【カーナビ/オーディオ】音マニアもそうでない人も「デジコア」に注目すべし!

2006.12.07 自動車ニュース

【カーナビ/オーディオ】音マニアもそうでない人も「デジコア」に注目すべし!

今回はソニックデザインの「デジコア(Digicore)808」という新製品の紹介。音質にとことんこだわるカーオーディオマニアなら大注目だし、オーディオをグレードアップしたいけど大がかりな加工をするのはイヤという、マニアじゃない人にも向いている。

■小さな箱に、8chアンプまで入っている!?

──この黒い箱が「デジコア」ですか?

そう。まさにブラックボックス。大きさは295×210×58mmだから、トップパネルはほぼA4サイズ。このなかに8ch分のパワーアンプとデジタルプロセッサー、CF(コンパクトフラッシュ)カードのメモリーオーディオプレーヤーが詰まっています。
だから極端な話、これまでのカーオーディオのようにデッキとアンプとスピーカーというシステムは必要ない。デジコアにスピーカーをつないで、パソコンなどに貯めておいた音楽をCFカードにコピーすれば、音楽が聴けちゃう。


Digicore808の内部はこんな感じ。左の4枚の基板がデジタルプロセッサー部。光/同軸各2系統のデジタル入力と1系統のアナログ入力、全6系統の映像入力を備える。映像入力の右横がCFカードのスロット。非圧縮のWAVとMP3の圧縮音源に対応する。

──でも、やっぱりCDは聴きたいんですけど……。

デジコアには光/同軸のデジタル入力が各2系統、RCA(赤白のピン端子)アナログ入力が1系統、それに計6系統の映像入力を備えていますから、DVDやCDなどは、ここにつなげばいい。ハイ/ロー変換のアダプターを付属していますから、これを使えば純正デッキの音をデジコアに入力することもできます。
つまり純正デッキを外さずに、純正のラジオやCDの音をそのまま聴くこともできる。このへんが、大がかりな加工をしなくてもオーディオをグレードアップできるという理由ですね。でも、音質を考えたらデジタル出力付きのデッキを用意するのがいいでしょう。

──なんでアンプが8chもあるんですか?

いまハイエンドカーオーディオは、1ch分のアンプでひとつのスピーカーユニットを鳴らすマルチアンプシステムというのが主流なんですね。というのも、マルチアンプだと、ネットワークのコイルやコンデンサ、抵抗といったパーツを通さずスピーカーのボイスコイルを直接駆動するから、スピーカーユニット本来の性能を発揮しやすい。
で、カー用のスピーカーには高域用のトゥイーター、中域用のミッドレンジ、低域用のウーファーと3つのユニットに分かれた3ウェイシステムがありますから、これをマルチアンプで鳴らすとなると、すでに6ch分のアンプが必要。さらにサブウーファー(2個の場合)を加えると8chが必要になるわけです。


展示会にはDigicore808を搭載した「メルセデス・ベンツCLS」が用意された。スピーカーはソニックデザインの最上級モデル「UNIT-N100N」(41万1600円)+「UNIT-N52N」(29万6100円)の新エンクロージャー採用モデルに換装。フロント2ウェイシステムで上質なサウンドを実現していた。

──なるほど。

それにカースピーカーはホーム用スピーカーのようにトゥイーターとウーファーが平面に並んでいるということってありえないですよね。トゥイーターがピラーやドアミラーの付け根にあって、ウーファーがドアにあったりする。すると運転席に座ったリスナーを基準に考えると、それぞれのスピーカーまでの距離がバラバラだから、各スピーカーの音がリスナーに届くまでの時間も微妙に違う。
それを補正するためにタイムアライメントや、クロスオーバーなどの機能で調整したりするわけですが、マルチアンプシステムのほうが調整しやすいわけですよ。だからデジコアには8ch分のアンプだけではなく、タイムアライメントやクロスオーバー、イコライザー機能を持つデジタルプロセッサーも搭載しているわけです。

■ケーブルいらずだからノイズの心配なし

──そのタイムアライメントやクロスオーバー、イコライザーの機能を詳しく教えてください。

タイムアライメントとは、リスニングポイントまでの距離がそれぞれ異なるスピーカーからの音が、同時に聞こえるように補正する機能です。リスニングポイントに近いスピーカーにディレイをかければ、各スピーカーの音が同時に聞こえるように調整でき、そうすることで理想的なステレオ感が得られるわけです。
デジコアのタイムアライメントは7.7mm刻みの細かい調整ができますから、微妙な音の到達時間のずれも調整できる。


Digicore808はリアトレイに組み込んでいた。このサイズならシートの下に装着できるクルマも多いだろう。クルマへのダメージを最小限に抑えたインストールができるのもDigicore808のメリット。

──クロスオーバーは?

クロスオーバーは、大雑把にいえば、各スピーカーユニットに何ヘルツから何ヘルツまでの周波数を再生するかを割り当てる機能です。何ヘルツを境に音を減衰させるかを決めるのがカットオフ周波数、急激に減衰させるか緩やかに減衰させるかを決めるのがカットオフスロープといいますが、デジコアはなんと−300dB/octという急激なカットオフスロープが選べる。
一般的なデジタルプロセッサーは、スロープが急なものでも−36dB/oct程度ですから、−300dB/octは驚異的。カットオフ周波数で設定した範囲以外の音は出さないという感じですね。だから厳密な調整ができるんです。

──次はイコライザーについて。

デジコアに搭載したF.S.E.Q.(フリークェンシー・セレクト・イコライザー)は全周波数帯域のなかから任意に各ch15ポイントを選んで0.1dB刻みでゲインを調整できるものです。しかも位相変化がないFIR型。F.S.E.Q.の低域側だけIIR型を採用していますが、機能的にはソニックデザインが数年前に発売した300万円のフラッグシップ・デジタルプロセッサー「SK-1」とほとんど変わらないものです。


これが新たにエンクロージャー(スピーカーを格納する入れ物)を設計し直したUNIT-N52N。参考出品で価格は未定。現行のUNIT-N52Nに比べて、エンクロージャー容量が大きくなっている。デモカーのCLSはこのスピーカーをドアミラー付け根の内側に組み込んでいた。

──へぇ、すごいんですね。

プロセッサーの機能は確かにすごいですが、本当のすごさはここじゃなくて、プロセッサーで補正した信号をデジタル領域で増幅するデジタルダイレクトアンプを採用していること。つまりCFカードに記録されたデジタルの音楽信号は、一度もアナログ信号に戻さずにデジタルのままで一気に増幅できるんですね。
だから信号の伝送中にノイズが入り込む余地がないし、データの欠落もない。元のデータをそのまま増幅できる。
たとえばカロッツェリアxのデジタルアンプなんかは、プロセッサーの直後にD/Aコンバーターが入っていて、増幅手前でアナログ信号に戻すんですね。ここが大きな違い。しかも、デジタルアンプは消費電力が少ないから、クルマ本体への負担が少ない。

──どんな音がするんでしょう。早く聴いてみたいです!

じゃあ、運転席へどうぞ。ピンポイントで理想的な音場を再現するように調整していますから。

■値段は高いが、考え方次第では充分な価値がある

──ものすごく、澄んだ音ですね。いままでクルマのなかじゃ聴いたことがないくらい。しかも自分のクルマじゃ聞こえない細かい音まではっきりと聞こえます。これはすごい。

デジタルダイレクトの効果でしょうね。解像度とS/Nがものすごくいい。それにデジコアのメモリーオーディオプレーヤーがWAVフォーマットに対応しているのも大きい。MP3のような圧縮音源ではなく非圧縮のリニアPCMのデータを扱えますからね。
もちろんMP3の再生も可能。超ハイファイ再生を目指すならコンピューターにWAVで読み込めばいいし、1枚のCFカードに大量の音楽を入れておきたいなら、音質は落ちますがMP3にすればいい。

──しかし93万4000円。いい値段ですね。

うん、僕も買えない(笑)。でも1000万円以上のクルマのオーナーなら、車両本体価格の1割程度ですから、これだけ圧倒的にいい音になるんだったら高いと感じないかも。車両本体価格の1割以上する純正オプションのプレミアムオーディオはざらにありますからね。
それに、プログラム次第で、例えばパワーウィンドーを開けるのと連動してオーディオの音量が下がるとか、ドアを開けるとミュートするような設定もできます。

──あっ、その機能欲しいかも!

(文と写真=石田 功)

ソニックデザイン:
http://www.sonic-design.co.jp/

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