【WRC 2006】第14戦オーストラリア、グロンホルム脱落、ヒルボネン待望の初優勝!ロウブがタイトル獲得!!

2006.10.30 自動車ニュース

【WRC 2006】第14戦オーストラリア、グロンホルム初日に脱落、ヒルボネン待望の初優勝!ロウブがタイトル獲得!!

世界ラリー選手権(WRC)第14戦「ラリー・オーストラリア」が、2006年10月26〜29日、西オーストラリアの州都、パースを舞台に開催された。

ステージはナローかつ高速なレイアウトで“ボールベアリングロード”と称されるとおり、球体状の小石が路面に散乱。そのため、初日から数多くのドライバーが足もとをすくわれ、次々に脱落した。

そんななか、フォードのセカンドドライバー、ミッコ・ヒルボネンが冷静な走りを披露。波乱のサバイバルラリーを走り抜き、待望の初勝利を挙げた。

また怪我により欠場中のポイントリーダー、セバスチャン・ロウブは、ランキング2位のマーカス・グロンホルムが5位に終わったことで、3年連続のラリータイトルを手中に収めた。

■グロンホルム、初日に最下位へ脱落

2007年の開催を見送り、08年は東海岸のブリズベンに舞台を移すことから、パースでの開催は今季で最後となるラリー・オーストラリアは、26日、例年どおり2本のスーパーSSで幕を開けた。
幸先の良いスタートを切ったのは、フォードのエース、マーカス・グロンホルムで、SS1、SS2を連取。2番手にSS2を制したヒルボネン、3番手にSS3トップのスバルのエース、ペター・ソルベルグが続いた。

が、本格的な競技が始まると予想外のハプニングが続出。そして、その最初の犠牲者となったのがリーダーのグロンホルムだった。

この日のファーストステージとなるSS3で石にヒットし、ロールオーバー。なんとかラリーに復帰するものの、トップから11分遅れで最下位に後退した。

さらに総合5番手につけていたクロノス・レーシングのダニエル・ソルドもギアボックスのトラブルでマシンを止め、フォードの2軍チーム、ストバートVKフォードのマシュー・ウィルソンも同ステージでドライブシャフトとコントロールアームを破損。続くSS4ではストバートVKフォードのルイス-ペレス・コンパックもコースオフをきっするなど、わずか3ステージで4台のマシンが上位争いから脱落することとなった。

■ヒルボネンvsソルベルグの一騎打ち

まさに波乱含みの展開となるなか、スバルの6号車を駆る地元ドライバー、クリス・アトキンソンがSS3を制し総合トップに浮上。ソルベルグもセカンドベストで2番手をキープし、スバル勢が1-2体制を形成した。

しかし、SS6でトップのアトキンソンがコースオフし、この日の走行を断念。OMVプジョーのヘニング・ソルベルグもコースアウトでリタイアに……。予想のつかない激しいサバイバルラリーが続く。

SS4で2番手のヒルボネンがトップに浮上。その後もSS6、SS7を制したソルベルグがSS7でトップに浮上するなど、ソルベルグvsヒルボネンの激しいトップ争いが展開された。
SS9でトップのソルベルグが前走者のダストでペースダウン。逆転に成功したヒルボネンが首位、ソルベルグが26秒差の2番手でレグ1をフィニッシュした。

3番手は2004-05年のチャンピオン、セバスチャン・ロウブにかわってクロノス・レーシングの1号車を駆るチェビー・ポンスで、4番手にOMVプジョーのマンフレッド・ストールが続いた。
以下、走行を続けているWRカーは18番手まで追い上げたマーカス・グロンホルムの1台のみになるなど混沌とする状況のなかで初日が終了した。

■ヒルボネンがリードを拡大

明けた翌28日のレグ2でもヒルボネンとソルベルグの激しいバトルが続く。トップのヒルボネンがSS12、SS13を連取してソルベルグを引き離しにかかるものの、SS15ではソルベルグがグロンホルムに続いてセカンドベストをマークし、トップのヒルボネンとのマージンを短縮する。

その後もSS16はヒルボネン、SS17はソルベルグとトップタイムを分けあうものの、ヒルボネンがレグ2をトップでフィニッシュ。ソルベルグが32秒差の2番手、ポンスとの激しいポジション争いを制したストールが3番手で、ポンスが4番手、必死の追走を披露したグロンホルムが7番手でレグ2をフィニッシュした。

■グロンホルム追い上げ5位入賞、しかしタイトルは欠場のロウブに

そして29日のレグ3では、「マシンはまったく問題がないけどスピードをキープしなければないからね。集中力を保つことが本当に大変だったよ」と語るヒルボネンが冷静な走りを披露し、待望のWRC初優勝を記録した。

続いて「まだまだマシンには課題があるけれどハードにプッシュすることができた。このポジションは本当に嬉しいよ」と語るソルベルグが2位に入賞。3位は粘り強い走りを披露したストールで、ポンスが4位でフィニッシュした。

一方、グロンホルムも脅威の追い上げで5位入賞を果たすものの、タイトル獲得圏内のポディウムを逃したことから、この瞬間、ロウブの3年連続チャンピオンが決定。主役不在のなか、今季のタイトル争いが幕を閉じた。

なお、シリーズ第15戦は11月17〜19日、南半球のリゾートアイランド、ニュージーランドを舞台に開催される予定となっている。

■新井リタイア、奴田原は7位、ラトバラが初優勝

同時開催のプロダクション世界ラリー選手権(PWRC)第7戦では、地元オーストラリアのディーン・ヘリッジと05年のチャンピオン、新井敏弘らスバルユーザーが序盤から激しいトップ争いを繰り広げた。

クリス・アトキンソンのクラッシュでSS6がキャンセルとなったことから、規定タイムを与えられたヘリッジがトップをキープ。3番手につけていたスバルユーザーのヤリ-マティ・ラトバラが2番手にジャンプアップするいっぽう、新井は3番手につける三菱ユーザーのミルコ・バルダッチに続いて4番手に後退した……が、SS8でセカンドベストをマークし、トップのヘリッジに遅れること3.3秒の2番手でレグ1をフィニッシュした。

3番手はバルダッチ、4番手はシムスレーシングのインプレッサを駆るアキ・テイスコネンで、今季3勝を挙げている三菱ユーザーの奴田原文雄は「いろいろと試してみてるんですけどうまく走れなかった」と語るように7番手で初日を終了した。

28日のレグ2では「序盤はタイヤがオーバーヒートしてタイムが上がらなかったけど、タイヤのカットで対策することができた」と語る新井がSS12でベストタイムをマークしトップに浮上。
対して「路面がスリッピーだから、リスクを避けてペースをコントロールした」と語るヘリッジは、SS14で三菱ユーザーのマルコス・リガトに交わされ3番手に後退する。

その後は新井vsリガトの激しいトップ争いが展開されていたのだが「いきなりボールジョイントが外れて……どうすることもできなかった」と語るようにトップの新井がSS17 でトラブルに見舞われてコースアウト。そのままリタイアすることとなった。

この結果、激しい追い上げを見せていたリガトがトップに浮上し、ラトバラが2番手、テイスコネンが3番手でレグ2をフィニッシュする。
いっぽう、タイトル争いの渦中にある奴田原はベースが上がらず苦戦。新井の脱落でポジションを挙げるものの、SS18でターボトラブルが発生したため、その追い上げは6番手に留まった。

そして迎えたレグ3では予想外のハプニングが続出する。まず「残り10kmのところでオイルランプがつきました。オイルを注ぎ足したんですけどダメでしたね」、SS22で奴田原のマシンにターボトラブルが発生した。
トップを快走していたリガトも昼のサービスでエンジントラブルに見舞われ、そのままリタイアに……。さらに、SS24では2番手に浮上してテイスコネンもコースアウトし、上位争いから脱落することとなった。

結局、「リガトがリタイアしてくれたのでラッキーだった。自分でも信じられないよ」と語るラトバラがPWRC初優勝。バルダッチが2位入賞を果たし、ヘリッジが3位で表彰台を獲得した。

なお、リタイアしたリガト、4番手でフィニッシュしたセバスチャン・ベルトラン、同じく9番手のガブリエル・ポッゾらアルゼンチン勢はエンジン面のレギュレーション違反で失格に。そのため、8番手の完走扱いになっていた奴田原は7位入賞を果たし、貴重な2ポイントを獲得した。

(文と写真=廣本泉)

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不調にあえいでいたペター・ソルベルグ&スバルが復活。激しいトップ争いを繰り広げ、ペターは2位でゴールした。

不調にあえいでいたペター・ソルベルグ&スバルが復活。激しいトップ争いを繰り広げ、ペターは2位でゴールした。

前戦トルコから骨折を理由に欠場しているセバスチャン・ロウブ。マーカス・グロンホルムが5位に終わったことで、ロウブの3年連続タイトル獲得が決まった。シトロエンの“セミワークス”、クロノス・レーシングは、チャンプ不在中の栄冠決定に拍手。

前戦トルコから骨折を理由に欠場しているセバスチャン・ロウブ。マーカス・グロンホルムが5位に終わったことで、ロウブの3年連続タイトル獲得が決まった。シトロエンの“セミワークス”、クロノス・レーシングは、チャンプ不在中の栄冠決定に拍手。

奴田原文雄はPWRC7位。

奴田原文雄はPWRC7位。

新井敏弘、トップを争いながらトラブルでリタイア。

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