激震のクライスラー、GMと共同でフルサイズSUV開発か!?

2007.02.16 自動車ニュース
クライスラーグループの統括責任者であるトム・ラソーダ(右)と、ダイムラークライスラーのディーター・ツェッチェ社長(中)。
激震のクライスラー、GMと共同でフルサイズSUV開発か!?

激震のクライスラー、GMと共同でフルサイズSUV開発か!?

経営戦略上、大きな分岐点に差し掛かった米国クライスラーブランド。この数日、クライスラー関連で様々な報道が飛び交うなか、ついにSUVにおいてクライスラーがGMと手を組む可能性が出てきている。

GMのテキサス州アーリントン工場で、クライスラー車が生産される日も……。
激震のクライスラー、GMと共同でフルサイズSUV開発か!?

■フルサイズSUVはすべてGMと兄弟車に?

ダイムラークライスラー社(以下DC)は2007年2月14日、ミシガン州アーバーンヒルズにあるクライスラー部門本社で緊急会見を実施。かねてからの噂通り、大幅なリストラ策を公開した。また、DCからクライスラー部門の分社独立の可能性が大きいとの観測が広まっている。

米国の大手経済新聞『ウォールストリートジャーナル』紙は15日、DCとGMが新型フルサイズSUVの開発で提携する可能性がある、と報じた。具体的なモデル名としてはGMの「シボレー・サバーバン」が挙がっている。
DCにとって現在、フルサイズSUVは「クライスラー・アスペン」があるが、アスペンよりさらに大型で高級感のある最上級モデルを求めているようだ。フルサイズSUV市場から、クライスラーは自社開発モデルを完全撤退させて、すべてをGMとの兄弟車に依存することも十分考えられる。

■クライスラー部門分社化の可能性

現在アメリカではガソリン価格が高止まっており、庶民の間ではクルマのダウンサイジングの傾向がますます強まっている。それに伴い、SUV市場にも大きな変化が現われている。1990年代〜2000年初頭にかけて米ビッグ3の稼ぎ頭となったSUVにもダウンサイジングの流れが押し寄せており、市場の注目はコンパクトSUV、ミッドサイズSUVへと急速に移行しているのだ。

つまり、フルサイズSUV市場は事実上、崩壊の方向なのだが、高級フルサイズSUV市場は動きが違う。主要な顧客は裕福層であり、少々のガソリン高さなど気にすることはない。サバーバン、キャデラックエスカレード、リンカーンナビゲーターの販売実績は安定成長を続けている。こうした利幅の大きなビジネスを、DCも狙っているのだ。

今回、DC社が高級フルサイズSUV開発においてGMと手を組もうと模索している背景に、DCがクライスラー部門の分社独立を模索している事実が見え隠れする。クライスラー部門にとって、本来、高級フルサイズSUVについてはメルセデスGL(米国アラバマ工場生産/ML、Rクラス共通プラットフォーム)の兄弟車開発を進めるのが正攻法である。だが、いまあえてGMとの提携を考慮しているとなれば、DC本体からの分社独立化の可能性の高さを裏付けることになる。

現在GMは、テキサス州アーリントン工場でプラットフォームを共有する「シボレー・サバーバン」「キャデラック・エスカレード」「GMCユーコン」のアッセンブリングを行っている。クライスラー関連の工場が次々と規模縮小/閉鎖されている昨今、もしかするとアーリントン工場でGM車と同じラインで、クライスラーブランドの高級フルサイズSUVが流れる日がくるかもしれない。

(文=桃田健史(IPN))

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