけてトップに立った。アタッカーの伊藤は、トップ10のマシンが予選グリッドを争う「スーパーラップ」でなおもタイムを削り取り、1分49秒842をマーク。2番手に浮上したNo.32 EPSON NSXに0.741秒もの差をつけて、ただ一人“別世界”のタイムでポールポジションを獲得した。

またGT300クラスは、No.13のZが終始首位の座を譲らず。アタッカーの影山にとってGT300クラス初ポールポジションとなった。

予選5番手からスタートしたNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/高木虎之介組)。最終ラップまでトップを独走していたARTA NSXがスローダウン後にストップ、最後の最後で逆転優勝を飾った。
土壇場の大逆転! 開幕戦の勝者は、立川・高木の「ZENT CERUMO SC430」
2位攻防戦。逃げるNo.23 XANAVI NISMO Z(本山哲/リチャード・ライアン組)を追うNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル/ファビオ・カルボーン組)。
土壇場の大逆転! 開幕戦の勝者は、立川・高木の「ZENT CERUMO SC430」
GT500クラスの表彰式。右から、2位XANAVI NISMO Z(本山哲/リチャード・ライアン組)、優勝のZENT CERUMO SC430(立川祐路/高木虎之介組)、3位EPSON NSX(ロイック・デュバル/ファビオ・カルボーン組)。
土壇場の大逆転! 開幕戦の勝者は、立川・高木の「ZENT CERUMO SC430」

■一転、まさかの炎上!

この週末、冷たい風が吹く厳しい寒さに見舞われた鈴鹿だったが、澄みわたる青空の下でモンスターマシンのエキゾーストサウンドが軽やかに響き渡り、3万人を超す観客が今季初のバトルを見守った。

上位4台をNSXが独占するなか、序盤、No.32 EPSON NSXがスピン。No.38 SCが一角に喰いこむ。だが、見事なリカバーでポジションを奪回。中盤までNSX勢優位に揺るぎは見られなかった。

しかし、ルーティンワークのピットイン、ドライバー交代が終了すると、次第にブレが生じ始めた。
まず、No.100 RAYBRIG NSX(ドミニク・シュワガー/細川慎弥組)が、痛恨のスピン、コースアウトで戦線離脱。これでトップ2台はNo.8、No.18のNSX、これにNo.38のSC430、さらにNo.23のZが続き、このまま終盤へ向かうかに思われたのだが……。

レースフィニッシュまで残り7周となった45周目。2番手No.18がダンロップコーナーの差し掛かったとき、なんとマシン後部から火が上がるというアクシデント!
エンジントラブルが原因だったが、先日の合同テストでもほぼ同じようなシーンがあっただけに、大きな衝撃が走った。

■NSX勢を襲うトラブル

だが、NSXの悲劇はこれだけで終わらなかった。

なんと、ファイナルラップでトップのNo.8がスローダウン! その前の周からマシンの異変を感じ取っていた伊藤は、マシンを労わりながらなんとかゴールまでマシンを運ぼうとしていたのだが、念願叶わず。スプーンカーブでマシンは完全に息絶えた。原因はNo.18と同様のトラブルだった。

思わぬかたちで勝利が転がり込むこととなったNo.38 SC430。
「まさか勝てるとは思わなかった」と驚いた立川。自身も目の前にあった勝利をパンクで逃した苦い経験を持つだけに「2番手にいたからこそ、この勝利があったと思う」と言えば、パートナーの高木も「NSXは速かった。でも52周を走り終えて自分達が一番前にいたということは、運もあっただろうけど、チーム力、エンジニア、ドライバーそれぞれの力が全部うまく合ったからだと思う」と、GTならではの勝利に満足気だった。

2位には、粘りの走りが功を奏したNo.23 XANAVI NISMO Z。3位はNo.32 EPSON NSXが続き、3メーカーが表彰台を分け合った。

ポール・トゥ・フィニッシュでGT300クラス優勝を飾ったNo.13エンドレスアドバン洗剤革命 Z(影山正美/藤井誠暢組)。
土壇場の大逆転! 開幕戦の勝者は、立川・高木の「ZENT CERUMO SC430」

■GT300、エンドレスアドバン洗剤革命 Z完勝

GT300クラスで、金曜日の練習走行、予選、スーパーラップ、そして決勝日朝のフリー走行に至るまで、一度もトップを譲ることのなかったNo.13のZ。

エースドライバーの影山は、GT500でも数多くの勝利を収めてきたベテランだが、今シーズンはパートナーの藤井も成長。スタート直後は、影山が予選2番手のNo.101 TOYSTORY apr MR-S(大嶋和也/石浦宏明組)のルーキーコンビによる容赦ない攻めに動じることなく、クラストップを死守した。

ピットインでの順位入れ替えはあったものの、後半に入ると藤井が影山から譲り受けたマージンを最大限活かし切り、落ち着いたレース運びを披露。待ちわびた勝利を手にした。

2位は、レースの流れを味方に、巧みなレース運びを見せたNo.2プリヴェKENZOアセット・紫電(高橋一穂/加藤寛規組)が、3位にはNO.101のMR-Sが入った。

SUPER GT第2戦の舞台は岡山国際サーキット。
シーズンオフから驚異的な速さを武器にしてきたNSX勢にとって、リベンジ戦になることには違いない。幸いにも、昨年はNSXが1−2フィニッシュを飾っている。またも勝ちを取りこぼした伊藤がいう「速さは当然だが、それよりも強さを見せるレース」の実現なるか? 決勝は4月8日だ。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)

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