サブウーファーとアンプがダイエット!(07 CESリポート第3回)

2007.02.08 自動車ニュース
パイオニアが昨年発表したシャローマウント・サブウーファー。埋め込み奥行き約8cm。
サブウーファーとアンプがダイエット!(07 CESリポート第3回)

【カーナビ/オーディオ】サブウーファーとアンプがダイエット!(07 CESリポート第3回)

世界一の家電ショー「CES」の07リポート第3弾は、クルマ愛好家には嫌われ者のサブウーファーとアンプ。どちらもスリム&省エネが今年のトレンドになりそうで、敬遠してきた人には朗報ですぞ!

JLオーディオのTW5サブウーファーはわずか6cmの埋め込み奥行きを実現した。
JLオーディオのTW5サブウーファーはわずか6cmの埋め込み奥行きを実現した。
キッカーのデモカーはフロントドアにCOMP VTサブウーファーを搭載。
キッカーのデモカーはフロントドアにCOMP VTサブウーファーを搭載。
ロックフォードのP3Sサブウーファーは他モデルの約半分の奥行き。
ロックフォードのP3Sサブウーファーは他モデルの約半分の奥行き。

■スリムなサブウーファーが勢揃い

前回がスピーカーで終わっていたので、その流れでサブウーファーにいきましょう。多くのメーカーが一斉に薄いウーファーを開発していたので、ちょっとびっくりしました。

──各メーカー、示し合わせたんですかね?

それはない(きっぱり)。でも、スペースが限られている車内に搭載するものとして、コンパクトなのは絶対的に優位。実は昨年、パイオニアが口径30cmで埋め込み寸法約8cmの薄型ウーファーを出しているんですが、それに各社が刺激されたんでしょう。
ウーファーが薄いとボックスの奥行きも短くてすむから、従来のサブウーファーじゃ、とうてい設置不可能だった2シーターカーのシート背面やシート下などに設置できる可能性が出てきますからね。
それにラゲッジルームのサイドに、従来の荷室容量を確保したまま埋め込める可能性だってある。純正オーディオへのOEM供給としてもアピールできますよね。

──素朴な疑問なんですが、サブウーファーって必要なんですか?

ないよりはあったほうが絶対にいい。ただし位相をしっかりと合わせるのが条件ですが。ドアに設置できるスピーカーって、せいぜい16cmクラスでしょ。だから低音再生能力には限界があります。それに走行中のロードノイズは、おもに低音をかき消してしまいますから。
サブウーファーがあれば、そんな低音を補うことができます。それに5.1chサラウンド再生を楽しむにはサブウーファーが必須。地デジにもサラウンド放送がありますから、サブウーファーの必要性はこれからますます高くなるでしょうね。

ソニーのスリムシリーズ・サブウーファー。口径10インチで奥行きは7.5cmほど。
ソニーのスリムシリーズ・サブウーファー。口径10インチで奥行きは7.5cmほど。
JLオーディオのB5サイズ・デジタルアンプ。4chとモノラルアンプの2タイプ。
JLオーディオのB5サイズ・デジタルアンプ。4chとモノラルアンプの2タイプ。
ロックフォード・フォズゲートの新パワー・シリーズは前モデルより最大40%もコンパクト化。
ロックフォード・フォズゲートの新パワー・シリーズは前モデルより最大40%もコンパクト化。

■奥行きわずか6cmのサブウーファーも!!

──しかし、このJLオーディオのTW5というウーファー、薄いですね。

これが薄型サブウーファーのなかでも、もっとも薄かったモデルです。サイズは12インチと13.5インチの2種類あって、埋め込み寸法は両方ともわずか6cmちょっと。これを収めるボックスも12インチで約18リッター、13.5インチで21リッター強でいいというんだから、ボックスも小さくて済みます。

──クルマでは小さいことはありがたいですからね。

そういうこと。たとえばJLオーディオなどは、もともとサブウーファーを得意とするメーカーで、アメリカではステルスボックスといって、目につかない場所に設置できるボックスサブウーファーを車種別に用意していたりするんですね。
残念ながらアメ車用が多いので、ステルスボックスは日本には輸入されていませんが。TW5の日本への導入は、今年の暮れ、もしくは08年の初頭になりそうです。

──キッカーのデモカーのドアに付いてるスピーカー、これってサブウーファーですか?

そう、COMP VTというシリーズ。VTのTはトラックを表していて、トラックのシートの後ろに設置できるよう設計したサブウーファーなんですが、薄いと、こんな取付けも可能という例ですね。ま、この場合、ドアを全面的に加工していますから、一般的とはいえませんが。
でも、最近のSUVの純正ドアスピーカーなんか、大口径のものが増えていますから、軽い加工で取り付けられるケースもあるでしょうね。こちらはまもなく日本に導入される予定です。

──これら以外にも、あったんですか?

三菱のアウトランダーやパジェロに純正採用されているロックフォード・フォズケートのP3シリーズというサブウーファーやソニーのスリムシリーズ・サブウーファー、ケンウッドのKFC-XW1200F&KFC-XW1000Fといったあたりです。
もちろんパイオニアのシャローマウント・ウーファーも。パイオニアには8インチの小口径もあるのが魅力です。残念ながら、ロックフォード・フォズゲート以外は、日本への導入はないようですが。でも、この機会にサブウーファーの導入を考える人が増えることを望みたいです。

下が5chアンプのオーディソンLRx5.1の中身。表面のデザインは上のLRx3.1と同一。
下が5chアンプのオーディソンLRx5.1の中身。表面のデザインは上のLRx3.1と同一。
カーPCも多数展示されていた。これはBRAVOというメーカーのWindowsXP採用機。
カーPCも多数展示されていた。これはBRAVOというメーカーのWindowsXP採用機。
アルパインが参考出品した車載用HD DVDプレーヤー。いよいよ車内でもハイビジョンを楽しむ時代に!?
アルパインが参考出品した車載用HD DVDプレーヤー。いよいよ車内でもハイビジョンを楽しむ時代に!?

■パワーアンプもダイエット

──次はパワーアンプですか。

パワーアンプはコンパクト化、省エネ化がひとつの流れです。昨年、アルパインがPDXシリーズというコンパクトなデジタルアンプを出してヒットしたんですが、その後追いですね。
JLオーディオが参考出品していたデジタルアンプなんか、表面積はアルパインPDXシリーズとまったく同じB5サイズ。アルパインのアンプを外して簡単に入れ替えられるし、アルパインと重ねて使ってもOKとのこと。音質には相当自信があるみたいです。あと、パイオニアは新しいPRSシリーズアンプもクラスFD(フルレンジD級の意味)増幅のコンパクトなアンプでした。

──D級アンプって大丈夫なんですか? なんかサブウーファー用というイメージがありますけど。

2、3年前までは確かにそうでしたね。少ない消費電力で大パワーを発生できるけど、歪みが多いからサブウーファー帯域でしか使えない、みたいな。でも最近は技術が進んで、フルレンジのハイファイ再生が可能なD級アンプも出ています。代表的なのがB&O ICE Powerのドライバーあたりですね。

──実は僕のアンプ、大きくて場所をとるので困ってるんです。

このところカー用アンプは高級機ほど大きくなる一方だったんですが、カーオーディオが好きでも主役はクルマと考える人にとっては、大きさと重さはクルマにとって害でしかない。重さはクルマの運動性能の低下を招くし、大きさは荷室容量の減少につながりますから。
音質を追求するあまり、そのあたりに目を瞑っていた設計側が、D級アンプの進歩によって、サイズと音質のバランスをとれるようになったというか、カーオーディオの原点に戻ったというか、そんな感じですかね。

■D級アンプは普及するか?

──じゃあ、今後カー用アンプのほとんどはD級アンプになっていくんですかね。

それはないでしょう。やはり多少大きくて電気は喰ってもA級のピュアな音にはかなわないだろうし、AB級アンプも魅力的ですから。だからロックフォード・フォズゲートの新しいパワー・シリーズなんかは、D級ではないんですが最大で40%のコンパクト化を実現しました。ソニーのブースにあったスリム・シリーズというパワーアンプも、ほんとに小さい。

──僕のクルマはイタ車なんでイタリアものが気になるんですが何かイイモノありませんでしたか?

ありましたよ、ありましたよ、オーディソンから面白いアンプが出ていましたよ。LRxシリーズに追加されるLRx5.1という5chアンプなんですが、フロント2ウェイ+サブウーファーをマルチアンプ駆動することに特化したアンプで、トゥイーター用の2ch分がA級、ミッドバス用の2chがAB級、サブウーファー用の1chがD級という設計です。
オーディソンの創設者でもあるエミディオ・バンニョーニ氏が設計したんですが、この人、D級アンプは音に抑揚がないから嫌いといいつつも、サブウーファー用にわざわざD級アンプのドライバーを開発してLRx5.1に積んでいました。

■カーPCが続々と

──なるほど、早く日本で売るようになればいいな。それ以外には、なにか目新しいものはありました?

カーPCが続々と出てきていたのと、車載用HD DVDプレーヤーが参考出品されていたことでしょうか。カーPCはWindows Automotive採用機のほかにWindowsXP採用のものもありましたね。カーナビが中心ですが、そのうち音楽や動画のサーバーとしてカーPCがヘッドユニット代わりになる時代がくるかもしれません。

──HD DVDはどうなんでしょう。

ソニーのデモカーにはプレイステーション3を積んでいましたが、ブルーレイとHD DVDのどちらが優勢なのか、それ以前に、はたして7型クラスのモニターにハイビジョンは必要かといったことも含めて、市販化はまだ先なんじゃないでしょうか。

(文と写真=石田 功)

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