大メーカーだけじゃない、スペシャリストがジュネーブのおもしろさ【ジュネーブショー07】

2007.03.12 自動車ニュース

大メーカーだけじゃない、スペシャリストがジュネーブのおもしろさ【ジュネーブショー07】

【ジュネーブショー07】大メーカーだけじゃない、スペシャリストがジュネーブのおもしろさ

2007年3月6日にプレスデイで幕を開けたジュネーブショー。
事前のプレスリリースなどで期待していたクルマの他、現地では初めて出会うクルマも多い。リポーターの大川悠がジュネーブショーで気になったクルマとは……。

■ジュネーブで、勝手に決めたショーのスター

同じショーでも、人によってまったく違った動き方をするし、違った見方をする。当たり前で、人は基本的に自分が見たいものしか見ない。視野に入ったものを脳で認識するときに、勝手にそれを差別するもので、イギリスの作家、オルダス・ハックスレイはこれを「減少フィルター」と表現している。だから無意識に、見たいものだけを探そうと、行動してしまう。

というややこしい話は単なるマクラ。実は『webCG』編集部から、個人的に気に入ったクルマを選んでほしいという注文があって、それを頭のどこかにいれたまま会場を歩いていたのだろう。後で自分が撮った写真を見たら、同じクルマをずいぶん重複して撮影していた。
つまりそれは、気に入ったクルマを無意識で探していたというわけだ。

たとえばショーで注目されたのは「メルセデスCクラス」であり、「ルノー・トゥインゴ」や「マツダ・デミオ」「フィアット・ブラーボ」などだったろう。むろんきちんとそれらは見た。でもこの種のクルマはすでにショー前に紹介されているから、一種の確認作業でしかない。
それにプロダクションモデルというのは、いつの時代も現実社会のさまざまな要求やしがらみに従っている。すくなくともデザインに関しても、皆、同じようにサイドにまで回り込んだ切れ長のヘッドライトを使っていたが、これは歩行者保護のために他ならない。これに示されるように、どうしても時代にしばられる。

そんななかで、特にジュネーブで面白いのは、スペシャリストやコーチビルダーの作品が多いことで、しかも会場の片隅に追いやられるということなく、堂々と大メーカーの間でブースを構えている。そしてそのなかには、むろん子供の絵をそのまま原寸大にしてしまったようなものや、東京オートサロンのクルマに比べると、はるかにデザインの完成度が低いものも多い。でもいくつかは、自由奔放な発想や、古き良き時代の巧みな引用などによって、生産車では絶対に出せない独自のクルマの世界を見せていた。

私の目にある「減少フィルター」を通して見たクルマのいくつかを、ここで勝手に紹介する。


大メーカーだけじゃない、スペシャリストがジュネーブのおもしろさ【ジュネーブショー07】

■「アウディA5」

生産車の中でデザイン的完成度が高かったのがこの新型「アウディA5」。和田智デザイナーが情熱的に説明してくれたように、アウディに新しい機能主義、合理主義を蘇らせるとともに、オリジナルの「クワトロ・スポーツ」が持っていた造形感覚を現代流に翻訳しようとしたという。

カースコープで紹介した黒いクルマよりも、こちらのグレーメタリックの方がサイドのキャラクターラインなどがわかりやすいと思う。ここ数年、ややエモーションを出し過ぎただけでなく、A4からA8まで同じようなテーマを貫いたために、金太郎飴的になってしまったアウディ・デザイン路線を変えようとしている。


大メーカーだけじゃない、スペシャリストがジュネーブのおもしろさ【ジュネーブショー07】

■「マセラティ・グラントゥリズモ」

個人的にやはり評価したいのがマセラティのクーペ、「グラントゥリズモ」。今さら何の説明も要らないだろうが、徹底的にプロポーションとサーフェイス・デザインを煮詰めて古典的なルックを現代的に活かそうとしている。


大メーカーだけじゃない、スペシャリストがジュネーブのおもしろさ【ジュネーブショー07】の画像

大メーカーだけじゃない、スペシャリストがジュネーブのおもしろさ【ジュネーブショー07】の画像

■「ロッソ・バルティック・インプレッション」

でもジュネーブで一番のお気に入りはこれ。ロシアから出てきたロッソ・バルティックの「インプレッション」。同社は実は帝政ロシア時代の1907年に生まれたという由緒深いメーカーで、それがかつての栄光を蘇らせるべく作ったモデルがインプレッション。すでにヨーロッパ各地のクラシックカーミーティングで発表されているが、実物を目の前にすると、その大胆なイメージに感動する。

明らかにソーチックの「タルボラーゴ」など、1930年代のフランス製高級車、いわゆるフラムボワイアンスタイルを現代に翻訳したもの。メルセデスSクラスの5.5リッター、ツインターボつきV12を持つ。


大メーカーだけじゃない、スペシャリストがジュネーブのおもしろさ【ジュネーブショー07】

■「モーガン・エアロマックス」

これもとても好ましく思った。こちらもまた先祖帰りだが、同じ1930年代デザインでも、イギリスでベントレーやジャガーなどで試みられたエアロデザインを現代にそのまま活かしている。ただし最近のモーガン、どうもフロントの表情が気に入らないので、あえてこの角度から紹介する。

(文と写真=大川悠)

あなたにおすすめの記事
新着記事
  • トヨタ・アクア/アクア クロスオーバー

    トヨタ・アクア/アクア クロスオーバー

    2017.6.23画像・写真
    モデルライフ半ばのマイナーチェンジで、内外装のデザインやパワーユニット、足まわりなどに手が加えられた「トヨタ・アクア」。全5グレードの中から、「アクア クロスオーバー」と「アクアG」の姿を写真で紹介する。
  • CAR LIFE with Dyson

    CAR LIFE with Dyson

    2017.6.23CAR LIFE with Dyson <PR>
    モータージャーナリストの藤島知子さんとwebCG編集部員が愛車を徹底的に掃除する!ダイソンが2017年5月に発売したコードレス・ハンディークリーナー、Dyson V6 Car + Boat Extraの実力やいかに?
  • Dyson V6 Car + Boat Extra vol.4

    Dyson V6 Car + Boat Extra vol.4

    2017.6.23CAR LIFE with Dyson <PR>
    webCG編集部内において、いつの間にやらすっかり少数派となった独身男子。数少ない“生き残り”のひとりである編集ほったが、「Dyson V6 Car + Boat Extra」とともにマイカーである「ダッジ・バイパー」の清掃に臨む。
  • Dyson V6 Car + Boat Extra vol.3

    Dyson V6 Car + Boat Extra vol.3

    2017.6.23CAR LIFE with Dyson <PR>
    「Dyson V6 Car + Boat Extra」の吸引力を確かめるべく、家族5人、2泊3日のキャンプを行った後に掃除を行った。想像以上のコードレス掃除機体験やいかに。webCG編集部きってのキャンプ名人、折戸がリポートする。
  • Dyson V6 Car + Boat Extra vol.2

    Dyson V6 Car + Boat Extra vol.2

    2017.6.23CAR LIFE with Dyson <PR>
    楽しい家族ドライブ。しかしその後には、菓子の食べこぼしに、土、砂、ホコリと、車内の掃除が待っている。「Dyson V6 Car + Boat Extra」があれば車内清掃も楽しくなる? webCG編集部のSAGがリポートする。
  • Dyson V6 Car + Boat Extra vol.1

    Dyson V6 Car + Boat Extra vol.1

    2017.6.23CAR LIFE with Dyson <PR>
    モータージャーナリストの藤島知子さんは、取材で東奔西走する毎日を過ごしている。愛車の「アウディS1」は休む間もなく走り回り、本格的に掃除をする時間がなかなかとれないのが悩みだそうだ。わかりました、それでは今日は「Dyson V6 Car + Boat Extra」で、徹底的にS1をきれいにしてあげてください!