ご当地仕様のスタッドレスタイヤ、「ミシュランX-ICE」を試す

2006.09.11 自動車ニュース

ご当地仕様のスタッドレスタイヤ、「ミシュランX-ICE」を試す

2006年9月1日、ミシュランタイヤは、スタッドレスタイヤ「X-ICE」に9サイズを加えて発売。その性能を試すため、冬支度を控える日本を飛び出し、ニュージーランドでいち早く試乗してみた。




■ヨーロッパの冬タイヤは日本で売れない

日本代表のブリヂストンと並ぶ自動車タイヤ界の西の巨頭ミシュラン。しかし、フランス生まれのこのブランドが日本で販売するモデルのうち、実はスタッドレスタイヤは100%「メイド・イン・ジャパン」のものなのだ。

クルマでもカバンでも舶来モノ大好き(?)の日本の消費者に向けて、こうして冬タイヤのみが例外となったのは、「日本の冬道(特に凍結路面)では、日本製タイヤでないと役に立たない(と思われている)から」だ。




ひとが立って歩くのもままならないツルツル路面である“ミラーバーン”や、乾燥した大都市と凍結した山間部が隣接するといった地理的条件は、およそ欧米ではお目にかかれない。
スタッドレスとはいえ、まず照準を合わせるのはウェットやスノー路面上での性能。同時に150km/h、あるいはそれ以上の速度で長時間走行を行うことをも視野に入れて開発された欧米マーケット用のタイヤでは、前述のような日本で頻繁に見かける固有で過酷なシーンではとても満足のいく性能は得られないのだ。

「氷上性能に特化した日本の一般的スタッドレスタイヤと、スノーに加えウェット/ドライ性能にも重きを置いたヨーロッパの冬タイヤの“いいとこどり”を狙った」という、いかにもミシュランらしいコンセプトに基づいて開発された「X-ICE」。なるほど、氷上、雪上、そしてドライ路面など様々なシーンでのトータルバランスの高さが印象に残るタイヤだった。

“バランス狙い”と聞くとどうしても氷上性能が甘くなってしまいそうな気もするが、日本の雪国ユーザーが重視する部分を外していないのが、まさに日本生まれ・日本育ちのスタッドレスタイヤらしい。


「ミシュランX-ICE」の発売サイズは15インチから19インチまでの全95サイズと、かなり多いラインナップ展開。価格はオープン価格となる。

■ドライでもシュアなハンドリング

日本とは季節が逆転する南半球はニュージーランドでのイベントは、「VWゴルフ」や「マツダ・アクセラ」「BMW X5」など、さまざまなテスト車にさまざまなサイズを組み合わせての体験走行となった。

信頼に足る氷上性能はいずれの場合でも共通する印象。その上で、かつて氷河が削って生まれたという雄大な湖の淵を舐めるように続く、ツイスティなワインディングロード上でも、うっかりするとスタッドレスタイヤであることを忘れてしまいそうになる、シュアなドライハンドリングを実現させていた。

もちろん、しっかりとしたブレーキング性能に代表される氷上性能は確保されていないと困るが、だからといって積雪路面があらわれるまでの数百kmの高速道路区間をフラフラと走って行くのも絶対イヤ――X-ICE開発のベースとなった“高バランスコンセプト”は、「冬の休日はウインタースポーツを楽しみたい」といった日本の多くの都会に住むドライバーにこそうってつけなのかも知れない。

(文=河村康彦/写真=ミシュランジャパン)

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