オービス増設で、フランスの死傷者激減

2007.03.12 自動車ニュース

オービス増設で、フランスの死傷者激減

フランスの交通安全を管轄する「セキュリティ・ルティエール」は、2007年3月7日、オービス「Radar Automatique(自動レーダー)」の新設置箇所を発表した。

フランスには高速道路や環状線、国道など、現在、全国900ヶ所以上(パリ市内は22ヶ所)に、自動スピード違反計測器が設置されている。
移動式レーダーを含むスピード違反で徴収された2006年度の罰金額は、3億4900万ユーロ(約558億円)。固定式レーダーの設置数が毎月のように増加している影響もあって、2005年度は2億490万ユーロだったのが、この1年で1億4410万ユーロも増加したことになる。

自動レーダーシステムは、ニコラ・サルコジ内相によって導入された。
スピード違反によってクルマのナンバーが写真撮影されると、その通知と免許証の減点、罰金、支払い期限などが明記された書類がクルマの持ち主に郵送される。通達は一方的。
当初は装置に対する信頼性など批判の声も大きかったが、強行派の同内相の態度は硬く、2003年10月末に初めて自動レーダーが設置された。

スピード違反をした運転者が他の人物だった場合は、その旨を手紙で伝えれば改めて違反者に通知される。しかし、それ以外に意義申立てがある場合は証拠書類なども提出する必要があり、「単なる言い逃れ」はできそうもない。
通知から約2週間以内に罰金を支払うと“罰金額の割引”も適用される、ユニークなシステムもある。

自動レーダーの反応に関しては、僅か時速5km超過でもフラッシュを浴びる可能性がある。「時速10kmオーバー程度までなら大丈夫」と想像していた人々の想像を超える厳しさで、ここ数年、速度制限を守るドライバーは飛躍的に増えた。
ちなみに、次期大統領選出馬で注目を浴びるサルコジ内相は「時速1km超過でも取り締まる!」と、発言しているらしい。


■死亡事故は、4年で43%も減少

スピード違反の取締が厳しくなった背景には、交通事故数と関連がある。数年前、EU諸国内で交通事故件数のワーストワンをフランスがマーク。そこで、道路交通法の取締りが強化されることになった。
効果は顕著に現れ、事故件数は確実に減少。2006年度の交通死亡事故(事故から30日以内)数は4703人に留まり、2005年度と比較して11.6%減、2002年度以降43%も減少した。負傷者数も10万2291人と、前年度からは5.4%減、2001年度からは30%減に。大成果を挙げている。

ちなみに、旅行者など外国人がレンタカーでスピード違反。レーダー撮影された場合は、レンタカー会社経由で特定され、違反通知が送られる場合もあるので油断は禁物だ。
固定型レーダーが設置されている場所には、数100mから1kmほど手前に「予告看板」(画像)がある。しかし、レーダーの小型化も進んでおり、判別が難しくなりつつある。やはり、安全運転が賢明のようだ。

(文と画像=野口友莉(YUYU))

オービス設置点の手前に置かれる、「予告看板」。
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