ルノー・テクノセンターで自殺が相次ぐ

2007.02.26 自動車ニュース

ルノー・テクノセンターで自殺が相次ぐ

パリ近郊、ギアンクール(イヴリーヌ県)にあるルノーの技術研究所「テクノセンター」で、この4ヶ月間に3人が相次いで自殺。事態を重く見た検察当局が捜査に乗り出したことを、2007年2月20日、複数のフランスメディアが報じた。

■500名のデモも起こる大騒動

人工的に作られた池には鯉も泳ぐ広大な土地、ガラス張りの近代的な建物を誇るルノー・テクノセンター。ほとんどのルノー車のデザインや開発が行われ、1万2000人以上もの従業員が働く、ルノーの心臓部になっている。

2月16日、そのテクノセンターに勤める38歳の従業員が「仕事上の困難」という遺書を残して自宅で首吊り自殺した。
その妻が「書類を自宅まで持ち帰り、夜遅くまで仕事をしていた」と日刊紙に話しているなど、ヴェルサイユ検察はこの従業員の労働状況について会社側に問題があったかどうかの捜査を開始したという。

その3週間前の1月22日にも、同センター近くの池で、新車のテクニカル資料を担当していた44歳の技術者の遺体が発見され、地元警察によって自殺と判断された。
また、昨年10月には、39歳のエンジニアが建物の5階(日本では6階)から飛び降り自殺したところを、数名が目撃している。

この同僚二人への哀悼の意を表して、約500名の従業員が1月30日に同敷地内を沈黙しながら歩くというデモが行われている。

■高い目標がプレッシャーに?

当初、労働環境と自殺の関連性について否定的だったルノーも、僅か4ヶ月間のうちに3件もの悲劇が起きてしまったことに「我々に多くの疑問が突きつけられ、また、各個人の責任について見直しを迫られている」とコメントを表明した。

一方、同社の労働組合は「経営側の主張と社員の実情との間に差異がある」と反発。さらに同社の最高経営責任者(CEO)のカルロス・ゴーン氏が、2009年までの僅か4年間で26車種の新型車を発売するなどの中期経営計画「ルノー・コントラ2009」を昨年2月に発表してから、開発期間の短縮など環境が厳しくなったと指摘している。

同プロジェクトは新車の台数のみならず、09年の世界販売を05年実績より80万台多い333万台とし、営業利益率も6%に引き上げるという高い目標を掲げている。

それから1年後、今年2月8日には2006年の販売台数が前年比4%減、純利益は14.8%減になったことをルノーは発表したばかり。AFP通信によると、ゴーンCEOはリストラも進めるという。様々なプレッシャーが従業員を追い詰めているのだろうか。

(文=野口友莉/YUYU)

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