【FN 2006】第8戦もてぎ、トレルイエ、2006年のフォーミュラ・ニッポン王者に!

2006.10.23 自動車ニュース

【FN 2006】第8戦もてぎ、トレルイエ、2006年のフォーミュラ・ニッポン王者に!

後続車に20秒以上の大差をつけ、トップでチェッカードフラッグを受けたブノワ・トレルイエ。ウィニングラップでガッツポーズ、表彰台の上では満面の笑みを見せたフレンチドライバーだったが、記者会見になると感極まって目からこぼれ落ちる涙を止めることができなかった……。

2006年10月22日、全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの第8戦決勝レースが、栃木県・ツインリンクもてぎで開催された。

曇り空の下、62周の闘いは22台のうち完走が12台というサバイバルレースとなったが、そのなかで自らの速さと強さを貫いたトレルイエが、予選2位から逆転優勝を果たし、待望のシリーズチャンピオンの座についた。

■もはや常連!? 小暮が4連続ポールポジション

ここしばらくの間、緊迫した予選のなかでトップタイムに自らの名前を刻み、その地位を最後まで誰にも譲らない速さを見せている小暮卓史。今季は不運にも決勝では表彰台はおろか、ポイントすら獲得することなくレースを終え、満足な結果を残せていないという大きなギャップが立ちはだかっている。

しかしながら、予選では飛び切りの速さを見せる。今回、ポールポジションに導いた1分33秒954のタイムは、予選2位のブノワ・トレルイエより0.4秒も速い。0.1秒を巡って争う予選では、間違いなく大きな差だ。

午前中に行われた予選1回目。ライバルたちが前日の自己ベストを更新し始めた頃、小暮も同じように自己ベストでトップに浮上。その後、再度ニュータイヤを装着し、ダメ押しのタイムアップ。あっさりと暫定トップの座についた。

午後からの予選2回目。大半のマシンがタイムアップしたものの、小暮のタイムには届かない。予選1回目で0.4秒差をつけられたトレルイエも、一発逆転を狙ってアタックしたが、エンジンのレブリミッターが規定回転数を超えると自動的に作動するペナルティシステムに翻弄され、タイムアップならず。

結果、小暮が今季5度目のPPを獲得。2番手にはトレルイエ、3番手に小暮のチームメイトである金石年弘がつけることとなった。

■またも不運が小暮を襲う

オープニングラップ。まず、終盤グループのマシンがスピン、接触などで5台が戦線離脱し、荒れたレースの序奏が始まった。
次いで予選3番手の金石年弘がスローダウン、さらにトップを快走していた小暮にも災難がふりかかる。ホールショットを奪い、ポールシッターとして申し分ない走りを見せていたが、14周目の3コーナーで痛恨のコースアウト。傷めたマシンをなんとかピットに戻したが、そこから二度とマシンがコースに向かうことはなかった。

新しいリーダーはトレルイエ。だが、その後方につけたロイック・デュバルが目を見張る速さで次々とライバルを蹴散らし、トレルイエまでもパス。2ピット作戦だったデュバルは、その後間もなくしてピットイン、再びトレルイエがトップを引き継いだ。

■未勝利の本山がトップ、だが……

トレルイエは、35周を終えてピットイン。18秒強の作業でコースに戻る。一方、トレルイエを追う本山哲はその次の周にピットへ。作業にかかった時間は17.3秒。本山が、トレルイエの前でコース復帰する逆転劇を披露した。

今季まだ勝利していない本山。屈辱の日々に終止符を打つべく、渾身の走りを披露する。ディフェンディングチャンピオンは、時折ファステストラップを塗り替えながら勝利への道をひた走っていたのだが、女神はその彼に美酒を与えたくなかったのか、なんと終盤にエンジントラブルが発生、マシンはスローダウンした。

本山は、テールエンドから白煙を吹きながらメインストレートを通過。勝負を諦めきれない思いを乗せたマシンが3コーナーで尽き果て、その横をトレルイエが駆け抜けて行った。

■トレルイエ、涙の優勝会見

「本山とのタイム差を考えると、今日勝つのは難しいと思った。だが、トラブルで止まったのを見て、あとはボクもペースをセーブしながら走るようにした」というトレルイエ。ライバル本山にかわってトップに立った後は、後続との差を積み重ねるのみ。結果、今季4勝目をあげると同時に、念願のシリーズチャンピオンを獲得した。

2位には松田、3位は、ラストラップにガス欠のため最終コーナー手前でマシンを止めた土屋武士にかわり、片岡龍也が入った。

「マシンに乗っているときは何も思わなかったが、降りた途端、これまでのことが色々と思い出されてきた。監督のホシノさん、チームのスタッフには本当に感謝している」と、覇者トレルイエ。悲願のタイトルを手にした彼は、FN参戦5年間にわたる長い道のりを思い出したのか、何度も言葉を詰まらせ涙した。

最終戦を待たずして今季の王者は決定したが、2位以下のランキング争いはまだ終わっていない。
現在5番手に甘んじている本山がどこまでポジションを挽回するか、ルーキーながら2勝をマークしているデュバルが勝ち星を増やすのか。そして、リベンジを誓う小暮は……。見どころ豊富な今季最後の闘いは、11月19日の鈴鹿サーキットが舞台となる。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)

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4連続5回目のポールポジションを獲得した小暮卓史。しかし、今シーズンいまだにノーポイントで、なんとしても結果を残したかったが、トップを快走していた14周目にコースアウトし痛恨のリタイアをきっした。

4連続5回目のポールポジションを獲得した小暮卓史。しかし、今シーズンいまだにノーポイントで、なんとしても結果を残したかったが、トップを快走していた14周目にコースアウトし痛恨のリタイアをきっした。

スタートでトップに躍り出た小暮。

スタートでトップに躍り出た小暮。

今季4勝目を飾ったトレルイエを、チームクルーが迎える。

今季4勝目を飾ったトレルイエを、チームクルーが迎える。

予選はふるわず、6番手からスタートした松田次生。果敢に追い上げ、2位でレースを終えた。

予選はふるわず、6番手からスタートした松田次生。果敢に追い上げ、2位でレースを終えた。

今年まだ優勝がない本山哲。ディフェンディングチャンピオンらしい走りを見せ、トップに立ち、2位のトレルイエを引き離しにかかったのだが、残り13周でエンジントラブルにより無念のリタイア。

今年まだ優勝がない本山哲。ディフェンディングチャンピオンらしい走りを見せ、トップに立ち、2位のトレルイエを引き離しにかかったのだが、残り13周でエンジントラブルにより無念のリタイア。

チャンピオン記者会見で、チーム、スポンサー、ファン、家族に感謝を述べるうちに感極まって涙が止まらなくなったトレルイエ。つられて星野一義監督も涙がこぼれた。

チャンピオン記者会見で、チーム、スポンサー、ファン、家族に感謝を述べるうちに感極まって涙が止まらなくなったトレルイエ。つられて星野一義監督も涙がこぼれた。

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