【ダカール2007】三菱が7連覇・通算12勝を達成!

2007.01.24 自動車ニュース

【ダカール2007】三菱が7連覇・通算12勝を達成!

第29回ダカール・ラリーは、2007年1月21日、西アフリカはセネガルの首都ダカールでゴールを迎えた。全16日間、約8000kmにもわたる戦いを制したのは、「チーム・レプソル三菱ラリーアート」のステファン・ペテランセル。三菱は前人未到の7連覇・通算12勝を達成した。

■第12ステージ、VWがSSを制しながらも大きな順位変更なし
ユアン=カイエ 総走行距離484km(競技区間=SS 117km)

第9ステージのメカニカルトラブルで優勝戦線から離脱したフォルクスワーゲン勢のカルロス・サインツが、2時間58分56秒で今大会3度目のSSトップタイムを叩き出した。
「非常に狭いルートで低い木々の間を走行するのは大変だった。進路を覆っていた木を押し分けたりして、ボディがへこんでいるところがある。でもベストタイムが出せて嬉しい」と困難なサバンナ地帯でもプッシュを続けるサインツだった。

SS2位は初日トップのカルロス・スーザ(VW)。3位には三菱パジェロエボリューションのリュック・アルファンが入った。総合では大会3勝目を目指すステファン・ペテランセル、2番手にアルファンと三菱は頂点を堅守した。

増岡浩は三菱の勝利のためにトップ2人のサポートをこなしながら走行。「チームのために今日のような役割を果たせることに迷いはありません」と増岡はきっぱり。結果、順位を1つ落として総合6番手に。

■第13ステージ、モト部門で大波乱
カイエ=タンバクンダ 総走行距離458km(競技区間=SS 260km)

ダカール・ラリー最終通過国となるセネガルに入り、前日に続いて総合9番手のサインツがSS2連覇。26秒差で総合首位のペテランセルが2位で続き、大会3勝目を確実にしてきた。

総合では三菱1-2、3番手には2番手のアルファンに1時間38分遅れでジャン=ルイ・シュレッサー(バギー)、4番手にはナッサー・アルアティヤン(BMW)、5番手にマーク・ミラー(VW)、そして、増岡が6番手と、消化戦に入ってきたオートに対して、モト部門で波乱が起きた。

2位以下に1時間近くもの大差をつけ、第4ステージ以降常にモトのトップを快走していたマルク・コマ(KTM)が、SS35km地点でミスコース。そしてSS57km地点で転倒、脳震盪を起し、ヘリコプターで病院へ。まさかのリタイアとなった。

■第14ステージ、VW勢が意地の激走
タンバクンバ=ダカール 総走行距離576km(競技区間=SS 225km)

最終日は16kmのショートステージのため、実質的な最終ステージとなった第14ステージは、総合9番手のサインツが2時間21分02秒で3日連続、今大会5度目となるSSトップタイムをマーク。SS2位には総合11番手のジニール・ドゥビリエ。SS3位には総合7番手のカルロス・スーザと、前半戦にトップ3を独占していたVWが最後の意地を見せた。

いっぽう優勝目前のペテランセルはあくまで慎重。「今朝は本当に神経質になっていた。コースは相変わらずトリッキーで、ちょっとしたミスで簡単にタイムロスしてしまう状況。だから相当気をつけて走った。それでもステージ後半で進むべき道を見失って2〜3分をロスしたので、さらに神経質になった」

昨年、トップで迎えたSS12でミスコースから焦り木に激突。優勝を逃した苦い経験が脳裏を過ぎっているようだった。

■第15ステージ、三菱が7連覇、通算12勝を達成!
ダカール=ダカール 総走行距離576km(競技区間=SS 225km)

2007年ダカール・ラリーは1月21日、セネガルの首都ダカール郊外のラックローズ(紅湖)周辺で最終の第15ステージを行い、ペテランセルが合計45時間53分37秒でフィニッシュ。四輪部門では2年ぶり3度目、二輪を含めると通算9度目の総合優勝を果たした。三菱はチームとして7年連続、12度目の総合優勝となり大会記録を更新した。

総合2位は僅か7分26秒差で前回優勝したアルファン。総合3位には、99、00年に優勝したジャン=ルイ・シュレッサー(バギー)だった。

パンクやトラブルで後半からサポート役にまわった増岡は、総合5位でフィニッシュ。3年ぶりの完走となった。「やっぱりゴールまでたどり着くのはいい気持ちですね。前半戦でトラブルが重なって優勝争いに残れなかったのは残念ですが、これもまたラリー。次回のダカールでは僕にとって3度目の勝利をつかみ取りたい」と早くも気持ちは来年へ向いていた。

“打倒三菱”を目指して臨んだVWはたった1日のトラブルで戦線離脱。終盤もサインツがSS3連覇を果たすなど、VW勢は全14ステージ(SS11はキャンセル)のうち10のSSでトップタイムを叩き出して、底力を見せつけた。
最高はマーク・ミラーが4位、以降4台のVWがトップ10入り。三菱はSS未勝利なだけに、次回大会の勝負の行方が気になるところだ。

16日間(休息日含む)約8000kmの厳しい冒険を乗り越えて、ダカールに到着したのは、モト32台、オート109台、カミオン59台の計200台。今大会は最難関のマラソンステージが変更・キャンセルになり、完走率が58.8%と例年より高かった。

■日本人エントラントの戦績

・三橋淳、クラス優勝、ナビも特別賞を獲得
市販車クラスでは、TLC(チームランドクルーザー・トヨタ・オートボデー)のエースで昨年クラス優勝しているジャン=ジャック・ラテがエンジントラブルでリタイアしたが、僚友の三橋淳がクラストップを守り切り、チームに3年連続のクラス優勝をもたらした。
またトヨタ車体の新人社員、三浦昂ナビは、もっとも若くして好成績を挙げたナビゲーターに贈られる「アンリ・マーニュ賞」を受賞した。

・篠塚建次郎、総合59位で5年ぶりの完走!
初日からトラブル続きに泣かされ、後半に入ってからステアリングのキックバックで右手薬指の爪付近を傷めた上に化膿、ステアリング操作も困難になるなど多々の障害にぶつかった篠塚。
それでも諦めず、5年ぶりにダカールにゴールした。「ゴールできて感激だ。それに、今年からタイヤ開発という新しい目的があって参戦しているから、完走できたことは良かった」と感無量のシノケンだった。

・片山右京、完走は奇跡!?
100%バイオディーゼル燃料という世界初の試みでダカールに挑んだ片山右京(トヨタ)。後半戦に入って幾多のマシントラブルに遭遇しながらも、懸命な補修作業と走行でどうにかゴールし総合68番手でフィニッシュした。
「完走できたのは奇跡! 途中何度もクルマが壊れたけど、その度に僕たちのプロジェクトを支えてくれている人たちの顔を思い浮かべ、それがエネルギーになりました」と、元F1ドライバーの右京は興奮気味にまくし立てた。

・菅原義正&菅原照仁、連続完走記録を更新
25年連続参戦で主催者から表彰されたベテラン菅原義正(日野レンジャー)は、第13ステージで16年ぶりに左前輪をパンクさせてしまうハプニングが起きた以外、大きなトラブルもなくカミオン部門で総合13位ゴール。17回連続完走記録を更新した。
二男照仁の2号車が父を超える総合9位で完走、描いていた“世代交代”を果たしホッとした様子。さらに、排気量10リッター以下で1-2も奪取した。

・桐島ローランド、初出場で見事完走!
第12ステージでバイクを前転させてしまった写真家桐島ローランド(ヤマハ)。その影響でGPSと距離計を破損し、四輪の後をついて走行、問題を切り抜けるなど終盤も苦戦。それでも不屈の精神で乗り越えて、ダカール初挑戦で見事完走を果たした。

(文=YUYU COMMUNICATION)

三菱のステファン・ペテランセルが、四輪部門では2年ぶり3度目、二輪を含めると通算9度目の総合優勝を果たした。
三菱のステファン・ペテランセルが、四輪部門では2年ぶり3度目、二輪を含めると通算9度目の総合優勝を果たした。
三菱は7連覇・通算12勝の大記録を1-2フィニッシュで飾った。
三菱は7連覇・通算12勝の大記録を1-2フィニッシュで飾った。
ダカールにゴールした三菱のクルーたち。勝利したとはいえ、強敵フォルクスワーゲンの速さ、強さは年々向上してきている。
ダカールにゴールした三菱のクルーたち。勝利したとはいえ、強敵フォルクスワーゲンの速さ、強さは年々向上してきている。
前半戦を席巻し、後半もSSを連取するなど、今年のフォルクスワーゲンには勢いがあった。着実にステップアップしてきている三菱のライバル、次回の戦いに期待も高まる。
前半戦を席巻し、後半もSSを連取するなど、今年のフォルクスワーゲンには勢いがあった。着実にステップアップしてきている三菱のライバル、次回の戦いに期待も高まる。
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