【WRC 2006】第15戦ニュージーランド、グロンホルム今季6勝目、フォード勢が1-2フィニッシュ!前モトGPチャンプのロッシは……

2006.11.20 自動車ニュース

【WRC 2006】第15戦ニュージーランド、グロンホルム今季6勝目、フォード勢が1-2フィニッシュ!前モトGPチャンプのロッシは……

世界ラリー選手権(WRC)第15戦「ラリー・ニュージーランド」が、2006年11月17〜19日、ニュージーランドを舞台に開催された。

ヘッドクオーターが昨年までのオークランドから南に約100kmの距離に位置するハミルトンに移され、その周辺の牧草地や山岳地帯にグラベルステージを設定。高速コースからツイスティなテクニカルコースまでバリエーションが豊富で、ニュージーランド特有の道の両端が窪んだカマボコ路面も健在だ。

しかも、ほとんどのドライバーにとって、このハミルトンのSSは初体験でラリーウィークは気まぐれな天候に……。そのため、多くのドライバーが苦戦を強いられるなか、フォードのエース、マーカス・グロンホルムが安定した走りを披露し今季6勝目を記録した。

■セッティングに苦しむペター、6番手に低迷

前戦のオーストラリアから続く南半球2連戦目のニュージーランドが、11月17日、曇天の空のもと幕を開けた。
幸先の良いスタートを切ったのは「リードを築けて良かったけど、まだまだラリーは長いからね。明日も注意しながら走りたい」と語るグロンホルムで、すべてのステージでベストタイムを叩き出し、レグ1をトップでフィニッシュした。

2番手にチームメイトのミッコ・ヒルボネン。3番手はシトロエンの隠れワークス、クロノス・レーシングで「クサラWRC」を駆るダニエル・ソルドで、以下、OMVプジョーのマンフレッド・ストール4番手、ローブに代わってクロノスの1号車を駆るチェビー・ポンスが5番手でフィニッシュした。

一方、足まわりのセッティングに苦戦し、「ノー・グリップ、ノー・トラクション」を連発するスバルのエース、ペター・ソルベルグは6番手に低迷。チームメイトのクリス・アトキンソンもOMVプジョーのヘニング・ソルベルグ、フォードの10号車を駆るルイス-ペレス・コンパックに続いて9番手で初日を終えることとなった。

■ストールが3番手に浮上! アトキンソンはリタイア

明けた翌18日のレグ2は朝から激しい雨に見舞われ、午前中のループはウェットコンディションのなかラリーが開催。しかし、午後のループでは暑い日差しに包まれ、路面コンディションがドライに急変する。

そのため、各ドライバーともタイヤチョイスに苦戦するなか、トップのグロンホルム、2番手のヒルボネンが安定した走りでポジションをキープし、フォード勢が1-2体制を形成。ストールが3番手に浮上し、「ハードタイヤを使っていたので、午後のループでは厳しかった」と語るソルドが4番手に後退した。

5番手はソルド、6番手はポンスで、コンパックが7番手に浮上。対して、7番手につけていたヘニングはSS10のロールオバーで大きく後退するほか、SS7、SS8を連取したアトキンソンもSS9でコースアウト、マシンを止めるほか、ロールゲージを破損していたことから、そのままリタイアすることとなった。

■フォード1-2でマニュファクチャラーズタイトル獲得!

そして前日深夜の雨の影響で午前中はウェット、午後はハーフウエット&マッドの状態で争われたレグ3でも、グロンホルムが4本のステージを制して今季6勝目を獲得。さらにヒルボネンが2位入賞を果たし、フォード勢が1-2フィニッシュで2006年のマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。

一方、3位入賞はストールで「とてもスリッピーだったけど、今回は本当に楽しかった」と語るポンスが4位に浮上。アンダーステアに苦しんだソルドは5位に後退し、以下、ソルベルグが6位、コンパックが7位でポイントを手に入れた。

なお、「スバル・インプレッサWRC2006」で参戦した前モトGPチャンピオン、バレンティーノ・ロッシは、レグ1を23番手でフィニッシュ。が、マシンに慣れてきた2日目には13番手にジャンプアップし、最終的には11位で完走を果たした。

シリーズ第16戦のラリーGBは12月1〜3日、イギリス・ウェールズのカーディフを舞台に開催される予定となっている。

■奴田原は6位、アル-アティヤンにPWRCタイトルが

同時開催のプロダクションカー世界ラリー選手権(PWRC)の第8戦では、ランキングトップのナッサー・アルアティヤン(スバル)と6点差で2番手につける奴田原文雄(三菱)のタイトル争いに注目が集まるなか、前戦オーストラリアを制したヤリ-マティ・ラトバラ(スバル)とミルコ・バルダッチ(三菱)、そして日本人ドライバーの新井敏弘(スバル)が序盤から激しいトップ争いを展開した。

その結果、ラトバラがトップ、バルダッチが2番手、新井が3番手でフィニッシュする。一方、タイトル争いの渦中にある奴田原は「シリーズ2位になってもしょうがないからね。今回は最初からプッシュしていきたい」と語るように4番手につけるものの、「今回はタイトル争いが重要だから慎重に走ったよ」と語るアルアティヤンも6番手でレグ1をフィニッシュ。まさに各ポジションで手に汗握るバトルが展開されていたのだが、翌日のレグ2では鍵を握るドライバーが次々と脱落していった。

まず、3番手の新井に朝のサービスでシフトリンゲージのトラブルが発覚。交換作業が間に合わずにタイムオーバーでトップ争いから脱落する。
さらに4番手の奴田原もSS7でパンクに見舞われるほか、「クレストでクルマが浮き上がったので、ブレーキングがわずかに遅れました。その後はリアが流れてコース脇へ……」と語るようにSS8で痛恨のコースアウト、そのままマシンを止めることになってしまった。

こうして波乱含みの展開となるなか、2番手のバルダッチがトップに浮上。サービスパーク内のスピード違反でペナルティを受けたラトバラが2番手に後退する。
3番手は地元ドライバーのリチャード・メイソン(スバル)で「文雄はアンラッキーだったね。でも、ラリーは長いし、自分に何が起こるか分からないから注意して走りたい」と語るアルアティヤンが4番手でフィニッシュするものの、開けた最終日も予想外のハプニングが続出した。

まず、この日のセカンドステージとなるSS13で4番手のアルアティヤンがエンジントラブルでストップするほか、続くSS14ではトップのバルダッチにミッショントラブルが発生し、その後の走行を断念。そのため、粘り強い走りを披露する日本人ドライバーの鎌田卓麻(スバル)が3番手に浮上するものの、センターデフのトラブルにより最終SSで4番手に後退する。

さらに、再出走で8番手に浮上した新井も最終SSでトランスミッショントラブルが発生し、ステージを走り終えた直後にマシンをストップさせた。

まさにサバイバルラリーとなるなか、ラトバラが最後まで走り抜き今季2勝目を獲得。メイソンが2位、アレクサンダー・ドロシンスキー(スバル)が3位で表彰台にのぼった。

4位は鎌田、5位は完走扱いのバルダッチ、9位は同じく完走扱いの新井で再出走の奴田原は6位に入賞。が、マシンをパルクフェルメに入れたアルアティヤンも7位でフィニッシュしたため、アルアティヤンがPWRCのタイトルを獲得した。

(文と写真=廣本泉)

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2位のミッコ・ヒルボネン。

2位のミッコ・ヒルボネン。

F1フェラーリ入りを諦めたモトGPの王者、バレンティーノ・ロッシは11位で完走。

F1フェラーリ入りを諦めたモトGPの王者、バレンティーノ・ロッシは11位で完走。

ナッサー・アルアティヤンがPWRCタイトルを獲得。

ナッサー・アルアティヤンがPWRCタイトルを獲得。

粘り強い走りで鎌田卓麻はPWRC4位でゴール。

粘り強い走りで鎌田卓麻はPWRC4位でゴール。

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