VW、エコな「3リッターカー」を「ポロ」で再び

2007.03.16 自動車ニュース
「ポロ・ブルーモーション」
フォルクスワーゲン、エコな「3リッターカー」を再び

VW、エコな「3リッターカー」を「ポロ」で再び

独フォルクスワーゲンが、エコロジーな“3リッターカー”を再発売。その名も「ポロ・ブルーモーション」に、本国ドイツで乗ってみた。


VW、エコな「3リッターカー」を「ポロ」で再びの画像

VW、エコな「3リッターカー」を「ポロ」で再びの画像

■3リッター「ルポ」の失敗を踏まえて

フォルクスワーゲンは、1999年に初めて「3リッターカー」、つまり3リッターで100kmの距離を走れる「ルポ3L TDI」を量産した。現代流に言えば、わずか81グラムのCO2排出量である。

しかし、スタンダードよりも約10万円高い価格とドライバビリティの悪さゆえ販売は伸びず、結局、2005年までにわずか2万8000台を売ったところで、生産は終了してしまった。

こうした悪例を踏まえて、フォルクスワーゲンは再び、燃費に優れたコンパクトカーを発表した。

「ポロ・ブルーモーション」である。

いくら省エネといっても価格が高くては困る。今回のブルーモーションは1.4リッターTDIエンジンを塔載して1万5750ユーロ(約240万円)。同じエンジンを塔載した「ポロ1.4TDI」とまったく同じ値段である。

さらに、この“省エネ”ブルーモーション・ポロには、軽合金ホイールやエアロパーツ、そしてマルチファンクションディスプレイなどが備わっている。

ただし、当然の事ながら(?)エアコンは装備されていない。これを望むには「Cool&Sound Package」をオプションで選ばなければならない。エアコンとCDラジオのセットに、860ユーロ(約13万円)を追加で払うわけだ。

ベースになったのはポロ1.4TDI(80ps)でこちらはカタログのEU燃費(走行100kmあたりの消費燃料)で4.4リッターと発表されている。つまり、22.7km/リッターだ。


VW、エコな「3リッターカー」を「ポロ」で再びの画像
ベースモデルと同様、1.4リッターのディーゼルエンジン「TDI」を搭載する。
ベースモデルと同様、1.4リッターのディーゼルエンジン「TDI」を搭載する。

VW、エコな「3リッターカー」を「ポロ」で再びの画像

■ポイントは、空力、ギア比、排気系

ブルーモーション・ポロの見た目の違いはグリルの蓋、サイドシル、リアスカート、そしてルーフスポイラーである。これによってCd値は0.30へと改良された。性能とは関係ないがドアミラーとリアスカートがシルバーに塗られているのも相違点だ。

メカニズムで燃費向上に役立っているのは、非常に高く設定された5段ギア(まったく普通のマニュアル・トランスミッション:VW社内呼称でMQ200。Mはマニアル、Qは横置きエンジン用、200は200Nmまで耐える、を意味する)で、3速から5速までが12%から25%高く設定されている。

走り出すとこの高いギア比はそう気にならない。すくなくとも信号の少ないドイツの郊外道路では5速でもフツーに流すことができる。
もっとも、決してスポーティではなく、スロットルを開いても荷重移動すら起こらないように感じる。

カタログによる0-100km/hの加速所要時間は12.8秒。これはベースモデルとまったく同じ、しかも最高速度は176km/hで4km/hも速い。

つまりフォルクスワーゲンはこのポロ・ブルーモーションを「おそくて迷惑なクルマ」にする気はないのである。
タイヤは前後とも165/70R14で、スタンダード・ポロと同じ。操縦性にまったく不満はない。

■エンジンの違い

ちょっと後まわしになったが、可変タービン・ブレードを持った1422ccの3気筒TDIディーゼルはスタンダードとまったく同じ出力特性で、「80ps/4000rpm、195Nm/1800-2200rpm」を発生する。

スタンダードとの差は、EGRをEGRクーラーとエレクトリック・バルブによって効率アップしている点である。
もちろんDPFは標準装備。キャタライザーはシンウォール・テクニック(ケーシングの壁が薄い構造)を持った反応速度の速いオキシダント・キャタライザーを採用している。エンジン温度はオイルクーラーによって適正化される。

車重は1084kgで、これもスタンダードとわずか5kgの差でしかない。

■無給油で1150km走行

ポロ・ブルーモーションは、実際に走って動力性能に不足はない。そのうえ、車載の燃費計で「100kmあたり4リッター」を切ることすらなかったが、4リッター(=25km/リッター)から5リッター(=20km/リッター)の間を始終さしていた。

フォルクスワーゲンの発表によれば、カタログ上は3.9リッター/100km(=25.6km/リッター)で、ベースモデルより0.5リッターすぐれる。燃料タンクが45リッターだから、1150kmは無給油で走りきることができるわけだ。

さらに、EUの要綱による燃費計測メソッド80/1268/EWGにのっとれば、燃費はさらに3.2リッター/100km(=31.2km/リッター)に向上する。

(文と写真=木村好宏)

関連キーワード:
ポロフォルクスワーゲン自動車ニュース

あなたにおすすめの記事
関連記事
  • 「フランクフルトショー2017」の会場から(フォルクスワーゲン) 2017.9.15 画像・写真 フランクフルトショーにおけるフォルクスワーゲンの展示ブースより、コンパクトSUVの「T-Roc」や、新型「ポロGTI」、電気自動車のコンセプトモデルである「I.D.CROZZ II」「I.D.BUZZ」などの姿を写真で紹介する。
  • ボルボXC40 T5 AWD R-DESIGN/XC40 D4 AWDモメンタム【海外試乗記】 2017.12.28 試乗記 まったく新しいプラットフォームをベースに開発された、ボルボの新世代SUV「XC40」。カジュアルでアクティブな雰囲気をまといつつも、端々に“今時のボルボらしさ”を感じさせるニューモデルの出来栄えを、バルセロナの地で試した。
  • トヨタ・ハイラックスZ(4WD/6AT)【試乗記】 2017.11.30 試乗記 10年以上のブランクを経て国内市場に復活した、トヨタのピックアップトラック「ハイラックス」。いざ日本の道を走らせてみると、外観からは予想できなかった身のこなしや乗り心地のよさに、驚かされることになった。
  • アルピーヌA110プルミエールエディシオン(MR/7AT)【海外試乗記】 2018.1.8 試乗記 伝説的なフランスのコンパクトスポーツ「アルピーヌA110」が、40年の時を経て復活。アルミボディーに直噴ターボエンジンと、モダンな技術が惜しみなく用いられた新型は、同時に往年のアルピーヌに通じるテイストを持つ一台に仕上がっていた。
  • BMW i3s(RR)【海外試乗記】 2018.1.6 試乗記 デビューから4年を経たBMWの電気自動車「i3」に、新グレードの「i3s」が登場。よりパワフルなモーターと専用チューニングの足まわりが採用された電動スポーツモデルの出来栄えを、BMWの電動化戦略の現状とともにお届けする。
ホームへ戻る