「ディーゼルエンジンはどうして大トルクなの?」

2006.12.02 クルマ生活Q&A エンジン

「ディーゼルエンジンはどうして大トルクなの?」

先日、ついにメルセデス・ベンツのディーゼルエンジン搭載車が日本にも導入されましたね。3リッターの排気量で211ps、55.1kgmというスペックですが、この最大トルクの数値はずいぶん大きいように思えます。メルセデスに限らず、ディーゼルエンジンは大トルクを発生させるようですが、それはどうしてなのでしょうか?(東京都HTさん)

お答えします。確かに、ディーゼルエンジンのスペックを見ると、ガソリンエンジンに比べてトルク値が大きいですね。ただ、ディーゼルエンジンだからトルクが大きいというのは、実は正しくありません。

現在使われているディーゼルエンジンは、まず例外なくターボチャージャーが組み合わされています。ガソリンエンジンでも、ターボなどで過給すればトルクは増大します。過給というのは要するに空気を圧縮してたくさん送り込むことですから、排気量を大きくするのと同じような効果があります。だから、当然トルクも大きくなるわけです。

ディーゼルエンジンはあまり高回転には向いていないので、低回転で大きなトルクが得られるようなセッティングにしています。ガソリンエンジンの場合は高回転でピークパワーを稼ぐという方法がありますが、ディーゼルはそれとは別の考え方をとっています。

以前はノンターボのディーゼルエンジンを搭載した乗用車が日本にもありましたが、これはパワー、トルクともに恐ろしく小さいもので、危険なほど遅い代物でした。でも、現在はターボチャージャーを組み合わせることによって、実用的で使い勝手のいいディーゼルエンジンが多く見られるようになりました。

もともと、ディーゼルエンジンは、ターボと相性がいいのです。ガソリンエンジンの場合、過給圧を上げすぎると自然発火で異常燃焼が発生してノッキングを引き起こしてしまいます。しかし、ディーゼルはもともとプラグがなくて自然発火を利用しているのですから、そんな問題は起こりようがありません。

最近のディーゼル技術は目覚ましく進歩しています。「コモンレール」によって常に高圧を維持することができるようになり、「ピエゾ素子」が噴射ノズルの細やかな制御を可能にしています。ディーゼルエンジンの騒音軽減と排ガスのクリーン化が進んできたのには、そんな背景がありました。ガソリンエンジンと違ってディーゼルはまだまだ研究開発の余地が多く残されていますから、これから驚くような技術が登場するかもしれませんね。