日本車にスーパーチャージャーブームが来る!? 米社の新製品に注目集まる

2006.11.08 自動車ニュース

日本車にスーパーチャージャーブームが来る!? 米社の新製品に注目集まる

2006年10月31日から米国ネバダ州ラスベガスで開催されていたSEMAショー。世界最大規模の自動車アフターマーケット見本市である。
イートン社のブースには、新型スーパーチャージャー「TVS(ツイン・ボーティス・シリーズ)」のユニットが展示され注目を集めていた。


スーパーチャージャーの効果の大きさは「プレッシャーレシオ」(圧力比)の大きさに比例する。
このTVSは、低い圧力比でも吸気流入量が効率良く増やせるのが特徴だ。

■吸気効率、アクセルレスポンス、NVHが向上

「画期的な進化なんです。日本の自動車メーカーはどこも真剣でしたヨ」。米国の大手部品製造メーカー、イートン社の担当者は満面の笑みを浮かべた。

担当エンジニア氏に詳細を聞くと、これまでのスーパーチャージャーでは、内部にある2つの3枚歯ローターの捻り角を60度としていたが、新型TVSは捻り角を一気に160度へ引き上げたという。
その結果、2つのローターはともに4枚歯に進化し、これにより吸気効率が大幅にアップ。担当者は「プレッシャーレシオ」(スーパーチャージャー前と後との圧力の比率)と「インレットボリュームフロー」(吸気流入量)の対比グラフを見せ、「吸気効率としてはターボチャージャーとほぼ同格です。アクセルレスポンスも大幅に向上しています。さらに、NVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)も旧型から格段の進歩です」と自信満々だ。

ユニット自体がコンパクト化されており、搭載可能なエンジンサイズは0.6リッターからV6、V8の大排気量まで多岐にわたる。

イートン社製のスーパーチャージャーは「ルーツ式」だ。これはスロットルからの吸気を強制的に押し流し、インテークマニホルド内での空気密度を上げる方式。つまり送風を行うことから、アメリカではブロアー(送風機)との俗称もある。

イートン社製スーパーチャージャーは現在、「シェルビーGT500」「レンジローバースポーツ」「キャデラックXLR-V/STS-V」「メルセデス・ベンツCクラス」などに搭載されている。また、アフターマーケットでは米国マグネッセン社が技術開発したイートン社ユニットが日系、米系のメーカーオプションとして広く販売されている。

■量産車で搭載を検討

ルーツ式に対して、「メルセデスAMG 55」シリーズとして搭載されているIHI(石川島播磨重工業)製は「スクリュー式」(またはリショルム式)と呼ばれるものだ。これはスーパーチャージャー内部で空気圧縮をするため、過給があまり必要でない定速走行時には電磁クラッチ(オグラクラッチ社製)を用いて燃費対策を行っている。

イートン社のルーツ式は送風のみのため、電磁クラッチ機能を必要とせず、新型TVSの高効率により、燃費も大幅に改善されている。

イートン社の担当者は、「先週、日本で自動車メーカー各社をまわり、このTVSの商品説明をしてきましたが、どこも高い関心を示してくれました」。これはTRD、NISMOなどメーカー系アフターマーケットではなく、ノーマルの量産車に対してTVS搭載が検討されているという意味だ。

2008年以降、日本車の新車でスーパーチャージャーブームが起こる可能性が高い!

(文=桃田健史(IPN))

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