【F1 2006】第17戦日本GP、シューマッハーまさかのリタイアでアロンソ優勝、シュー敗北宣言

2006.10.09 自動車ニュース

【F1 2006】第17戦日本GP、シューマッハーまさかのリタイアでアロンソ優勝、シュー敗北宣言

F1世界選手権第17戦日本GP決勝が、2006年10月8日、三重県の鈴鹿サーキット(5.807km)を53周して行われた。

20回目(で当面おあずけ)の鈴鹿F1、ドライバーズチャンピオンシップ同点で迎えた日本GP、圧倒的にフェラーリ優位と思われた形勢を跳ね返し、ルノーのフェルナンド・アロンソが第9戦カナダGP以来の優勝を飾った。

最大のライバル、ミハエル・シューマッハーのフェラーリは、アロンソを従えトップを走行しながらまさかのエンジンブローを起こしリタイア。結果、ポイントは同点から10点差まで一気に拡大し、アロンソ有利の状態で最終戦ブラジルGPへとバトンが渡された。

レース後、シューマッハーは、自らの8度目のドライバーズタイトルを諦めたと宣言。現役最後のレース、ルノーとのコンストラクターズ選手権争いに力を傾注するとコメントした。

2位フェリッペ・マッサ(フェラーリ)、3位ジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)がポディウムにのぼった。

以下、4位ジェンソン・バトン(ホンダ)、5位キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)、6位ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)、7位ラルフ・シューマッハー(トヨタ)、8位ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)が入賞した。

初の母国GP、スーパーアグリ・ホンダは、佐藤琢磨が善戦しライバルを抑え15位完走、山本左近も17位でゴールした。

■人間万事塞翁が馬

僅か1週間前の中国GP、一時はアロンソに25点もの差をつけられたシューマッハーが会心の勝利でチャンピオンシップ首位奪取に成功。その勢いそのままに残り2戦へと突入したかに見えたが、まさかあのようなカタチで日本で逆転されてしまうとは。

地の利を活かしたブリヂストンタイヤとの絶妙なマッチングが奏功しフロントローを独占。他を圧倒するペースでレースを席巻するかに見えたフェラーリが、まさかエンジンブローを起こすとは。

シーズン中盤まで独走劇を披露したルノーとアロンソ。強力な武器「マスダンパー」をFIAに禁止され、勝利が遠のいたばかりか、イタリアGPでは珍しくエンジンブローにも襲われ、中国ではランキング首位の座も奪われ、失意のどん底にあったアロンソが、まさか起死回生の1勝でタイトルに王手をかけるとは。

人間万事塞翁が馬、“まさか”の多かった2006年シーズンを象徴するかのような日本GPだった。

■4台のBSユーザーが立ちはだかった

116対116の同点対決、勝利数で首位に躍り出たシューマッハーが上り調子ならば、アロンソは珍しくチームを批判するなど、精神面でも追い詰められているようだった。

予選5番手、アロンソの前には、フェラーリに加え、(予選だけハイパフォーマーだった)トヨタの2台、計4台のBSユーザーが立ちはだかった。

それでもアロンソは、スタートでヤルノ・トゥルーリを抜き4位。13周目にはラルフ・シューマッハーを料理し3位にアップし、必死にフェラーリを追いかけた。

フェラーリは3周目に早くも順位をスイッチし、シューマッハーがトップ。マッサが13周で最初の給油・タイヤ交換を行ったことで、この時点でタイトルを争うふたりが1-2フォーメーション、後続をどんどん引き離しにかかった。

シュー対アロンソ、5秒前後を挟んでの一騎打ち状態は、37周目、デグナーを走るフェラーリの後ろから白煙があがったことであっけなく終焉を迎えた。

■シューマッハー、タイトルを諦める

労せずしてトップの座を手に入れたアロンソ。いや、若干劣勢なマシンで最後までベストをつくしたアロンソにとっては、労を重ねて手に入れた10点だったかもしれない。

53周のレースを走りきり、真っ先にチェッカードフラッグを受けたアロンソは、マシンをハデにシェイクし、ウィニングラン後はお得意の“ポーズ”で喜びをあらわした。

いっぽう、シューマッハーはピットへと戻ると、さばさばとした表情でチームクルーたちと握手を交わし、首脳陣たちと抱擁し、静かにレースを終えた。
レース後、ドライバーズチャンピオンシップは終わったと敗北宣言。ルノーに9点差をつけられている、フェラーリのコンストラクターズタイトル奪還に協力する旨を語った。

アロンソ126点対シューマッハー116点。もちろん、最終戦ブラジルGPで何が起こるかはわからないが、あのシューマッハーがあまりにも簡単にタイトルを諦めてしまったことは驚きである。

速く、確実で、まだまだポテンシャルがある37歳は、モチベーションを失ったゆえに引退を決めたのか。それとも、引退を表明したことにより、周囲がシューマッハーのやる気を奪ってしまったのか。

今年最後、シューマッハー最後のレースは、10月22日、ブラジルで行われる。

(webCG 有吉)


6月の第9戦カナダGP以来となる勝利で、アロンソは10点を獲得。宿敵ミハエル・シューマッハーがリタイアしたことで、再びチャンピオンシップでトップに躍り出た。残るは1戦のみ、点差は10点、予断は許されないが、アロンソ&ルノーの優位な立場は否定できない。(写真=KLM Photographics J)


スタートシーン。フロントローからフェラーリの2台、セカンドローからトヨタの2台が1コーナーへめがけ突進。5番グリッドのアロンソは必死にスペースを見つけ、なんとか4位でオープニングラップを終えた。(写真=Ferrari)


トップを走る、ポールシッターのフェリッペ・マッサの後ろに、ミハエル・シューマッハー。フェラーリのこの順位は、3周目に早くも替わり、シューマッハーはタイトルへ向けて首位をひた走っていた。37周目、高い信頼性を誇るフェラーリエンジンが音をあげるまで、シューマッハーは2位アロンソを従えての走行だった。(写真=KLM Photographics J)


シューマッハーはまさかのリタイアでノーポイント。レース後、自身のドライバーズタイトルを諦め、コンストラクターズタイトルに力を注ぐと敗北を認めた。伝説的ドライバーの走りを見られるのはあと1戦だけだ。(写真=Ferrari)


ホンダにとって、ルーベンス・バリケロがスタートで接触しウィング破損、順位を落とすという躓きで始まった日本GP。バリケロは12位完走だったが、ジェンソン・バトン(写真)は7番グリッドからポジションをあげ、4位でポイントを獲得した。(写真=KLM Photographics J)


地元日本で錦を飾らんと、フェラーリに次ぐ2列目を占拠したトヨタ。しかしレースではズルズルと後退し、ヤルノ・トゥルーリが6位、ラルフ・シューマッハー(写真)は7位に終わった。ペースのあがらないトゥルーリに、ラルフが付き合わされるかっこう。後ろからスタートしたホンダ、マクラーレンに抜かれたのだから、作戦面では失敗といっていい。(写真=KLM Photographics J)


とにかく鈴鹿に照準をあわせてきたというスーパーアグリ。佐藤琢磨(写真)は、トロロッソ、スパイカーといったミッドフィールダーを従え15位でフィニッシュした。順位は決してよくないが、見切り発車でスタートした2006年シーズンを思えば上出来。ゴール後、つめかけた多くの観客の応援に手を振って応えた。いっぽう、山本左近はスピンしながらもなんとか17位で完走した。(写真=KLM Photographics J)


鈴鹿でのF1開催20年を記念したデモラン。マクラーレンMP4/6(右)をゲルハルト・ベルガー、レイトンハウスをイヴァン・カペリがドライブした。(写真=KLM Photographics J)


「See you again」の「again」はいつになるのか。2007年から日本GPの舞台は、鈴鹿から富士へと移る。(写真=KLM Photographics J)

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