【WRC 2006】第11戦ラリー・ジャパン、新井は殊勲の6位入賞!ロウブが通算27勝目で最多勝記録更新

2006.09.04 自動車ニュース

【WRC 2006】第11戦ラリー・ジャパン、新井は殊勲の6位入賞!ロウブが通算27勝目で最多勝記録更新

世界ラリー選手権(WRC)第11戦ラリー・ジャパンが、2006年9月1〜3日、北海道帯広市を舞台に開催された。

ヨーロッパ圏外のイベントということもあり、WRカーのエントリーは12台に留まったが、05年のPWRCチャンピオン、新井敏弘が「インプレッサWRC2006」でエントリー。今季で3度目の開催を迎える同大会も、数多くの注目を集めることとなった。

そんななか、シトロエンの“隠れワークス”クロノスレーシングで「クサラWRC」を駆るセバスチャン・ロウブと、「フォーカスRS WRC2006」で挑むフォードのエース、マーカス・グロンホルムが激しいトップ争いを展開。結果、ロウブが今季7勝目、通算27勝目を獲得し、カルロス・サインツの持つ最多優勝記録を更新した。

■スバル勢は苦戦、グロンホルムが首位に浮上

2台同時スタートのスーパーSSがサービスパークに設置され、さらに観戦ポイントが増加されたりと、エンターテイメント性が高くなってきた今季のラリー・ジャパンは、8月31日、帯広駅前で行なわれたセレモニアルスタートで幕を開けた。

ラリーウィークは不安定な天候で、レッキ日の雨が残るなか、翌9月1日、林道やオフロードコースで本格的な競技がスタートした。
注目のファーストステージを制したのは、前戦フィンランドで今季4勝目を獲得したグロンホルムで、チームメイトのミッコ・ヒルボネン、スバルのエース、ペター・ソルベルグが2番手、3番手に続いた。

が、3番手のソルベルグは、SS3でブレーキとフロントデフにトラブルが発生し大きく後退。4番手に浮上したクリス・アトキンソンもブレーキとデフに問題、さらにSS2で4番手タイムをマーク、SS5で総合5番手に浮上した新井も「SS6でクラッチが滑り始めた」とのことでペースダウンを強いられた。

対して序盤は先頭スタートの“掃除役”でペースの上がらないロウブだったが、SS3以降はコンスタントに好タイムを連発し、一気にジャンプアップ。
その結果、トップ3はグロンホルム、ロウブ、ヒルボネンというオーダーで、4番手にOMVプジョーのマンフレッド・ストール、5番手にロウブのチームメイト、ダニエル・ソルドが続いた。

アトキンソンが6番手、新井が7番手、ソルベルグ8番手で、スバル勢にとっては予想外の不調な幕開けとなった。

■グロンホルムが痛恨のスピン! ロウブがトップに浮上

明くる2日のレグ2も白熱したポジション争いが展開された。

SS14、SS15でグロンホルムがスピンをきっし、2番手に後退。かわって激しい追い上げを見せていたロウブがトップに浮上する。
3番手はヒルボネン、4番手は前日と同様にデフのトラブルを抱えながらも、少しずつポジションを上げてきたアトキンソン。

以下、ストールが5番手、ソルドが6番手に後退、7番手はセンターデフのトラブルが発生しながらも粘り強いドライビングで追い上げたソルベルグで、注目の新井はセンターデフのトラブルとSS16のコースオフの影響で8番手に後退することとなった。

■フォード勢が2、3位で表彰台

こうして2日間にわたって激しいシーソーゲームを繰り返してきたロウブvsグロンホルムの一騎打ちは、最終日もヒートアップ。2番手のグロンホルムが激しく追走、トップのロウブとの差を詰めていった。そして、それまであった25秒のマージンを、SS26を終えた段階で約5秒まで短縮した。

まさに近年に例のない接戦となったが、最終SS、1.3kmのスーパーSSでロウブが逃げ切りに成功。「マーカスと最後まで戦って勝つことができたので心に残るラリーになったよ」と語るロウブが今季7勝目を獲得し、通算27勝でサインツの持っていた最多勝記録を更新した。

「昨日の2回のスピンが大きく影響したけど、最後までプッシュすることができた。悔しい気持ちも強いけど、こんな戦いなら2位も悪くないね」と語るグロンホルムが2位入賞を果たした。

ヒルボネンが3位に入賞。以下、アトキンソンが4位、ストールが5位につけ、「3日目にしてWRカーのドライビングがわかってきた。トラブルもあったけど無事に完走できてよかったよ」と語る新井が6位、ブレーキトラブルで終始ペースダウンを強いられたソルベルグが7位でフィニッシュした。

■PWRCは奴田原が今季2勝目

同時開催のプロダクションカー世界ラリー選手権(PWRC)第5戦では、開幕戦モンテカルロを制した奴田原文雄(三菱ランサー)とトミ・マキネンの教え子、ヤリ-マティ・ラトバラ(スバル・インプレッサ)が序盤から激しいトップ争いを展開した。

まず、SS1を制した奴田原がSS3までトップをキープするものの、SS4でパンクに見舞われ2番手に後退。さらに猛追を披露した奴田原がSS7でトップを奪還したのだが、SS8で再びパンクの憂き目に遭い、結局、ラトバラがトップ、奴田原が2番手でレグ1をフィニッシュした。

翌日のレグ2でもラトバラ、奴田原のタイム争いが展開されたものの、「パンクしたら終わり……というメンタル面もあって攻めきれなかった」と奴田原が語るように、トップのラトバラとのマージンが徐々に開き出した。

この時点で、「初めてのジャパンでラリーをリードすることができて本当に嬉しいよ。明日もこのままのペースで走りたいね」とラトバラ、「本当は優勝したかったんですけどね、(トップのラトバラに)追いつくことは難しいでしょう。ポイントを考えてポジションをキープしたいと思います」と奴田原。しかし両者の勝敗は、最終日のレグ3で起きた予想外のハプニングで決まった。

なんとSS25のペンケニコロベツで、トップのラトバラがロールオーバー。2本のステージを残してトップ争いから脱落したのだ。
かわって「ペンケニコロベツは難しいコースなのでミスをないように走りました。3度目のチャレンジだったので、ジャパンで勝つことができて本当に嬉しいですね」と語る奴田原が今季2勝目を獲得した。

2位にガブリエル・ポッゾ、3位にマルコス・リガトらアルゼンチンのランサー勢が続き、三菱ユーザーが表彰台を独占した。

なお、第4戦アクロポリスでPWRCにデビューした鎌田卓麻(スバル・インプレッサ)は、センターデフのトラブルに見舞われ、7番手でレグ1をフィニッシュ。続くレグ2では足まわりのトラブルが発生し、マシンを止めることとなったが、スーパーラリーでレグ3に出走、母国ラリーを8位でフィニッシュした。

(文と写真=廣本泉)

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昨年のジャパン・ウィナー、グロンホルムは惜しくも優勝ならず。(写真=Ford)

昨年のジャパン・ウィナー、グロンホルムは惜しくも優勝ならず。(写真=Ford)

相次ぐトラブルに見舞われたスバル勢は、クリス・アトキンソンの4位がベストリザルト。(写真=Subaru)

相次ぐトラブルに見舞われたスバル勢は、クリス・アトキンソンの4位がベストリザルト。(写真=Subaru)

母国に錦を飾るべく、WRカーインプレッサで奮闘した新井敏弘は、6位入賞を果たした。

母国に錦を飾るべく、WRカーインプレッサで奮闘した新井敏弘は、6位入賞を果たした。

三菱ランサーを駆る奴田原文雄が、まさかの逆転で開幕戦に次ぐ2勝目をあげた。

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