第289回:遂にコージ初登場『現代用語の基礎知識2007』
これで日本の走り屋も文化になった!(小沢コージ)

2006.11.14 エッセイ

第289回:遂に初登場『現代用語の基礎知識2007』これで日本の走り屋も文化になった!

■題して「走り屋という生き物」

ナナなんと、手前ミソ(おまけに他社の本)で非常にキョーシュクな話だが、遂にベストセラー&ロングセラーである『現代用語の基礎知識』の2007年度版で執筆することになってしまったッッ! それも「走り屋という生き物」という超ステキなお題で。

まさに“現代人のための広辞苑”というか、最新事典機能と週刊誌の『行く年来る年』企画を足して2で割ったような本なんだけど、実に創刊59年、一時ピークで60万部以上も出ていたっていうオバケ本。今は類似品が出るほどメジャーな存在だから、他社のでもいいでしょ!

とはいえ時代の変化は侮れなくて、05年度版からは電話帳みたいなデカさを改め、ほとんどポケットサイズ!? はウソだけどA5サイズになったし、同時に巻末にはその時代の人間の生き方、つまりスタイルを紹介する『生活スタイル事典』ってのが加えられてる。

実際、オレのページもそこに組み込まれるわけで、なんつーか、所変われば品変わるというか、時代変われば事典変わるという具合に、人が求める知識の質が日々刻々と変わっていくのが良くわかる。

ところでなんでこういう本に執筆することになったのかっていうと、クルマ好き編集者であるAさんが、クルマバカばっか取材してるオレを抜擢しくれたわけで、これは同時に、日夜がんばり続けている日本のクルマバカたちが良くも悪くも社会の一角を担う存在として認められてたことでもあってとてもうれしい。

肝心の内容は当然詳しくは言えないわけだけど、基本中の基本の『オートサロン』の解説から『スポコン』ことスポーツコンパクトや『オヤジ化する走り屋』まで解説が加えられてる。

ついては今回オレは、オレ自身が敬愛するサイコーのクルマバカの一人、Mに多大なる協力をいただいたわけで、でも告白しちゃうと実は彼、オレが電話で『現代用語〜』に関するコメントを貰った2週間後には、オーストラリアでジェットエンジン搭載のホットロッドに乗ってあの世に行ってしまった。

これはジョークでもなんでもなくて、Mはまだ38歳でこれからもまだまだおバカでサイコーなことをやってくれるはずだったわけで、今はとても言葉にできないくらい悲しい。何しろバイクのウィリバーを「物干し竿」と言い張って車検通しちゃうようなすげぇオトコだったからして。

でも、そんな彼が「これからはジェットっスよ」と笑いながら言ってくれた走り屋ならではの言葉を今回世に出すことができて本当に良かった。なにしろ『湾岸経由海ほたる』は彼ならではのチョイスであって、本当に生きた言葉だったと思うのだ。

Mはどうやら時速400キロオーバーで天国に召されてしまったようで、こんなにも壮絶でマンガみたいなクルマバカ人生もないと思うが、それを知った時、オレは彼のためにも今後もっともっと面白いクルマの話を書きたいと思った。ヤツの名前は近藤学。3輪バイクのトライクジャパンを作った男だ。気になった人は心に留めておいて欲しい。合掌。

ってなわけで既に11月頭に発売されてる『現代用語の基礎知識』2007年度版の1584〜1585ページ、読んでくださいな!

(文と写真=小沢コージ/2006年11月)

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』