【FN 2006】第6戦富士、トレルイエ完勝、引き続きチャンピオンシップをリード

2006.08.28 自動車ニュース

【FN 2006】第6戦富士、トレルイエ完勝、引き続きチャンピオンシップをリード

決勝を控え、ダミーグリッドについたマシンの大半にはレインタイヤが装着されていた。だが、スタート直前になってスリックタイヤへと交換する姿が見受けられた――。

夏休み最後の週末、全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの2006年第6戦が、静岡県・富士スピードウェイで開催された。
8月27日の決勝は、正午過ぎに降った雨の影響を受け、セミウェットコンディションでのスタート。不安定な状況のなか、申し分のないレース運びを見せたブノワ・トレルイエが優勝。今季3勝目をあげた。
2位は予選14番手から大躍進したアンドレ・ロッテラーが、3位には本山哲が続いた。

■小暮、2戦連続のポールポジション

予選日の前日、金曜日の公式練習は午後から雷雨となる荒れた天気に見舞われた。土曜の予選も午後から雨の心配がされたが、終日どんよりとした天気に留まり、ドライコンディションでのアタックが行われた。

予選1回目で暫定トップタイムを叩き出したのは、小暮卓史。安定して速いタイムをマークし、ニュータイヤ装着後はきっちりベストラップを刻み、2番手トレルイエに0.3秒差をつけた。3番手にはディフェンディングチャンピオンの本山哲。終始、ライバルたちにリードを許した本山は、予選2回目での一発逆転に賭けた。

雨の可能性が高い――。ドライでのアタックを狙うドライバーが我先にとコースへ向かった予選2回目。雨も降らず、気温、路面温度とも午前から僅かに上昇しただけのコース上には、早い段階から自己ベストタイムを更新するドライバーがあらわれた。

そんななか、小暮はアタック中盤にトップタイムを更新する1分28秒184をマーク。後続にプレッシャーをかけた。

セッション終了まで残り10分を切ると、いつものようにポジション争奪戦が激化。小暮のチームメイト、金石年弘も総合2番手に浮上すると、トレルイエがこれを上回るタイムをマーク、さらには本山も渾身のアタックで自己ベストを大きく更新。だが、トップタイムには及ばない。

結果、小暮が今季3度目のポールポジションを獲得し、逆に本山は今季3度目の2位に甘んじた。3位は目下、ランキングトップのトレルイエがつけた。

■小暮、まさかの戦線離脱

決勝日は、朝からうす曇り。前夜に降った雨がコース上に残っており、ウェット宣言のもと朝のフリー走行が行われた。
加えて正午過ぎに降った雨で、決勝前のコースはセミウェット。だが空も明るくなり、天気が回復すると読んだチームはスリックタイヤでのレースを決断。ギリギリになってグリッド上で慌しくタイヤ交換することに。結果、22台中、3台のマシンのみがレインタイヤを装着しダミーグリッドを離れた。

このリスキーな行動に、早速足もとをすくわれたのがPPの小暮だった。フォーメーションラップ中の最終コーナー手前でなんとスピン! エンジンをストップさせ、グリッドにマシンをつけることなく戦いを終えてしまった。

PP不在という波乱の幕開けで、会心のスタートを切ったのは3番手のトレルイエ。2番手の本山は、1コーナーで大きくはらんでオーバーランする。
一方、怒涛の追い上げを見せたのが松田次生。予選11番手に甘んじた松田、実はウェットタイヤを装着するひとりだった。瞬く間にトップでオープニングラップを終了した松田は、雨の残るコースをスリックタイヤで格闘するライバルを大きくリードした。

■逃げる松田、食い下がるスリック集団

10周を過ぎ、トップ松田と後続との差は18秒近くまで開く。だが、次第にスリックタイヤ装着車のタイムも上昇。周回のたびにベストタイムを刻んでくる。こうなるとさすがの松田とて太刀打ちするのが難しくなり、18周を終えてピットイン。スリックでの走行に切り替えた。

新しくトップに立ったのは、トレルイエ。すでに2位金石に約12秒のギャップを設けて、快調の走りを見せる。
対照的に金石は3番手ロッテラーに詰め寄られ、後半に入ってから逆転を許してしまった。その後、金石は傷めたタイヤが原因でペースを上げることができず、さらに本山の猛追に苦しんだ。

■トレルイエ、文句なしの勝利

トップのトレルイエは集中力を切らさない走りに徹し、そのままフィニッシュ。戦わずして終わった豪雨の開幕戦(富士)では、PPからパレードラップのような走りだけで優勝となったが、今回は文句なしの優勝を果たし、今季3勝目。
シリーズポイントにおいても、2位に14ポイントの差をつけ、大きくリードすることになった。

2位はロッテラー。予選ではセッティングが進まず後方からのスタートとなったが、不安定な路面コンディションをくぐり抜け、ライバルたちを文字通り蹴散らす大健闘となった。
最後まで競り合ったのが3位の座を巡る金石と本山。序盤、エンジンの不調に苦しんだ本山だったが、次第に調子を取り戻し、チェッカー3周前のストレートエンドで金石を料理。厳しい状況のなかで最善の走りを見せたのは、ディフェンディングチャンピオンの意地ともいえる。

次回、第7戦SUGOからシリーズ終盤戦を迎えるフォーミュラ・ニッポン。ランキングではトレルイエが35点で頭ひとつ飛び出しているが、2位以下(2位松田21点、3位ロッテラー20点、4位本山14点……)は依然緊迫した状態を見せている。残り3戦での逆転も十分に考えうる戦いになりそうだ。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)

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オープニングラップを終えて、コントロールラインを真っ先に駆け抜けたのは、レインタイヤをチョイスした松田次生だった。

オープニングラップを終えて、コントロールラインを真っ先に駆け抜けたのは、レインタイヤをチョイスした松田次生だった。

アンドレ・ロッテラー(右)と本山(左)の攻防戦。結果ロッテラーが2位、本山3位でゴール。

アンドレ・ロッテラー(右)と本山(左)の攻防戦。結果ロッテラーが2位、本山3位でゴール。

ウェットタイヤに賭けた松田は、序盤水を得た魚のようにハイペースで飛ばし大きなマージンを築いたが、路面状況の変化を受けてタイヤ交換のためピットイン。ほとんどのチームがノーピット作戦をとったため、結果的にウェットでのスタートは失敗に終わった。7位完走。

ウェットタイヤに賭けた松田は、序盤水を得た魚のようにハイペースで飛ばし大きなマージンを築いたが、路面状況の変化を受けてタイヤ交換のためピットイン。ほとんどのチームがノーピット作戦をとったため、結果的にウェットでのスタートは失敗に終わった。7位完走。

拳を突き上げクルーに喜びを伝えるウィナー、トレルイエ。これで今シーズン3勝目となる。

拳を突き上げクルーに喜びを伝えるウィナー、トレルイエ。これで今シーズン3勝目となる。

左から、2位ロッテラー、1位トレルイエ、優勝チームmobilecast IMPULの星野一義監督、そして3位本山。

左から、2位ロッテラー、1位トレルイエ、優勝チームmobilecast IMPULの星野一義監督、そして3位本山。

決勝日のピットウォーク時にツーシーターフォーミュラに乗り込んだのは、セクシータレントのインリン・オブ・ジョイトイ。

決勝日のピットウォーク時にツーシーターフォーミュラに乗り込んだのは、セクシータレントのインリン・オブ・ジョイトイ。

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