【SUPER GT 2006】第9戦富士、ロッテラー/脇阪組、「SC430」で2006年の王者に!

2006.11.06 自動車ニュース

【SUPER GT 2006】第9戦富士、ロッテラー/脇阪組、「SC430」で2006年の王者に!

穏やかな天候のなかで繰り広げられたバトルの数々。タイトルを巡る攻防戦は、序盤にトップランカーが戦線離脱するなど波乱含みの展開となったが、最終的にNo.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー/脇阪寿一組)が今季のシリーズチャンピオンを獲得。手に入れたその座は、僅か1点差による勝負の末の結果だった。

2006年11月5日、静岡・富士スピードウェイにてスーパーGTの今季最終戦決勝レースが行われた。

66周にわたる闘いでは、他車の追随を許さなかったNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル/武藤英紀組)が独走で今季初優勝。2位にNo.35 BANDAI DIREZZA SC430(服部尚貴/ピーター・ダンブレック組)、3位には初表彰台となるNo.24 WOODONE ADVAN KONDO Z(柳田真孝/荒聖治組)が続いた。

GT300でも劇的な幕切れとなった。No.101 TOY STORY Racing MR-S(新田守男/高木真一組)が大逆転の末、今季初優勝。2位のNo.19ウェッズスポーツセリカ(松田晃司/脇阪薫一組)も今季初表彰台、3位にはNo.13 エンドレスアドバンCCI Z(影山正美/藤井誠暢組)が入り、大団円となった。

GT300のチャンピオンシップでは、No.7 雨宮アスパラドリンクRX7(山野哲也/井入宏之組)が土壇場で逆転。チームとして悲願のタイトル獲得に成功した。

■EPSON NSX、今季初ポール

最終戦ともなると、シリーズ上位陣が勝利の証としてマシンに搭載するウェイトが文字通りハンデとなるせいか、金曜から安定した速さを見せていたのはハンディウェイトがなく、性能調整でも救済処置を受けるNo.32 EPSON NSXだった。

ドライバーのロイック・デュバルが「このコンディションでトップタイムを出すことは難しくなかった」というとおり、予選1回目では2番手に0.815秒もの大差をつけ、スーパーラップ(SL)に進出。そのSLでも1分33秒668のタイムで今シーズン初のポールポジションを獲得した。

一方、タイトル争いをするなかでは、No.1 ZENT セルモSC(立川祐路/高木虎之介組)が5番手、ランキング2位のNo.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430は7番手、ランキングトップのNo.100 RAYBRIG NSX(セバスチャン・フィリップ/細川慎弥組)においては13番手に留まった。

GT300でも、ランキングトップのNo.2 プリヴェチューリッヒ・紫電(高橋一穂/加藤寛規組)が13番手スタートとなり、後方からタイトル獲得を狙う追い上げに注目が集まることとなった。

■タイトル獲得がかかったマシン、序盤に脱落

午後2時過ぎ、66周にわたる決勝レースがスタート。その直後に早速ハプニングが訪れた。
タイトル獲得の可能性を持つNo.1 SCとNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組)がBコーナー先でまさかの接触!
No.1はピットに直行し再スタートを試みたが、足まわりに相当のダメージを負い、万事休す。あっけなくチャンピオンの夢が潰えた。

また、No.8も接触の影響か、その直後にタイヤがバースト。イレギュラーのピットインでタイヤ交換を済ませ追い上げを狙ったが、接触行為がペナルティの対象となり、ドライブスルーを命じられた。これでタイトル獲得から大きく後退し、No.100 NSXとNo.36 SCが断然優位な状況に立った。

だが、そのNo.100も他車との接触を起こし、ドライブスルーペナルティ。ポジション後退により、No.36へツキが回ってきた。

■EPSON NSXはひとり旅、SCは初年度にチャンピオン

申し分のないマシンコンディションで周回を重ねたNo.32 NSX。逆に同じダンロップユーザーである2番手No.35 SCは、後続車のプッシュに遭い、前を追うよりも後ろとの攻防戦に躍起の状態だ。
最終的にNo.32は31周終了で迎えたピットイン以外、トップを快走。磐石の走りは最後まで緩むことがなく、チームにとって待ちわびた今季1勝をようやく手にすることができた。

一方、王者の座を狙うNo.36は4位を走行。前とのギャップは大きく開いていたが、“我が道を行く”とばかり慎重な走りに徹し、ファイナルラップを迎えた。
最終コーナーでは、後続のNo.6 Mobil 1 SC(飯田章/片岡龍也組)が急接近したが、難なく抑え切り、4位フィニッシュ。最終的にNo.100がノーポイントで終わったため、No.36がドライバーズタイトル獲得に成功。SCにとっては、デビューイヤーでつかんだ栄光となった。

■トップが最終周にガス欠! GT300の栄冠は……

GT300クラス、最終戦でクラストップタイムをマークしたのは、No.777梁山泊apr MR-S(田中実/大嶋和也組)。だがエンジン始動が遅れ、ダミーグリッドにつくことができずにピットスタートとなる。
ピットインではタイヤ無交換という大胆な作戦で大逆転を狙ったが、グリップダウンしたタイヤでの猛追撃は思うほど効果が出ず、逆にスピンを招いた。結果、終わってみれば4位と、初表彰台にあと一歩及ばず、レースを終えることになった。

No.777にかわってトップの座についたのは、No.19セリカ。だが、中盤グループからストレートスピードに勝るライバルが続々と浮上し、目まぐるしくポジション争いを展開。ピットインを終えた後は、No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R(柴原眞介/黒澤治樹組)を筆頭に、予選12番手に甘んじていたNo.101 TOY STORY Racing MR-S、そしてNo.19が続き、このままチェッカードフラッグを迎えるかに思われた。

ところがGT300の舞台には、なおもどんでん返しが待っていた。なんと、トップを快走するNo.62がファイナルラップの最終コーナーでまさかのストップ! フィニッシュライン直前にガス欠、マシンが息絶えてしまったのだ。
これでNo.101が待ちに待った今季初めての勝利。2位にはNo.19。3位にはNo.13エンドレスアドバンCCI Zが浮上した。

一方、最後の最後までわからなかったのが、シリーズタイトルの行方だった。
最終戦を迎えるまでランキングトップにいたNo.2 プリヴェチューリッヒ・紫電は12位で、一方、5点差でランキング2番手にいたNo.7 RX7は6位でフィニッシュ。上位2台が86点で並んだが、2位獲得数で勝ったのは、No.7 RX7。これまで12年間参戦してきたGTレースにおいて、初のタイトルを獲得することとなった。

全9戦で闘われた今シーズンのスーパーGT。例年どおり、タイトルを巡る筋書きのないドラマが最後の最後まで繰り広げられることとなった。
なお、12月16日には、シリーズ成績を表彰する「SUPER GT AWARDS 2006」を開催。当日はファンサービスステージの時間を設け、ファンやチームサポーターと参戦選手らとの交流会も予定されている。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)


ひとり旅を終えトップでチェッカードフラッグを受けたNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル/武藤英紀組)。


GT500クラスのシリーズタイトルは、No.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430(脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー組)の手に渡った。


ファイナルラップまで激しい2位争いを繰り広げたNo.35 BANDAI DIREZZA SC430(服部尚貴/ピーター・ダンブレック/写真左)とNo.24 WOODONE ADVAN KONDO Z (柳田真孝/荒聖治)。 結局、SCが2位でゴールした。


SCデビューイヤーにGT500クラスの栄冠を勝ち取った脇阪寿一とアンドレ・ロッテラー。


GT300クラスは、No.101 TOY STORY Racing MR-S(新田守男/高木真一組)が最終戦のウィナーに。


GT300のタイトルは、No.7 雨宮アスパラドリンクRX7(山野哲也/井入宏之組)に。


クラス王座を獲得し喜ぶ山野哲也と井入宏之、そして雨宮勇美監督。

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