【ダカール2007】後半戦、難所のモーリタニア突入

2007.01.19 自動車ニュース

【ダカール2007】後半戦、難所のモーリタニア突入

後半戦がスタートした第29回ダカール・ラリー。2007年1月14〜17日までは大砂丘群とマラソンステージが含まれる今大会最大のキーポイントとなった。

■第8ステージ、遂に日本人ドライバー初の脱落者
アタール=ティシット 総走行距離626km(競技区間=SS 589km)

今大会最長のロングステージを最速で駆け抜けたのは、ノーパンク、ノースタックで総合首位の座を守るフォルクスワーゲン(VW)レース・トゥアレグ2のジニール・ドゥビリエ。僚友のカルロス・サインツはパワステが壊れて1時間の立ち往生。総合で4番手に落ちた。

かわって、三菱パジェロエボリューションのステファン・ペテランセルと僚友リュック・アルファンが総合2、3番手に浮上したが、トップとは31分以上の差がある。

後半戦に巻き返しを誓った三菱の増岡浩だが、5本のパンクに2度目のクラッチトラブルに襲われる厳しい1日に。総合でも8番手に後退し、トップとの差も2時間40分と優勝は絶望的に。
「これもまたラリーです。そして、まだまだ戦いは続きます。我々の最大の目標は、三菱自動車の7年連続・12回目の優勝を成し遂げること。それの実現に貢献するためにゴールまで戦い抜きます」と力強くコメント。ペテランセルとアルファンのサポート役にまわることになった。

昨年、市販車クラス2位で終えて、今年プライベーターとしてトップカテゴリーに参戦した池町佳生(三菱パジェロ)は、キャメログラスでストップ。エグゾーストパイプが破損しターボが機能不能に陥り、修理できないと判断、リタイアとなった。
「恐らく誰もこのパイプが壊れていたことを予測できなかったと思います。本当に残念な結果になってしまいました」と肩を落とした。

■第9ステージ、VW勢に悪夢の大波乱
ティシット=ネマ 総走行距離497km(競技区間=SS 494km)

今大会の最大のハードステージと言われていたモーリタニア最終日。初優勝に向けて好調な波に乗り続けていたVW勢に悪魔が牙を剥いた。

安全走行で2日間総合首位にいたドゥビリエだが、SS 129km地点でエンジンから出火。「ここまでトラブルがなく順調だったんだけどね。これがレースだ。VWにとっても残念だよ」と、アシスタンスカミオンを待ちながら落胆の表情。それでも、7時間遅れてビバークに到着しリタイアは免れた。

僚友サインツも電気系のトラブルでストップ。その結果、SS3位のペテランセルが総合トップに、SS2位のアルファンが2番手に。三菱勢はSS未勝利ながら、今大会初めて総合上位に上り詰め、三菱7連勝のシナリオが現実味を帯びてきた。

SSトップは5時間32分03秒で駆け抜けたジャン=ルイ・シュレッサー。SS2度目の勝利を飾り、総合でも4手番に。
増岡はSSトップから8分38秒遅れの4位でまとめ、総合でも5番手まで上昇した。

モト部門でダカール初挑戦していた亀田真靖(ヤマハ)が、前日、転倒し右手を骨折。本人は続行を希望したが、ドクターストップでリタイアした。

■第10ステージ、増岡がSS2位に
ネマ=ネマ 総走行距離400km(競技区間=SS 366km)

大会直前にテロの脅威があるとコースが変更され、ループ・ステージとなった第10ステージ。2006年PWRC(プロダクションカー世界ラリー選手権)チャンピオンのナッサー・アルアティヤン(BMW X3)が3時間49分48秒で今大会初のSSトップタイムをマークした。

首位と2時間以上離れてサポート役にまわった増岡だが、PC(チェックポイント)1、2とトップタイムで通過し、今大会最高位となるSS2位でフィニッシュ。
「轍がひどくツイスティな砂地でしたが、ドライビングを思いきり楽しむことができました」と快走に上機嫌の様子だった。

SS4位のペテランセルが総合首位、SS6位のアルファンが総合2位と三菱の1-2を守った。

第8ステージで5本のタイヤがパンクし、クラス首位を明け渡していた三橋淳(チームランドクルーザー・トヨタ・オートボデー=TLC)だが、ライバルがストップしたことで、再び首位に返り咲き、総合23番手につけている。

■第11ステージ、治安上の問題でSSはキャンセルながらTLC 1号車がまさかのリタイア
ネマ=アユン 総走行距離280km(競技区間=SS 0km)

この第11ステージは当初、マリのトンブクトゥからネマへ向かう総走行距離590km(競技区間=SS 571km)が予定されていたが、前ステージ同様、治安状況悪化を考慮した変更により、SSがキャンセルせれ280kmのリエゾンのみとなった。

TLCの1号車に乗り、市販車クラスで3番手につけていた、ダカール参戦20回目の大ベテラン、ジャン=ジャック・ラテが、リエゾン20km地点で突然エンジンが停止。牽引されてビバークに到着したが、原因不明で修理も叶わずにリタイア。同チームの三橋と山田周生が駆る両マシンへの懸念も広がる。

ダカールは残り4ステージのみ。

■日本人エントラント

・篠塚建次郎、リエゾンペースの走行で健在!
「俺が続けることで、団塊世代の人にも励みなるはず」と、ダカール参戦を続ける篠塚建次郎(日産)。第8ステージではスタックして15m進むのに1時間を費やし、その後、エンジンのファンベルトの留め金が破損。第9ステージではエンジンから異音と、相変わらずのトラブル続き。
それでも、「何かあるといけないので完全にリエゾンペースで走っているよ」と慎重走行に徹している。リタイアするチームも増えて総合59番手に。

・片山右京 競技をしながらマシン性能向上中!?
パリ近郊のトヨタフランスのファクトリーで組み立てを行っていた右京号(トヨタ)は、作業が遅れに遅れ、スタート地リスボンへ移動中もトラブルに泣かされた右京。ところが、休息日に行った整備のおかげもあって、スタックしても難なく脱出。「車両の完成度はここに来て急激に熟成された感じ」と上々の様子だった。

マシントラブルで脱落者が増えていくなか、調子は上向きのよう。100%のバイオディーゼルも良好で、スローペースながら総合66番手にアップ。

・菅原義正&菅原照仁 17年連続完走に向けまっしぐら
菅原義正の1号車(日野レンジャー)。第9ステージまで安定した走りを見せていたが、第10ステージで転倒。幸いダメージが少なく総合10番手、二男照仁の2号車が9番手と、カミオン部門の排気量10リッター以下でのワンツー態勢を堅守した。

・桐島ローランド、ヒザを負傷しながらも孤軍奮闘!
モト部門でダカール初挑戦中の写真家桐島ローランド(ヤマハ)は、第8ステージの砂丘で転倒し左ヒザを負傷。ビバークには深夜到着し「今日でダメかもしれませんね」と弱音も。それでも連日SSほとんど最後尾のペースながらも第10ステージまで到達。「ゴール出来ないのではという気持ちを持って最後まで走るつもりです」と、ダカールを目指す。

第11ステージが終了した時点で、モト139台、オート110台 カミオン48台がラリーを続けている。

(文=YUYU COMMUNICATION)

【ダカール2007】後半戦、難所のモーリタニア突入の画像
出火して首位転落のドゥビリエ。フォルクスワーゲン勢は続々と脱落し、気がつけば三菱勢が上位に……。
出火して首位転落のドゥビリエ。フォルクスワーゲン勢は続々と脱落し、気がつけば三菱勢が上位に……。
優勝は絶望的となった増岡浩だが、三菱の大記録のため、サポートとしてラリーを続行。
優勝は絶望的となった増岡浩だが、三菱の大記録のため、サポートとしてラリーを続行。

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