アメリカで大人気が予想される「光岡オロチ」だが……

2006.10.04 自動車ニュース

アメリカで大人気が予想される「光岡オロチ」だが……

東京で華々しいデビューを飾った、光岡自動車の“ファッションスーパーカー”「大蛇(オロチ)」。当然、スーパーカーの大消費国であるアメリカへ進出すると思うのが筋である。

■オロチがアメリカに行かない理由

車両価格1050.0万円ということは、アメリカでは約9万ドル。「ランボルギーニ・ムルシエラゴ」にも劣らないド迫力フォルムと、トヨタ製3.3リッターV6が生み出す燃費の良さで、この価格。コルベットに飽き足らないアメリカ人たちに大人気となりそうな気配すらある。

しかしながら、オロチがアメリカに輸出される計画はないそうだ。オロチは東南アジアを含めた東洋圏を中心とした海外販売を考慮しているのみだという。

オロチがアメリカに行かない理由。それは、デリバリーの問題(4年間で400台しかつくられない)や、アメリカ現地でのアフターサービスの難しさもある。だが最大の理由は、PL(Product Liability :製造者責任)法なのである。

小規模生産メーカーにとって、PL法による賠償責任は死活問題。過去事例ではフォード・エクスプローラー/ファイアストン訴訟のように、アメリカではいったん事が起きると、数百億円、数千億円、はたまたウン兆円という天文額的訴訟額を請求されることにもなる。
トヨタ、ホンダなどの大自動車メーカーは、アメリカ現地法人内に数百人の弁護士を抱え、PL法を含めた膨大な法律案件に事前対処している。ところが、日系や欧州系のアフターマーケットメーカーなど多くは、PL法による本当のリスクを深く考えず「アメリカ市場は大きくて魅力的だ」と突き進むケースが多いのだ。

そんななか、光岡自動車がオロチをアメリカに輸出しないのは、実に健全で賢い選択だといえよう。つまりは、光岡自動車はアフターマーケットメーカーのような短絡的思考ではなく、名実ともに自動車メーカーとしてのシッカリとした自覚が備わっていると考えられる。

このしっかりしたメーカーがつくった日本初の“ファッションスポーツカー”の未来に、大いに期待したい。

(文=桃田健史(IPN))

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