【カーナビ/オーディオ】サンヨーから小型“メモリーナビ”「ミニゴリラ」登場

2006.12.11 自動車ニュース

【カーナビ/オーディオ】サンヨーから小型“メモリーナビ”「ミニゴリラ」登場

ヨーロッパではPND(ポータブル・ナビゲーション・デバイス)という、地図データの収録にメモリーカードを採用したポータブルナビゲーションが大ブレイク。アメリカでも徐々に売れてきている。

日本では認知度が低いものの、海外メーカーのモデルがネット通販を中心に販売されているが、ついに国内メーカー「サンヨー」からも、フラッシュメモリーを使ったメモリーナビが発表された。
カーナビ&オーディオライター石田功によるリポート。


固定用のアームもコンパクト設計。アーム中央の一箇所を占めれば、本体側と根本側の両方を固定できる設計。ナビ本体をアームから外すのもワンタッチでできる。

■4.5型タッチパネル、1GBメモリー、重さ290グラム!

──いよいよ国産PNDの登場ですか。

石田:PNDというとそこそこのナビ機能とメディアプレーヤー、ゲームなどの付加機能が一緒になったものというイメージ。そんなPNDが日本でいまいち盛り上がらないのは、すでにHDDタイプなどの高性能ナビが浸透しているからでしょう。
もうPNDのナビ機能じゃ物足りない。その点を考慮して「サンヨーNV-SD10DT」はナビ機能を充実させています。
ドライブに出かけたとしても「メモリーナビだからこんなもんだよな」とあきらめる部分はないし、なんの不満もない。だからPNDというよりも、同社ポータブルナビ「ゴリラ」のちっちゃい版と考えたほうがいい。「ミニゴリラ」というニックネームが、それを表しています。


地図画面上のメニューにタッチすれば、このメインメニューがあらわれる。目的地検索も初期設定も、エコドライブ情報の表示も、多くの操作はここから行う。

──機能の前にアウトラインを説明しておきましょうか。本体のサイズは幅141ミリ、高さ83ミリ、厚み25ミリで、重さは約290グラム。モニターは4.5型ワイドでタッチパネル式ですね。
地図データやプログラムの格納には1GBのフラッシュメモリーを採用していて、バージョンアップ用にSDカードスロットを備えています。NV-SD10DTにはワンセグチューナーを内蔵。ワンセグ非搭載のNV-M10もラインナップしています。

石田:GPSアンテナもTVアンテナも本体に内蔵されていて、スクエアですっきりしたデザインがいいですね。クルマや取り付け場所によってはGPSの受信状態が良くない場合も考えられますが、別売でGPSアンテナが用意されているので安心です。
電源はシガーライターとACアダプター、それに電池駆動の3方式。ACアダプターと単3×4本の専用電池ケースは別売です。電池駆動はアウトドアでワンセグ試聴するためのもので、歩行ナビはできないようです。あとVICSは非対応。追加接続もできない。


目的地検索のメニューは使用頻度の高い住所、名称、電話番号、周辺検索がまず1枚目にあらわれる。ほかにジャンル別検索、施設情報・サービス情報検索、マップコード検索ができる。

■必要十分なナビ機能

──検索データの量や地図機能はどうなんでしょう。

石田:1GBのフラッシュメモリーですから30〜40GBのHDDや8GB以上のDVDに比べると、当然、データ量は少ないわけですが、ジャンル検索約200万件、周辺検索約200万件、名称検索約200万件ですから、DVDナビと同レベル。電話番号検索は180万件、住所検索は約150万件と、DVDナビより少なくCDナビレベルですね。
地図&案内機能は詳細市街地図がなかったりしますが、交差点拡大図、ジャンクションガイド、レーン案内、ハイウェイモード、2画面表示など基本的な機能は網羅している。もちろん音声案内もあるし、ルート探索は4ルート同時探索ができる。カーナビとして必要にして十分な機能を持っています。あとエコドライブ情報も搭載している。

──エコドライブ情報は06春モデルのデカゴリラで初採用した機能ですね。

石田:そう。いまや環境問題は無視できない時代ですが、GPSの信号をもとに加速や減速、スピード、アイドリング時間などを監視してエコドライブ度を5段階評価し、地球に優しい運転を促す機能です。
急な加減速をするとチャイムが鳴ったりする。2画面表示の片側に地図、もう一方にエコドライブ情報を表示させることもできます。この状態で走っていると、なぜか高評価を得ようと思って、普段の運転スタイルとは変わってしまうから不思議です(笑)。


おまかせ、有料優先、一般優先、距離優先の4ルート同時探索が可能。立ち寄り地点を設定すれば区間ごとに条件を変えた設定もできるし、ルートシミュレーションも可能。

──測位性能や案内機能はどうですか?

石田:GPSのみで測位を行うナビとしては、悪い方じゃない。ルートを引いている状態では、勝手に位置がずれてリルートを繰り返すということもないし、高架下でもけっこう粘ります。郊外では十分な能力ですね。
さすがにトンネルや高層ビル街では、止まったり位置が少しずれたりしますが。このあたりは本体の装着位置にもよると思うので、測位状態が芳しくなかったら、別売アンテナを用意すればいい。
ただし、ジャイロユニットの追加ができないのは、都市部で頻繁に使うんだったら痛いですね。案内はシンプルだけど、十分にわかる。細かくいえば、レーン案内がちょっと小さいんじゃないかとか、いろいろありますがね。

■渋滞情報は出ないがワンセグは見られる

──信頼性はどうなんでしょう。メモリーナビという初の分野ですから、ちょっと心配。

石田:それは問題ないと思いますよ。というか、メモリーナビにはHDDやDVDなどのような回転メカがないですから、故障しそうな箇所は少ない。HDDやDVDナビよりも、かえって信頼性は高いんじゃないですか。DVDナビなんかは、タバコを吸う人のクルマに取り付けたものだと、ピックアップがやられてしまって2年で壊れたという話も聞きますし。


これがエコドライブ情報。撮影中、ずっとアイドリング状態だったから、アイドリングの評価が低い。グラフ表示も可能。急加減速するとチャイムで知らせる機能もある。

──国産初のメモリーナビ、買いですか?

石田:普段はカーTVとして使っていて、たまに遊びに行くときにナビを使うといった用途なら、ものすごく買いだと思う。アナログTVより断然クリアで乱れがないし、ワンセグだから12セグより受信エリアが広いですから。それに8型ワイドのデカゴリラはテロップの文字がぼやけたり、ワンセグの解像度の甘さが強調される感じもあったんですが、4.5型ワイドのミニゴリラではそれは感じません。
それにデカゴリラは、ボディが大きいから車種によっては前方視界を遮ってしまって装着しづらい面もあったんですが、ミニゴリラは窓が小さいスポーツタイプでも、視界を遮らずに取り付けできますしね。装着可能車種は大きく広がった。
しかも安い。定価は9万円を超えていますが、最安値はすでに6万円台だそうです。車速を接続する必要もないし、自分で取り付けられますから、安くカーナビを手に入れたい人にもぴったり。ただ、測位性能や渋滞情報を重視する人にはお勧めしません。

──今後、この手のナビは増えるんですかね。

石田:ミニゴリラはPNDというよりも、ポータブルナビの小型版としてのメモリーナビです。そんな位置づけのメモリーナビは増えてもおかしくないんじゃないですかね。ポータブルナビは一定の需要があるし市場は拡大基調ですし。それが安くなりゃ言うことない。
ただPNDというカテゴリーで考えると、日本では通信ナビが本命じゃないですかね。地図やルート、渋滞情報は通信で受けて、しかもインターネットも見られる。カードスロットを装備していて、音楽や動画も楽しめる。おまけに海外の地図データを収録したカードも用意していて、通信が使えない海外ではカード使用のメモリーナビとして使える。そんなPNDなら欲しいです。いや、マジで。

(文と写真=石田 功)

サンヨー「ミニゴリラ」:
http://www.sanyo-car.co.jp/gorilla/mini.html

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